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ヒロインよ、王太子ルートを選べ!~本編~
コレットの脱出計画②
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縄が解けてから丸一日。日々体力が落ちてますから、なるべく早くここから脱出すべきかと思います。
鍵がかかっている扉から外に出るのは不可能。塔から飛び降りるのも無理。せめてカーテンやシーツなどがあれば、塔の上からそれをつたって下に降りられるのに。私を縛っていた縄も長さが全く足りませんし、この部屋には何にもありませんね。
私の着ている服くらいしか。
……いや、服はマズイでしょう。仮にも年頃の女子ですから。仮に逃げ出しても、出会った人がビックリしてしまいますよね。
このままここで死ぬのとどっちがマシかっていう話ですけれど。
……服、いっちゃう?
夏とは言え、森の中では夜は冷えるかもしれないと思って、薄手の外套も羽織ってきたんでした。外套とドレスと、私を縛っていた縄をつなげてロープのようにすれば、とりあえず隣の建物の上までは降りられるかもしれません。その代わり、シュミーズとコルセットだけの恥ずかしい恰好になってしまいますが、命には代えられない。
やるのよ、コレット!
ハサミもなかったので、歯で少しずつ外套とドレスを破ってつなげていきます。コツコツ作業をしていると、いつの間にか夕方になったようで、開けっ放しにしている天井の扉から夕日が差し込んできました。出来上がったロープを持って、屋上に上がります。このまま逃げれば夜の闇に隠れて移動できそうです。
一応私も貴族令嬢の端くれなのですが、人間追い詰められればなんだってできるのですね。
塔の上にロープを固定できる金具を見つけて縛り、ロープを下に垂らすと、何とか隣の建物までは行けそう! グッジョブ私!
ロープを引っ張って強度を何度も確かめます。その時、急にドカーンという大きな爆発音が! 思わず耳をふさいでその場にうずくまると、音と共に私のいる塔もガタガタと揺れます。
近いですね、ヴォルタース邸のどこかで爆発が起こったのかもしれません。急いで立ち上がり音がした方向を見ると、ヴォルタース邸の向こうから煙が上がっています。
なんなの? 誰かが助けに来てくれたとか?
……もしかして、私のダイイングメッセージを見たレオ様が来てくれたんだったらどうしましょう。お別れした直後に早速ご迷惑をかけるなんて、とんでもなく面倒な元・婚約者です! 新たな婚約者様にも申し訳ないです。爆発の原因がレオ様なのかどうかも分かりませんが、どうかお怪我をなさってませんように。私はできればこのまま誰にも会わずに遠くまで逃げます!
うわぁ、何だか爆発した方向からたくさん人の声が聞こえます。早くしなきゃ。
ロープを握りしめて、そっと塔の外に足を出してみます。それまで心地よかった夕風が、急に私の体を揺らす悪魔みたいに思えますね。風よ、止まってください! お願いします!
一歩ずつ塔の外壁に足をかけて降りていきます。手に力が入らないけれど、手を離したら一貫の終わり。途中、手のひらから血が出ているのを感じますが、我慢しながら下へ下へ。風にのって爆発の煙のにおいがただよってきます。もうすぐ降りられそうだと思った時、そのにおいと共に嫌な相手が現れてしまいました。
「コレット……! お前、逃げる気か!!」
「ぎゃあぁぁっ!」
ヴォルタースに見つかったよ! 助けて神様!
驚いて、そのまま手を滑らせて下に落ちてしまいました。うっ……膝思い切り打ったし、反対側の足もくじいた。痛い、痛いよう。
ヴォルタースは、向こうの方から私のいる建物の方に走ってきます。ここから更に地面に飛び降りたいけど、足が動かない。裸足で血だらけの足は、自分で見ても痛そう。
ここまでか……。
鍵がかかっている扉から外に出るのは不可能。塔から飛び降りるのも無理。せめてカーテンやシーツなどがあれば、塔の上からそれをつたって下に降りられるのに。私を縛っていた縄も長さが全く足りませんし、この部屋には何にもありませんね。
私の着ている服くらいしか。
……いや、服はマズイでしょう。仮にも年頃の女子ですから。仮に逃げ出しても、出会った人がビックリしてしまいますよね。
このままここで死ぬのとどっちがマシかっていう話ですけれど。
……服、いっちゃう?
夏とは言え、森の中では夜は冷えるかもしれないと思って、薄手の外套も羽織ってきたんでした。外套とドレスと、私を縛っていた縄をつなげてロープのようにすれば、とりあえず隣の建物の上までは降りられるかもしれません。その代わり、シュミーズとコルセットだけの恥ずかしい恰好になってしまいますが、命には代えられない。
やるのよ、コレット!
ハサミもなかったので、歯で少しずつ外套とドレスを破ってつなげていきます。コツコツ作業をしていると、いつの間にか夕方になったようで、開けっ放しにしている天井の扉から夕日が差し込んできました。出来上がったロープを持って、屋上に上がります。このまま逃げれば夜の闇に隠れて移動できそうです。
一応私も貴族令嬢の端くれなのですが、人間追い詰められればなんだってできるのですね。
塔の上にロープを固定できる金具を見つけて縛り、ロープを下に垂らすと、何とか隣の建物までは行けそう! グッジョブ私!
ロープを引っ張って強度を何度も確かめます。その時、急にドカーンという大きな爆発音が! 思わず耳をふさいでその場にうずくまると、音と共に私のいる塔もガタガタと揺れます。
近いですね、ヴォルタース邸のどこかで爆発が起こったのかもしれません。急いで立ち上がり音がした方向を見ると、ヴォルタース邸の向こうから煙が上がっています。
なんなの? 誰かが助けに来てくれたとか?
……もしかして、私のダイイングメッセージを見たレオ様が来てくれたんだったらどうしましょう。お別れした直後に早速ご迷惑をかけるなんて、とんでもなく面倒な元・婚約者です! 新たな婚約者様にも申し訳ないです。爆発の原因がレオ様なのかどうかも分かりませんが、どうかお怪我をなさってませんように。私はできればこのまま誰にも会わずに遠くまで逃げます!
うわぁ、何だか爆発した方向からたくさん人の声が聞こえます。早くしなきゃ。
ロープを握りしめて、そっと塔の外に足を出してみます。それまで心地よかった夕風が、急に私の体を揺らす悪魔みたいに思えますね。風よ、止まってください! お願いします!
一歩ずつ塔の外壁に足をかけて降りていきます。手に力が入らないけれど、手を離したら一貫の終わり。途中、手のひらから血が出ているのを感じますが、我慢しながら下へ下へ。風にのって爆発の煙のにおいがただよってきます。もうすぐ降りられそうだと思った時、そのにおいと共に嫌な相手が現れてしまいました。
「コレット……! お前、逃げる気か!!」
「ぎゃあぁぁっ!」
ヴォルタースに見つかったよ! 助けて神様!
驚いて、そのまま手を滑らせて下に落ちてしまいました。うっ……膝思い切り打ったし、反対側の足もくじいた。痛い、痛いよう。
ヴォルタースは、向こうの方から私のいる建物の方に走ってきます。ここから更に地面に飛び降りたいけど、足が動かない。裸足で血だらけの足は、自分で見ても痛そう。
ここまでか……。
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