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飛び立つ時
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***宿 サリサの部屋***
ドラゴンの真名によってカメリアの制限が解除された同時刻、サリサにも同じ現象が起きた。
「――――――を解除します。おめでとうございます。新たなスキルを取得しました」
目の前に浮かぶ文字を見てサリサの体は震えていた。
「なんだこりゃあ!?っつーか『ドラゴンの真名が開放されました。対なる竜騎士として力を開放しますか』で『はい』を選んだだけだぞ?なにがどうなってんだ!?いきなりなんだ!?」
サリサは混乱しながらもステータス画面を開く。前と変わらない数字が並んでいる。
「名前:サリサ
レベル:999
種族:人間
職業 :聖樹の巫女/竜騎士
状態 :正常
HP :999
MP :999
体力 :133
筋力 :79
敏捷 :28
知力 :12
魔力 :11
運 :9
SP :0
祈り:24回」
「お、祈りが増えてる。おばちゃん達の腹が痛いの早くなおりますようにも祈りに入るのか~。へー」
呑気に感想を言いながら今度は自分の『スキル』を表示する。
「剣術(LV1)
槍術(LV1)
棒術(LV1)
馬術(LV1)
魔法耐性(全)(LV1)
気配察知(LV1)
(NEW)罠感知(LV-)
(NEW)解錠(LV1)
(NEW)治癒促進(LV1)
特殊スキル/竜騎士(LV-)」
「おお!ホントにスキル増えてんじゃん!ってあたい、馬に乗ったことなんてねーぞ。」
独り言を呟きながらもスキルの説明を読む。
「剣術……剣を装備するとダメージ量が増える。熟練度が上がるほど斬撃に補正がかかる。
槍術……刺突攻撃のダメージ量が増える。熟練度が上がるほど刺突に補正がかかる。
棒術……長物を装備するとダメージ量が増える。熟練度が上がるほど殴打に補正がかかる。
馬術……馬を御することに優れている。乗馬の際に補正が付かかる。
魔法耐性……魔法のダメージを軽減する。熟練度が上昇すると効果が増す。
気配察知……生物のいる方向がわかる。熟練度が上昇すると精度が増す。
罠感知……トラップのある場所が分かる。
解錠……鍵を開けることができる。熟練度が上昇すると開けるためにかかる時間が短くなる。ただし魔法との併用などで開けることができないものもある。
治癒促進……自然回復力が少し上がる。また病気にもかかりにくくなる。」
「へー、治癒促進はカメリアのと説明が違うけどあたいにもあるんだ。なんか戦う女って感じで格好いいことになってんな~」
「特殊スキル/竜騎士(LV-)
逆鱗ダイブ……どれだけ離れていようと龍の首元に飛び込むことが可能。
逆鱗剥ぎ……このスキルの発動範囲内にいる龍の逆鱗を剥ぐ一撃必殺技。
投擲……狙った場所に必ず投げ飛ばすことができる。」
特殊スキルについてサリサは投擲以外はイマイチ使い勝手が悪いスキルだと思った。
「もっと派手に悪人を倒すスキルが良かったのになぁ。龍限定だと使えないな。でも普通のスキルがいっぱいあるからいいか」
サリサは使えないと思った二つのスキルが世界の命運を握ることになるなど考えもしていなかった。
サリサは変わった実感は無いがステータス表では格好良いスキルを持っている自分の体を見つめる。そしてふと静かにしていると頭の中で声が響いてくるのでそこに意識を集中させた。
〘半径50m以内に1人以上います〙
なにもしていないのに頭の中にハッキリと声と文字が浮かび上がる。
「うわっ!?ちょっ!?どうなってんだ!?」
ひっきりなしに響くこの声を確認するためサリサはステータス表のスキルを見た。
「スキル:気配察知 自動発動中」と書かれている。
(気配察知をなんとかしてくれ!)
サリサがそう望むと「気配察知―感知度の調節ができます。全察知 危険な時のみ察知 察知しない」と頭の中で選択肢が出てきた。
「わーっ!これだ!察知しない!これ!」
口に出さなくてもいいのだが声をだして選択を决めるサリサ。
すると頭の中に浮かんでいた文章が消えた。
(おっ、聞こえなくなった。よし。これで大丈夫だ)
気を取り直したサリサはこれからの事を考え始めた。
(巫女になるなら強くなくちゃダメだろうし、まずは強くなるために冒険者ギルドで登録しよう。その後は……お金を稼ぐか。カメリアのじいちゃんが色々用意してくれるらしいけどあたいのじいちゃんじゃないしなあ。やっぱ気を使っちまうよ。とりあえず冒険者の登録はカメリアに話さないとな。明日一緒に行動したいからカメリアが来たら話そう)
カメリアが気を失っていることなど知らないサリサは彼女なりに妖精の森に行くための計画を立てて過ごすのだった。
ドラゴンの真名によってカメリアの制限が解除された同時刻、サリサにも同じ現象が起きた。
「――――――を解除します。おめでとうございます。新たなスキルを取得しました」
目の前に浮かぶ文字を見てサリサの体は震えていた。
「なんだこりゃあ!?っつーか『ドラゴンの真名が開放されました。対なる竜騎士として力を開放しますか』で『はい』を選んだだけだぞ?なにがどうなってんだ!?いきなりなんだ!?」
サリサは混乱しながらもステータス画面を開く。前と変わらない数字が並んでいる。
「名前:サリサ
レベル:999
種族:人間
職業 :聖樹の巫女/竜騎士
状態 :正常
HP :999
MP :999
体力 :133
筋力 :79
敏捷 :28
知力 :12
魔力 :11
運 :9
SP :0
祈り:24回」
「お、祈りが増えてる。おばちゃん達の腹が痛いの早くなおりますようにも祈りに入るのか~。へー」
呑気に感想を言いながら今度は自分の『スキル』を表示する。
「剣術(LV1)
槍術(LV1)
棒術(LV1)
馬術(LV1)
魔法耐性(全)(LV1)
気配察知(LV1)
(NEW)罠感知(LV-)
(NEW)解錠(LV1)
(NEW)治癒促進(LV1)
特殊スキル/竜騎士(LV-)」
「おお!ホントにスキル増えてんじゃん!ってあたい、馬に乗ったことなんてねーぞ。」
独り言を呟きながらもスキルの説明を読む。
「剣術……剣を装備するとダメージ量が増える。熟練度が上がるほど斬撃に補正がかかる。
槍術……刺突攻撃のダメージ量が増える。熟練度が上がるほど刺突に補正がかかる。
棒術……長物を装備するとダメージ量が増える。熟練度が上がるほど殴打に補正がかかる。
馬術……馬を御することに優れている。乗馬の際に補正が付かかる。
魔法耐性……魔法のダメージを軽減する。熟練度が上昇すると効果が増す。
気配察知……生物のいる方向がわかる。熟練度が上昇すると精度が増す。
罠感知……トラップのある場所が分かる。
解錠……鍵を開けることができる。熟練度が上昇すると開けるためにかかる時間が短くなる。ただし魔法との併用などで開けることができないものもある。
治癒促進……自然回復力が少し上がる。また病気にもかかりにくくなる。」
「へー、治癒促進はカメリアのと説明が違うけどあたいにもあるんだ。なんか戦う女って感じで格好いいことになってんな~」
「特殊スキル/竜騎士(LV-)
逆鱗ダイブ……どれだけ離れていようと龍の首元に飛び込むことが可能。
逆鱗剥ぎ……このスキルの発動範囲内にいる龍の逆鱗を剥ぐ一撃必殺技。
投擲……狙った場所に必ず投げ飛ばすことができる。」
特殊スキルについてサリサは投擲以外はイマイチ使い勝手が悪いスキルだと思った。
「もっと派手に悪人を倒すスキルが良かったのになぁ。龍限定だと使えないな。でも普通のスキルがいっぱいあるからいいか」
サリサは使えないと思った二つのスキルが世界の命運を握ることになるなど考えもしていなかった。
サリサは変わった実感は無いがステータス表では格好良いスキルを持っている自分の体を見つめる。そしてふと静かにしていると頭の中で声が響いてくるのでそこに意識を集中させた。
〘半径50m以内に1人以上います〙
なにもしていないのに頭の中にハッキリと声と文字が浮かび上がる。
「うわっ!?ちょっ!?どうなってんだ!?」
ひっきりなしに響くこの声を確認するためサリサはステータス表のスキルを見た。
「スキル:気配察知 自動発動中」と書かれている。
(気配察知をなんとかしてくれ!)
サリサがそう望むと「気配察知―感知度の調節ができます。全察知 危険な時のみ察知 察知しない」と頭の中で選択肢が出てきた。
「わーっ!これだ!察知しない!これ!」
口に出さなくてもいいのだが声をだして選択を决めるサリサ。
すると頭の中に浮かんでいた文章が消えた。
(おっ、聞こえなくなった。よし。これで大丈夫だ)
気を取り直したサリサはこれからの事を考え始めた。
(巫女になるなら強くなくちゃダメだろうし、まずは強くなるために冒険者ギルドで登録しよう。その後は……お金を稼ぐか。カメリアのじいちゃんが色々用意してくれるらしいけどあたいのじいちゃんじゃないしなあ。やっぱ気を使っちまうよ。とりあえず冒険者の登録はカメリアに話さないとな。明日一緒に行動したいからカメリアが来たら話そう)
カメリアが気を失っていることなど知らないサリサは彼女なりに妖精の森に行くための計画を立てて過ごすのだった。
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