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★★★☆☆
☆★☆
結婚8日目。僕とロードリック様は清らかなまま夫夫で暮らしていた。
ロードリック様は『電話』という道具に話をしたり、急な仕事で朝から出かけてしまって夜遅くに帰るようになってしまった。
僕はまだ人間界のことを知らないから家事の合間に勉強をする。家の中の掃除や自分のお昼ごはんの準備をする。お風呂はシャワーやお湯はりの方法を教えてもらったから冷たいお水を使わなくてよくなった。
今日は天気が良いから洗濯で干せるものは全部外に。
お庭にはハーブがたくさん植えられていて、お花も咲いている。これは仕事で使うんだって言っていた。
洗濯物を干し終わってリビングで一息ついた頃、玄関のチャイムが鳴る。
「こんにちは、宅配便です。サインお願いします」
「はーい」
この世界の配達は荷物も手紙もちゃんと届けてくれるんだって。すごいなぁ。僕がいた世界とは大違い。
「ありがとうございます~」
荷物を受け取ると、送り主の名前は知らない人。ロードリック様宛の荷物だ。これは彼の執務室に置いておく。
またチャイムが鳴ったから出るとそこには頭まですっぽりとフードを被ったローブ姿の男性。
「おひさ~、あっちゃん。元気~?わいが来たったで~」
「その声!アモン!どうしたの!?人間界にきてたの?なんでフード被ってるの?」
「お~、アモンちゃんやで。あっちゃん、おたくと違ってわいは純潔の悪魔やから日の光に弱いん忘れたんか?悪いんやけどちょっと中入れたって」
「あ、ごめんごめん。明るいときに立ち話はキツイね。中に入って。お茶でも飲もうよ」
彼をリビングに案内してあげる。彼には椅子に座ってもらい、カーテンを閉めて太陽の光が入らないようにした。僕はお茶とお菓子を用意して席に着いた。
「久しぶりに会えて嬉しいけど連絡もなしで急に来たからびっくりしたよ。どうしたの?」
「外に用事があったんや。ついでに茶菓子くらいあったらええな思って寄ったんや」
アモンがフードを脱ぐと整ったさわやかな顔と燃えるような赤い髪が見えた。
「あれ?前より少し痩せた?」
「まあ、ちょいダイエットしてんねん。あっちゃんは相変わらずのもっちり餅ボディやな」
よく「もち」というものに例えられるんだけど僕はみたことがないんだよね。白くてもっちりしていて柔らかいのに毎年、人間の喉を詰まらせる凶器になっている食べ物らしいのだけど。
「それより、あっちゃん、聞いたでぇ、魔王の愛人に本当はなりたかったんやってな。夢破れても魔王のためになるなら言うて人間界と魔界のために人間と結婚したって聞いたで」
「へ?僕、正真正銘の魔宮殿入りが嫌だってずっと言ってたでしょ。魔界では名誉なことだし『嫌だ』なんて言ったら反魔王様派って言われて迫害されるから『愛人になりたい』って言っていたけども。だけど今も魔王様の愛人になりたいなんてこれっぽっちも思ってないよ。アモンにはずっとそう言ってきたじゃない」
愛人候補だから建前として人前では『愛人になりたーい」なんて言ってはいたけどアモンやママやパパ達には「面倒だから魔王様の愛人になりたくない」って言っていた。
「お~、やっぱりそうやろ!噂と実際のあっちゃんの言動の差があるから変やな思うとったんや。せやけど愛人決定の日と同時にあっちゃんが姿を消してしもうたから、てっきり噂の方が本当で、わいに言うてたことはわいを使ってライバルの目を背ける作戦やったんか思うたんやわ」
「それだけはないよ。本当に僕は魔王様の愛人にはなりたくなかったんだ。でも僕にかかっていた学費とか全部、魔王様が出してくれていたんだ。愛人教育にかかったお金を返せって魔王様の部下にいわれてさ。お金を返す代わりに、人間界に住む魔族達と人間が平和に暮らすために人間と結婚して見本になるなら借金の返済はしなくて良いっていわれて。借金奴隷になるか結婚かっていわれたら、ねぇ……」
「はー……そら、えらい重要な仕事してんなー。そやけどあっちゃんの溺愛パパ達がよう黙って送り出してくれたな。絶対に『可愛いアレックスを人間なんぞへ嫁には出さん』『嫁に出すくらいなら借金は倍にしてこちらで返す』って皆が金を持ってきて誰が払うかで揉めそうやのに」
僕の背中に汗が流れた気がする。強制的に人間界に送り出されたし、美味しいご飯やお菓子を食べているうちにお父様達に結婚報告することをすっかり忘れていた。
「実は、僕、愛人が決定する日に魔王城に行ってからずっと家に帰れないまま人間界に来たんだよね。逃げ出すといけないからって用意された部屋でずっと過ごしてたんだ」
結婚する時に持ってきた荷物は魔王様の部下って悪魔に頼んで僕の家から持ってきてもらったものだ。
「まーっ、あっちゃん、のほほんとした顔でのほほんと言いおるけどそれ普通ちゃうで。監禁やで!」
「そうなの?」
「なんで分からへんのや!おかしいやろ!」
「よくわからなかったんだけどお城のご飯はすごく美味しかったよ」
アモンがガックリと項垂れた。
「あー、食いしん坊やから飯が美味けりゃええとか思うとったんやろ。でもあかんで。あっちゃん、簡単に流されてしもうたら食い殺されてしまうもんなんやから」
彼はお菓子を手にしてボリボリと食べ始めた。
「僕だって皆に結婚の話をしようと思って部屋から出ようとしたんだよ。でも、あの人たち、僕が部屋から出ようとするとすぐに見つけてくるから」
「もしかせんでも堂々とドアから出ようとしたやろ」
「うん」
「はー……」
アモンが大きなため息をつく。
「まあええわ。人間と結婚してるのは確認できたしな。こっちの生活はどうや?不便あらへん?」
「大丈夫だよ。夫のロードリック様は優しいし今まで何もされなかったからこのまま清らかに暮らしていくよ」
お茶を飲んでいるアモンがブフーッて吹き出した。
「うわっ、きたないなあ」
「げほっ、ごほっ……って、あっちゃん、何さらっと爆弾発言かましてんねん!そんな深いことまでわい聞いてないで!」
「あ、ごめんごめん。でもアモン、僕の友達じゃん。それにアモンはいろんな悪魔や人間と付き合ってるじゃない。体の関係がない付き合いだってあったでしょ?」
「それとこれとは話が違うんや。あれは報酬でお付き合いとは違う。わいに金で支払えん奴は体で払ってもらってるだけや」
アモンがまた大きなため息をついた。同時に僕のお腹がぐーうううって鳴った。時計を見るとお昼の時間だ。
「あ、そうだ。アモン、ご飯は食べた?昨日の残りのカレーがあるよ。食べてく?」
「お、ええやん。あっちゃんが作ったんか?」
「うん、ロードリック様と一緒に作ったんだよ」
「甘そうやな~」
「辛口のルーを使ったから辛いよ」
僕がカレーの辛さを言ったらアモンはひっひっひって引き笑いをするだけだった。
「ちょっと待ってて。すぐ用意するから」
キッチンに向かい、冷蔵庫からカレーを取り出して温め直す。お昼に炊けるようにセットしてある炊飯器のご飯もちょうどのタイミングで炊けた。それをお皿に盛り付けてカレーをかけて
「はい、どうぞ」
「おおきに」
アモンはスプーンを口に運ぶ。
「ど、どう……かな」
僕は自分のカレーを食べる前にアモンの感想を待った。
「ん。普通の美味しいカレーやな。豚肉使っとるんやな。わいの家、トリちゃんやから豚ちゃんカレーは新鮮やわ」
「良かった~。ロードリック様は美味しいって言ってくれたけど、失敗した黒焦げパンも無理して食べちゃう人だから本当に美味しいか心配だったんだよね」
「カレーはうまいで。せやけど、あっちゃん、わいもあっちゃんも人間の食事ばっかやと身が持たへんで。ちゃんと魔界の食材も取り寄せしとるか?」
「どうして?」
「これ、人間用や。人間が食べて生きるための食事や。魔族も食べたら栄養にはなるけど瘴気が圧倒的に足らん。学校で習ったやろ。人間界に行くと体内の瘴気がすぐに減るから人間の欲や精を入手して瘴気を補う必要があるって」
「あ……、忘れてた」
「大事なこと忘れたあかんわ。瘴気がないと魔族は長いこと生きれんのやで。特にあっちゃんは混血の魔族で魔力も大きい分、瘴気が足りんなると影響が大きい。その様子やと毎日人間の飯食うとったやろ。結婚してるのにエロいことまだなんやろ?なのに全然元気そうやから、わいは不思議に思とる」
「うーん……。確かに最初は少し怠いなーって思ったけど、人間界に慣れてきたのか体調も戻ったよ」
「それはおかしいで。どっかで瘴気や精力を補充せんと回復せんのに。どっかで補充してるはずやで」
そう言われても僕には瘴気や精気とかを補充した覚えはなかった。
「とりあえずさっさと結婚相手とヤッてまえ。足りんかったら何人か見繕って囲ったらええで」
「囲うって」
「せやから、旦那以外に数人持つねん。学校でも習ったやろ。魅了魔法で支配して人間達を逃げれんようにするって。あっちゃんは淫魔やし一人じゃ足りんやろ」
アモンが「当たり前」みたいな顔してた。
「う~ん……魔王様の側近にも複数の人を魅了して魔王軍に仕える人間を作れっていわれたけども……僕、そういうのあんまり……」
それは僕がハーレムに入るのが今まで嫌だった。それを自分のために作るってことなんだか違う気がする。でも人間を支配下に置けって圧は魔王様の側近の人からかけられちゃってるしなぁ。
とりあえず、結婚したばかりだし他の人とどうこうは後回しにしてアモンと他愛のないことを話すのだった。
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結婚8日目。僕とロードリック様は清らかなまま夫夫で暮らしていた。
ロードリック様は『電話』という道具に話をしたり、急な仕事で朝から出かけてしまって夜遅くに帰るようになってしまった。
僕はまだ人間界のことを知らないから家事の合間に勉強をする。家の中の掃除や自分のお昼ごはんの準備をする。お風呂はシャワーやお湯はりの方法を教えてもらったから冷たいお水を使わなくてよくなった。
今日は天気が良いから洗濯で干せるものは全部外に。
お庭にはハーブがたくさん植えられていて、お花も咲いている。これは仕事で使うんだって言っていた。
洗濯物を干し終わってリビングで一息ついた頃、玄関のチャイムが鳴る。
「こんにちは、宅配便です。サインお願いします」
「はーい」
この世界の配達は荷物も手紙もちゃんと届けてくれるんだって。すごいなぁ。僕がいた世界とは大違い。
「ありがとうございます~」
荷物を受け取ると、送り主の名前は知らない人。ロードリック様宛の荷物だ。これは彼の執務室に置いておく。
またチャイムが鳴ったから出るとそこには頭まですっぽりとフードを被ったローブ姿の男性。
「おひさ~、あっちゃん。元気~?わいが来たったで~」
「その声!アモン!どうしたの!?人間界にきてたの?なんでフード被ってるの?」
「お~、アモンちゃんやで。あっちゃん、おたくと違ってわいは純潔の悪魔やから日の光に弱いん忘れたんか?悪いんやけどちょっと中入れたって」
「あ、ごめんごめん。明るいときに立ち話はキツイね。中に入って。お茶でも飲もうよ」
彼をリビングに案内してあげる。彼には椅子に座ってもらい、カーテンを閉めて太陽の光が入らないようにした。僕はお茶とお菓子を用意して席に着いた。
「久しぶりに会えて嬉しいけど連絡もなしで急に来たからびっくりしたよ。どうしたの?」
「外に用事があったんや。ついでに茶菓子くらいあったらええな思って寄ったんや」
アモンがフードを脱ぐと整ったさわやかな顔と燃えるような赤い髪が見えた。
「あれ?前より少し痩せた?」
「まあ、ちょいダイエットしてんねん。あっちゃんは相変わらずのもっちり餅ボディやな」
よく「もち」というものに例えられるんだけど僕はみたことがないんだよね。白くてもっちりしていて柔らかいのに毎年、人間の喉を詰まらせる凶器になっている食べ物らしいのだけど。
「それより、あっちゃん、聞いたでぇ、魔王の愛人に本当はなりたかったんやってな。夢破れても魔王のためになるなら言うて人間界と魔界のために人間と結婚したって聞いたで」
「へ?僕、正真正銘の魔宮殿入りが嫌だってずっと言ってたでしょ。魔界では名誉なことだし『嫌だ』なんて言ったら反魔王様派って言われて迫害されるから『愛人になりたい』って言っていたけども。だけど今も魔王様の愛人になりたいなんてこれっぽっちも思ってないよ。アモンにはずっとそう言ってきたじゃない」
愛人候補だから建前として人前では『愛人になりたーい」なんて言ってはいたけどアモンやママやパパ達には「面倒だから魔王様の愛人になりたくない」って言っていた。
「お~、やっぱりそうやろ!噂と実際のあっちゃんの言動の差があるから変やな思うとったんや。せやけど愛人決定の日と同時にあっちゃんが姿を消してしもうたから、てっきり噂の方が本当で、わいに言うてたことはわいを使ってライバルの目を背ける作戦やったんか思うたんやわ」
「それだけはないよ。本当に僕は魔王様の愛人にはなりたくなかったんだ。でも僕にかかっていた学費とか全部、魔王様が出してくれていたんだ。愛人教育にかかったお金を返せって魔王様の部下にいわれてさ。お金を返す代わりに、人間界に住む魔族達と人間が平和に暮らすために人間と結婚して見本になるなら借金の返済はしなくて良いっていわれて。借金奴隷になるか結婚かっていわれたら、ねぇ……」
「はー……そら、えらい重要な仕事してんなー。そやけどあっちゃんの溺愛パパ達がよう黙って送り出してくれたな。絶対に『可愛いアレックスを人間なんぞへ嫁には出さん』『嫁に出すくらいなら借金は倍にしてこちらで返す』って皆が金を持ってきて誰が払うかで揉めそうやのに」
僕の背中に汗が流れた気がする。強制的に人間界に送り出されたし、美味しいご飯やお菓子を食べているうちにお父様達に結婚報告することをすっかり忘れていた。
「実は、僕、愛人が決定する日に魔王城に行ってからずっと家に帰れないまま人間界に来たんだよね。逃げ出すといけないからって用意された部屋でずっと過ごしてたんだ」
結婚する時に持ってきた荷物は魔王様の部下って悪魔に頼んで僕の家から持ってきてもらったものだ。
「まーっ、あっちゃん、のほほんとした顔でのほほんと言いおるけどそれ普通ちゃうで。監禁やで!」
「そうなの?」
「なんで分からへんのや!おかしいやろ!」
「よくわからなかったんだけどお城のご飯はすごく美味しかったよ」
アモンがガックリと項垂れた。
「あー、食いしん坊やから飯が美味けりゃええとか思うとったんやろ。でもあかんで。あっちゃん、簡単に流されてしもうたら食い殺されてしまうもんなんやから」
彼はお菓子を手にしてボリボリと食べ始めた。
「僕だって皆に結婚の話をしようと思って部屋から出ようとしたんだよ。でも、あの人たち、僕が部屋から出ようとするとすぐに見つけてくるから」
「もしかせんでも堂々とドアから出ようとしたやろ」
「うん」
「はー……」
アモンが大きなため息をつく。
「まあええわ。人間と結婚してるのは確認できたしな。こっちの生活はどうや?不便あらへん?」
「大丈夫だよ。夫のロードリック様は優しいし今まで何もされなかったからこのまま清らかに暮らしていくよ」
お茶を飲んでいるアモンがブフーッて吹き出した。
「うわっ、きたないなあ」
「げほっ、ごほっ……って、あっちゃん、何さらっと爆弾発言かましてんねん!そんな深いことまでわい聞いてないで!」
「あ、ごめんごめん。でもアモン、僕の友達じゃん。それにアモンはいろんな悪魔や人間と付き合ってるじゃない。体の関係がない付き合いだってあったでしょ?」
「それとこれとは話が違うんや。あれは報酬でお付き合いとは違う。わいに金で支払えん奴は体で払ってもらってるだけや」
アモンがまた大きなため息をついた。同時に僕のお腹がぐーうううって鳴った。時計を見るとお昼の時間だ。
「あ、そうだ。アモン、ご飯は食べた?昨日の残りのカレーがあるよ。食べてく?」
「お、ええやん。あっちゃんが作ったんか?」
「うん、ロードリック様と一緒に作ったんだよ」
「甘そうやな~」
「辛口のルーを使ったから辛いよ」
僕がカレーの辛さを言ったらアモンはひっひっひって引き笑いをするだけだった。
「ちょっと待ってて。すぐ用意するから」
キッチンに向かい、冷蔵庫からカレーを取り出して温め直す。お昼に炊けるようにセットしてある炊飯器のご飯もちょうどのタイミングで炊けた。それをお皿に盛り付けてカレーをかけて
「はい、どうぞ」
「おおきに」
アモンはスプーンを口に運ぶ。
「ど、どう……かな」
僕は自分のカレーを食べる前にアモンの感想を待った。
「ん。普通の美味しいカレーやな。豚肉使っとるんやな。わいの家、トリちゃんやから豚ちゃんカレーは新鮮やわ」
「良かった~。ロードリック様は美味しいって言ってくれたけど、失敗した黒焦げパンも無理して食べちゃう人だから本当に美味しいか心配だったんだよね」
「カレーはうまいで。せやけど、あっちゃん、わいもあっちゃんも人間の食事ばっかやと身が持たへんで。ちゃんと魔界の食材も取り寄せしとるか?」
「どうして?」
「これ、人間用や。人間が食べて生きるための食事や。魔族も食べたら栄養にはなるけど瘴気が圧倒的に足らん。学校で習ったやろ。人間界に行くと体内の瘴気がすぐに減るから人間の欲や精を入手して瘴気を補う必要があるって」
「あ……、忘れてた」
「大事なこと忘れたあかんわ。瘴気がないと魔族は長いこと生きれんのやで。特にあっちゃんは混血の魔族で魔力も大きい分、瘴気が足りんなると影響が大きい。その様子やと毎日人間の飯食うとったやろ。結婚してるのにエロいことまだなんやろ?なのに全然元気そうやから、わいは不思議に思とる」
「うーん……。確かに最初は少し怠いなーって思ったけど、人間界に慣れてきたのか体調も戻ったよ」
「それはおかしいで。どっかで瘴気や精力を補充せんと回復せんのに。どっかで補充してるはずやで」
そう言われても僕には瘴気や精気とかを補充した覚えはなかった。
「とりあえずさっさと結婚相手とヤッてまえ。足りんかったら何人か見繕って囲ったらええで」
「囲うって」
「せやから、旦那以外に数人持つねん。学校でも習ったやろ。魅了魔法で支配して人間達を逃げれんようにするって。あっちゃんは淫魔やし一人じゃ足りんやろ」
アモンが「当たり前」みたいな顔してた。
「う~ん……魔王様の側近にも複数の人を魅了して魔王軍に仕える人間を作れっていわれたけども……僕、そういうのあんまり……」
それは僕がハーレムに入るのが今まで嫌だった。それを自分のために作るってことなんだか違う気がする。でも人間を支配下に置けって圧は魔王様の側近の人からかけられちゃってるしなぁ。
とりあえず、結婚したばかりだし他の人とどうこうは後回しにしてアモンと他愛のないことを話すのだった。
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