弱者男性は幸せになれるのか！？ 一発逆転を夢見た末路の物語

第三章

第八十四話 自転車に感じる格差

私は氷河期時代の弱者男性である。

私は歩くのが早い方である。

けっこう人前を歩きたいタイプだ。

人の後ろをついていくタイプではない。

自転車も同じで出来るだけ先頭を走っていたい。

とはいえおっさんになってしまったら自転車に乗る機会は少ない。

たまに自転車に乗ると、こんなに太ももの筋肉が必要だったかと驚くほどだ。

それでも頑張ってこぐ。

すると後ろから颯爽ときた自転車に抜かされてしまう。

それが自分より若そうな人ならあきらめもつくのだ。

若い者には負けるという言い訳がたつ。

向こうは部活などで筋肉を鍛えている。

私はその間は働いている。

負けて当然だ。

しかし、自分より年配のおばさまに抜かれると

「なん、だと？！」

とショックを隠し切れない。

しかし、最近はそういう場面がよくある。

なぜなら相手は電気自動車だからだ。

ただのママチャリである私が電気自転車に勝とうと頑張っても相手は私の半分の力で倍の速さで行ってしまう。

ここにも格差があるのかと私は悔しがるのである。