149 / 161
第四章 勇者パーティー
第十九話 王都のダンジョンに入る
しおりを挟む
次の日の朝。俺は王都の外に出ると、冒険者ギルドで調べた方向に進んで、ダンジョンに来た。
今の俺は、黒龍の靴を履き、白龍の服を着て、黒龍の外套を羽織っている。
「王都のダンジョンということもあり、人の多さはティリアン並だな」
俺はダンジョンの前に立つと、そう呟いた。
「あ、ユート!」
「おはようございます! ユートさん」
騎士服姿のシャノンと、白いローブを着たフェリルが俺の前に来た。
「お、シャノンとフェリルか。昨日ぶりだな」
俺は勇者パーティーの女性陣と合流することが出来た。
「それで、他の奴はまだ来ていないのか?」
「え~と……あ、いた!」
シャノンが指を向ける先には、防具を着ているバール、ディール、バルザックの三人がいた。みんな荷物をいっぱい持っている。
「それじゃ、〈アイテムボックス〉」
俺はみんなの荷物を〈アイテムボックス〉にしまった。
「凄いな。これほどの荷物が入るなんて。これだけでもそこそこの贅沢が出来る金が稼げるぞ」
「だが、兄貴は騎士団長を倒せるほどの剣の使い手なんだよな」
「だが、ステータスは魔法師より。流石は兄貴だぜ」
バルザックは両腕を組んで驚き、バールとディールの兄弟は俺を兄貴と呼んでほめたたえた。
ちょっと前まで俺のことを見下していた癖にな。
何か俺が騎士団長をぶっ飛ばしてから態度が変わりだしたんだよ。そこにあの偽装したステータスを見せたらあっという間にこうなっちゃった。まあ、悪い気はしないからいいか。
「それじゃ、入るか」
準備が終わった俺達は、ダンジョンの中に足を踏み入れた。
ダンジョンの中は、ティリアンとなじような洞窟だった。だが、分かれ道がいくつもあり、初見では迷ってしまいそうだ。だが、俺以外の人はみんなこのダンジョンに入ったことがあるので問題はない。
「魔物は……弱い奴ばっかだな」
グリーンゴブリンやスケルトンといっや弱い魔物の代表格が所々にいる。
「このダンジョンは五十階層まであるが、ニ十階層までは手ごたえがないだろうし、さっさと進んだ方が良いな」
バールの言葉に、俺以外の全員が頷いた。俺は完全に初見なので、頷きようがない。
「ただ、少しでも体力を温存させる為に、陣形はちゃんと組みましょう」
「ああ。万が一ってこともあるからな」
「そうだな。よし、行くか」
俺はそう呟くと、〈アイテムボックス〉から世界樹聖剣を取り出した。
「〈風之龍息吹〉!」
先に人がいないことを〈気配察知〉で確認した俺は、〈風之龍息吹〉で先にいた魔物を一掃した。
「兄貴の魔法、初めて見たけど本当にスゲーな」
ディールは興奮気味にそう言った。
「ふ~魔法をぶっ放すのは気持ちがいいな」
六階層に下りて、ようやく俺の番になった為、俺は最初に思いっきり魔法をぶっ放した。
「今ので全部倒しちゃったのね。魔物の気配を感じないわ」
「てか、罠を全部破壊してね? 罠が見当たらないんだが……」
みんな俺の魔法に驚いていた。
それにしても、このダンジョンは罠の数もバリエーションも多い。ただ、罠の数が増えたことと引き換えに、魔物を倒すとたまに装備を落としてくれた。この階層では鉄製の装備ぐらいしか落とさないが、下に行けば行く程、貴重なものを落としてくれるようになるのだ。
「どんどん先に行くか」
俺達は更に先へと進んだ。
「今日はここで寝るとしましょう」
六階層と七階層の間の階段で、俺達は一晩を過ごすことにした。
「それじゃ、出すぞ」
俺はみんなの荷物を階段の上に置いた。
「それじゃ、これを使いましょう」
フェリル様は自分の荷物の中から石板のようなものを取り出すと、ここから少し階段を下りた場所に置いた。
「これでよしっと」
すると、石板がビックラ○トの光に照らされたように大きくなり、やがて階段の上に広くて大きなスペースが出来た。
「そんじゃ、俺もっと」
バールも石板のようなものを取り出すと、少し離れた場所におおいぇ、広くて平らなスペースを作った。
「こんな便利な魔道具があるんだな」
俺はその魔道具を興味深そうに見つめてから、その上にテントを建てた。流石は王族貴族Sランク冒険者と言うべきか、みんなのテントも俺と同じく一瞬で建てられるものだった。
「俺はちょっとテントの中でやることがあるから、みんなは先に夕食を食べててくれ」
「? まあ、分かりました」
フェリル様は訝しみつつも、頷いた。
「じゃ、行くか」
俺はテントの中に入ると、クリスやノア、そしてクリスの家族と一緒に夕食を食べる為にエルフの里に転移した。何でわざわざそっちで夕食を食べさせるのかって?
……だってみんなに会いたいんだもん
今の俺は、黒龍の靴を履き、白龍の服を着て、黒龍の外套を羽織っている。
「王都のダンジョンということもあり、人の多さはティリアン並だな」
俺はダンジョンの前に立つと、そう呟いた。
「あ、ユート!」
「おはようございます! ユートさん」
騎士服姿のシャノンと、白いローブを着たフェリルが俺の前に来た。
「お、シャノンとフェリルか。昨日ぶりだな」
俺は勇者パーティーの女性陣と合流することが出来た。
「それで、他の奴はまだ来ていないのか?」
「え~と……あ、いた!」
シャノンが指を向ける先には、防具を着ているバール、ディール、バルザックの三人がいた。みんな荷物をいっぱい持っている。
「それじゃ、〈アイテムボックス〉」
俺はみんなの荷物を〈アイテムボックス〉にしまった。
「凄いな。これほどの荷物が入るなんて。これだけでもそこそこの贅沢が出来る金が稼げるぞ」
「だが、兄貴は騎士団長を倒せるほどの剣の使い手なんだよな」
「だが、ステータスは魔法師より。流石は兄貴だぜ」
バルザックは両腕を組んで驚き、バールとディールの兄弟は俺を兄貴と呼んでほめたたえた。
ちょっと前まで俺のことを見下していた癖にな。
何か俺が騎士団長をぶっ飛ばしてから態度が変わりだしたんだよ。そこにあの偽装したステータスを見せたらあっという間にこうなっちゃった。まあ、悪い気はしないからいいか。
「それじゃ、入るか」
準備が終わった俺達は、ダンジョンの中に足を踏み入れた。
ダンジョンの中は、ティリアンとなじような洞窟だった。だが、分かれ道がいくつもあり、初見では迷ってしまいそうだ。だが、俺以外の人はみんなこのダンジョンに入ったことがあるので問題はない。
「魔物は……弱い奴ばっかだな」
グリーンゴブリンやスケルトンといっや弱い魔物の代表格が所々にいる。
「このダンジョンは五十階層まであるが、ニ十階層までは手ごたえがないだろうし、さっさと進んだ方が良いな」
バールの言葉に、俺以外の全員が頷いた。俺は完全に初見なので、頷きようがない。
「ただ、少しでも体力を温存させる為に、陣形はちゃんと組みましょう」
「ああ。万が一ってこともあるからな」
「そうだな。よし、行くか」
俺はそう呟くと、〈アイテムボックス〉から世界樹聖剣を取り出した。
「〈風之龍息吹〉!」
先に人がいないことを〈気配察知〉で確認した俺は、〈風之龍息吹〉で先にいた魔物を一掃した。
「兄貴の魔法、初めて見たけど本当にスゲーな」
ディールは興奮気味にそう言った。
「ふ~魔法をぶっ放すのは気持ちがいいな」
六階層に下りて、ようやく俺の番になった為、俺は最初に思いっきり魔法をぶっ放した。
「今ので全部倒しちゃったのね。魔物の気配を感じないわ」
「てか、罠を全部破壊してね? 罠が見当たらないんだが……」
みんな俺の魔法に驚いていた。
それにしても、このダンジョンは罠の数もバリエーションも多い。ただ、罠の数が増えたことと引き換えに、魔物を倒すとたまに装備を落としてくれた。この階層では鉄製の装備ぐらいしか落とさないが、下に行けば行く程、貴重なものを落としてくれるようになるのだ。
「どんどん先に行くか」
俺達は更に先へと進んだ。
「今日はここで寝るとしましょう」
六階層と七階層の間の階段で、俺達は一晩を過ごすことにした。
「それじゃ、出すぞ」
俺はみんなの荷物を階段の上に置いた。
「それじゃ、これを使いましょう」
フェリル様は自分の荷物の中から石板のようなものを取り出すと、ここから少し階段を下りた場所に置いた。
「これでよしっと」
すると、石板がビックラ○トの光に照らされたように大きくなり、やがて階段の上に広くて大きなスペースが出来た。
「そんじゃ、俺もっと」
バールも石板のようなものを取り出すと、少し離れた場所におおいぇ、広くて平らなスペースを作った。
「こんな便利な魔道具があるんだな」
俺はその魔道具を興味深そうに見つめてから、その上にテントを建てた。流石は王族貴族Sランク冒険者と言うべきか、みんなのテントも俺と同じく一瞬で建てられるものだった。
「俺はちょっとテントの中でやることがあるから、みんなは先に夕食を食べててくれ」
「? まあ、分かりました」
フェリル様は訝しみつつも、頷いた。
「じゃ、行くか」
俺はテントの中に入ると、クリスやノア、そしてクリスの家族と一緒に夕食を食べる為にエルフの里に転移した。何でわざわざそっちで夕食を食べさせるのかって?
……だってみんなに会いたいんだもん
4
お気に入りに追加
1,666
あなたにおすすめの小説
クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。
異世界無知な私が転生~目指すはスローライフ~
丹葉 菟ニ
ファンタジー
倉山美穂 39歳10ヶ月
働けるうちにあったか猫をタップリ着込んで、働いて稼いで老後は ゆっくりスローライフだと夢見るおばさん。
いつもと変わらない日常、隣のブリっ子後輩を適当にあしらいながらも仕事しろと注意してたら突然地震!
悲鳴と逃げ惑う人達の中で咄嗟に 机の下で丸くなる。
対処としては間違って無かった筈なのにぜか飛ばされる感覚に襲われたら静かになってた。
・・・顔は綺麗だけど。なんかやだ、面倒臭い奴 出てきた。
もう少しマシな奴いませんかね?
あっ、出てきた。
男前ですね・・・落ち着いてください。
あっ、やっぱり神様なのね。
転生に当たって便利能力くれるならそれでお願いします。
ノベラを知らないおばさんが 異世界に行くお話です。
不定期更新
誤字脱字
理解不能
読みにくい 等あるかと思いますが、お付き合いして下さる方大歓迎です。
転生させて貰ったけど…これやりたかった事…だっけ?
N
ファンタジー
目が覚めたら…目の前には白い球が、、
生まれる世界が間違っていたって⁇
自分が好きだった漫画の中のような世界に転生出来るって⁈
嬉しいけど…これは一旦落ち着いてチートを勝ち取って最高に楽しい人生勝ち組にならねば!!
そう意気込んで転生したものの、気がついたら………
大切な人生の相棒との出会いや沢山の人との出会い!
そして転生した本当の理由はいつ分かるのか…!!
ーーーーーーーーーーーーーー
※誤字・脱字多いかもしれません💦
(教えて頂けたらめっちゃ助かります…)
※自分自身が句読点・改行多めが好きなのでそうしています、読みにくかったらすみません
修行マニアの高校生 異世界で最強になったのでスローライフを志す
佐原
ファンタジー
毎日修行を勤しむ高校生西郷努は柔道、ボクシング、レスリング、剣道、など日本の武術以外にも海外の武術を極め、世界王者を陰ながらぶっ倒した。その後、しばらくの間目標がなくなるが、努は「次は神でも倒すか」と志すが、どうやって神に会うか考えた末に死ねば良いと考え、自殺し見事転生するこができた。その世界ではステータスや魔法などが存在するゲームのような世界で、努は次に魔法を極めた末に最高神をぶっ倒し、やることがなくなったので「だらだらしながら定住先を見つけよう」ついでに伴侶も見つかるといいなとか思いながらスローライフを目指す。
誤字脱字や話のおかしな点について何か有れば教えて下さい。また感想待ってます。返信できるかわかりませんが、極力返します。
また今まで感想を却下してしまった皆さんすいません。
僕は豆腐メンタルなのでマイナスのことの感想は控えて頂きたいです。
不定期投稿になります、週に一回は投稿したいと思います。お待たせして申し訳ございません。
他作品はストックもかなり有りますので、そちらで回したいと思います
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
異世界転生した俺は平和に暮らしたいと願ったのだが
倉田 フラト
ファンタジー
「異世界に転生か再び地球に転生、
どちらが良い?……ですか。」
「異世界転生で。」
即答。
転生の際に何か能力を上げると提案された彼。強大な力を手に入れ英雄になるのも可能、勇者や英雄、ハーレムなんだって可能だったが、彼は「平和に暮らしたい」と言った。何の力も欲しない彼に神様は『コール』と言った念話の様な能力を授け、彼の願いの通り平和に生活が出来る様に転生をしたのだが……そんな彼の願いとは裏腹に家庭の事情で知らぬ間に最強になり……そんなファンタジー大好きな少年が異世界で平和に暮らして――行けたらいいな。ブラコンの姉をもったり、神様に気に入られたりして今日も一日頑張って生きていく物語です。基本的に主人公は強いです、それよりも姉の方が強いです。難しい話は書けないので書きません。軽い気持ちで呼んでくれたら幸いです。
なろうにも数話遅れてますが投稿しております。
誤字脱字など多いと思うので指摘してくれれば即直します。
自分でも見直しますが、ご協力お願いします。
感想の返信はあまりできませんが、しっかりと目を通してます。
辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~
Lunaire
ファンタジー
壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。
辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。
しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。
他作品の詳細はこちら:
『転生特典:錬金術師スキルを習得しました!』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/906915890】
『テイマーのんびり生活!スライムと始めるVRMMOスローライフ』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/515916186】
『ゆるり冒険VR日和 ~のんびり異世界と現実のあいだで~』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/166917524】
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる