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第二章
第十六話 第一回ダンジョン探索の成果
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ゲイリックさんたちと別れた俺は、真っ先に受付へと向かった。
すると、受付嬢は俺を見て若干目を見開きつつも、愛想よく笑みを浮かべる。
やっぱ、この見た目だと皆に驚かれるなぁ……
まあ、そんなことはさておき、一体いくらになるのだろうか……
「これを売りに来ました」
そう言って、俺はリュックサックの中及び空間収納の中から、アークタラテクトの糸玉2つ、迷宮紅水晶を2つ、迷宮蒼水晶を1つ取り出した。
受付嬢はその中の――特にアークスパイダーの糸玉に驚愕したような表情を見せるが、スチャッとズレかけた眼鏡を押さえて冷静になると、丁寧に査定を始める。
そうして待つこと数分後、受付嬢が口を開いた。
「はい。アークスパイダーの糸玉は2つで銀貨4枚。迷宮紅水晶は、1つが銀貨4枚で1つが銀貨3枚。迷宮蒼水晶は1つで銀貨3枚になりますので、合計で14万セルになります。それでは、冒険者カードの提示をお願いします」
「どうぞ」
予想通りの査定結果に納得しつつ、俺は受付嬢に冒険者カードを見せた。
その後、受付嬢が確認記録等をした後、買取金である小金貨1枚と銀貨4枚が、俺の掌に収まった。
「ありがとうございました」
そう言って、俺は受付を離れた。
……やった! これだけでもいい稼ぎだぞ!
いや~ラッキーが重なったとは言え、現状既に迷賊から頂戴した金を含めれば22万セルになる。
流石にこれは、ニヤけざるを得ない。
俺は口元を押さえ、笑みが零れているのを感じながら、上へと続く螺旋階段を上り始めた。
上ってみると、意外と長い螺旋階段を上がり続け、遂に地上に到達した。
チラリと横を見てみると、窓から差し込む光が、俺の顔を照らしてくる。
6日ぶりの陽光ということもあってか、流石に眩しく感じるな……
俺は咄嗟に手傘で目元を覆う。
すると、6日前に舐め――心配してくれた、男性職員と目が合った。
「お、あの時の子供。生きてたのか……!」
そんな驚きの言葉に、俺は内心「死んでると思ってたのかよ……」と思ったが、流石にそれは言葉に出さない。
冷静に考えてみれば、いくらDランク冒険者とは言え、子供が1人でダンジョンに入ったのだとしたら、生きている方が確率的には低いだろう。
まあ、俺の場合は普通じゃ無いし、そもそも1人で入った訳ではないから、そこには当てはまらないが……
「いやいや、生きてますよ」
収入がうまうまで、機嫌の良い俺は、その言葉に笑みを浮かべて返した。
すると、彼は「お、おう……」と気まずそうに視線を逸らしたのであった。
その後、俺はそのまま扉に手をかけると、ダンジョン管理所の外に出た。そして、即刻宿に行ってベッドダイブしたい気持ちを押さえながら、魔石ギルドへ赴く。
「魔石を売りに来ました」
魔石ギルドに到着した俺は、受付に直行すると、受付嬢に用件を告げる。
そして、ダンジョンで手に入れた大量の魔石が入った革袋をいくつもドサッと目の前に置いてやった。
俺がDランク冒険者であることを知らない彼女は、その量と俺の顔を交互に見比べてドン引きするが、査定していくうちに、それは直ぐに収まって行った。
恐らく、中に入っている物が全てダンジョンで出現する魔物だと分かってきたからだろう。荷運びと思えば、自然と納得できるだろうし。
やがて査定が終わったのか、魔石を奥に持って行った受付嬢が、数枚の効果を携えて戻って来た。
「こちら、買取金の6万8600セルです」
そう言って、手渡される銀貨6枚小銀貨8枚銅貨6枚。
俺はそれらを確認した後、革袋と一緒にリュックサックの中に放り込むと、礼を言ってその場を立ち去った。
「……いや~いい稼ぎだった……!」
魔石ギルドの外に出た俺は、感極まった声音で思わずそんな言葉を口にした。
初めてのダンジョン攻略。”炎狼の牙”との共闘。
それにより得られたのはいくつかの有用な知識。
そして、28万8600セルの大金だった。
6日でこれだけ稼げたのだ!
これ以下の金額を稼ぐのに、1か月も費やしていた俺は何だったんだー!と思わず叫びたくなる。
まあ、今回のはラッキーにラッキーが重なった結果のような感じがしなくもない為、次回もこれだけ稼げるとは考えない方が良いだろう。
さて、こうして6日間ダンジョン攻略をした訳だが、レイン殿下との会談までは、まだ14日もある。後もう1回ぐらいは、探索しても大丈夫だろう。
勿論、次は1人で。
ゲイリックさんたちとの探索で得た知識で、よりパワーアップした俺なら、そこそこ深くまで潜っても大丈夫!
てなわけで、これから物資を揃えて、明日にでも行くとしよう。
そこそこガッツリ探索した次の日にまた探索に行くとか、Aランク冒険者でもため息を吐くような所業だろうが……ま~気にしな~い。気にしな~い。
無論無理するつもりはさらさらないが、割と欲望のままに生きたいのだ!俺は!
「いや~楽しみだ」
そう言って、楽しそうに笑みを浮かべた俺は、明日から始まる探索に向けて、必要な物資を買い揃えに向かうのだった。
すると、受付嬢は俺を見て若干目を見開きつつも、愛想よく笑みを浮かべる。
やっぱ、この見た目だと皆に驚かれるなぁ……
まあ、そんなことはさておき、一体いくらになるのだろうか……
「これを売りに来ました」
そう言って、俺はリュックサックの中及び空間収納の中から、アークタラテクトの糸玉2つ、迷宮紅水晶を2つ、迷宮蒼水晶を1つ取り出した。
受付嬢はその中の――特にアークスパイダーの糸玉に驚愕したような表情を見せるが、スチャッとズレかけた眼鏡を押さえて冷静になると、丁寧に査定を始める。
そうして待つこと数分後、受付嬢が口を開いた。
「はい。アークスパイダーの糸玉は2つで銀貨4枚。迷宮紅水晶は、1つが銀貨4枚で1つが銀貨3枚。迷宮蒼水晶は1つで銀貨3枚になりますので、合計で14万セルになります。それでは、冒険者カードの提示をお願いします」
「どうぞ」
予想通りの査定結果に納得しつつ、俺は受付嬢に冒険者カードを見せた。
その後、受付嬢が確認記録等をした後、買取金である小金貨1枚と銀貨4枚が、俺の掌に収まった。
「ありがとうございました」
そう言って、俺は受付を離れた。
……やった! これだけでもいい稼ぎだぞ!
いや~ラッキーが重なったとは言え、現状既に迷賊から頂戴した金を含めれば22万セルになる。
流石にこれは、ニヤけざるを得ない。
俺は口元を押さえ、笑みが零れているのを感じながら、上へと続く螺旋階段を上り始めた。
上ってみると、意外と長い螺旋階段を上がり続け、遂に地上に到達した。
チラリと横を見てみると、窓から差し込む光が、俺の顔を照らしてくる。
6日ぶりの陽光ということもあってか、流石に眩しく感じるな……
俺は咄嗟に手傘で目元を覆う。
すると、6日前に舐め――心配してくれた、男性職員と目が合った。
「お、あの時の子供。生きてたのか……!」
そんな驚きの言葉に、俺は内心「死んでると思ってたのかよ……」と思ったが、流石にそれは言葉に出さない。
冷静に考えてみれば、いくらDランク冒険者とは言え、子供が1人でダンジョンに入ったのだとしたら、生きている方が確率的には低いだろう。
まあ、俺の場合は普通じゃ無いし、そもそも1人で入った訳ではないから、そこには当てはまらないが……
「いやいや、生きてますよ」
収入がうまうまで、機嫌の良い俺は、その言葉に笑みを浮かべて返した。
すると、彼は「お、おう……」と気まずそうに視線を逸らしたのであった。
その後、俺はそのまま扉に手をかけると、ダンジョン管理所の外に出た。そして、即刻宿に行ってベッドダイブしたい気持ちを押さえながら、魔石ギルドへ赴く。
「魔石を売りに来ました」
魔石ギルドに到着した俺は、受付に直行すると、受付嬢に用件を告げる。
そして、ダンジョンで手に入れた大量の魔石が入った革袋をいくつもドサッと目の前に置いてやった。
俺がDランク冒険者であることを知らない彼女は、その量と俺の顔を交互に見比べてドン引きするが、査定していくうちに、それは直ぐに収まって行った。
恐らく、中に入っている物が全てダンジョンで出現する魔物だと分かってきたからだろう。荷運びと思えば、自然と納得できるだろうし。
やがて査定が終わったのか、魔石を奥に持って行った受付嬢が、数枚の効果を携えて戻って来た。
「こちら、買取金の6万8600セルです」
そう言って、手渡される銀貨6枚小銀貨8枚銅貨6枚。
俺はそれらを確認した後、革袋と一緒にリュックサックの中に放り込むと、礼を言ってその場を立ち去った。
「……いや~いい稼ぎだった……!」
魔石ギルドの外に出た俺は、感極まった声音で思わずそんな言葉を口にした。
初めてのダンジョン攻略。”炎狼の牙”との共闘。
それにより得られたのはいくつかの有用な知識。
そして、28万8600セルの大金だった。
6日でこれだけ稼げたのだ!
これ以下の金額を稼ぐのに、1か月も費やしていた俺は何だったんだー!と思わず叫びたくなる。
まあ、今回のはラッキーにラッキーが重なった結果のような感じがしなくもない為、次回もこれだけ稼げるとは考えない方が良いだろう。
さて、こうして6日間ダンジョン攻略をした訳だが、レイン殿下との会談までは、まだ14日もある。後もう1回ぐらいは、探索しても大丈夫だろう。
勿論、次は1人で。
ゲイリックさんたちとの探索で得た知識で、よりパワーアップした俺なら、そこそこ深くまで潜っても大丈夫!
てなわけで、これから物資を揃えて、明日にでも行くとしよう。
そこそこガッツリ探索した次の日にまた探索に行くとか、Aランク冒険者でもため息を吐くような所業だろうが……ま~気にしな~い。気にしな~い。
無論無理するつもりはさらさらないが、割と欲望のままに生きたいのだ!俺は!
「いや~楽しみだ」
そう言って、楽しそうに笑みを浮かべた俺は、明日から始まる探索に向けて、必要な物資を買い揃えに向かうのだった。
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