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ほろ酔いの夜 4
しおりを挟む「新城さんが異動してきてちょっとぐらい経った頃かな…。知ってる人に似てるから名前を知りたいって言われたんですよ」
私に目配せをしながら熱燗に口を付ける。
「あら。旦那さん…やるわね」
志賀さん楽しそう。
名前確認してたのか。それは知らなかった。
「教えていいか迷ったけど。でもスタッフエプロンに名字書いたバッジが付けてあるし、名字だけならいいかと思って名字だけ伝えたのよ。でも名字だけでも問題無かったみたいね」
「遠目には新城さんのこと見てたのかもね。で、名字が一致したから勝負に出たのかしら?」
「それがそうでもないみたいで。名前聞かれてから何度も図書館来てたのに、全然新城さんに近づかなくて。私、じれったくて密かにモヤモヤしてたんですよ」
「西村さん、そんな楽しそうな話、その時に教えてくれないと」
恨みごとを言いつつ、志賀さんが本日何杯目かの焼酎ロックを空にする。
「いや私もその時に知りたかったんですけれども…」
「私が余計なことして上手くいかなかったら責任重大でしょ?」
「それは間違いない」
賛同する志賀さん。
そして当事者である私が一番わかっていなかったことに少々衝撃を覚える。
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