恋とは落ちるもの。

藍沢咲良

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ほろ酔いの夜 3

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「そうよ!双子が産まれるだなんて予想もしてなかったしね。新城さんも子ども生まれたら大変かもよ?」

「えっ?新城さんおめでた…?」
志賀さんの目の奥が光る。
「妊娠してませんて!」
私も志賀さんもジョッキが空いた。私はハイボールを、志賀さんは芋焼酎のロックを注文する。

「新城さん、新婚さんかあ…。新城さん、名字何になるの?」
ハイボールを口につける私に志賀さんが問う。志賀さんの2杯目はいつも芋焼酎だ。
「桐生です」
「旦那さんとはどこで出会ったのよ?馴れ初め聞いてないよ?」
2杯目のジョッキはとっくに空けて冷酒を飲む西村さん。3人ともザルなのだ。

「高校の同級生です」
「え、素敵。ずっと付き合ってたの?」
西村さん、冷酒の減りも早い。

「ずっと、ではないです」
「どういうこと?…あ、焼酎同じのもう一つください!」
「高校の時に付き合ってたんですけど…別れちゃいまして。彼、図書館の利用客だったみたいで…」
「私、旦那さんに新城さんの名前尋ねられたことあるよ」
「えっ!西村さん、それ詳しく!」
志賀さんの目がまた光っている。でもその話、私も初耳だ。

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