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想いあるからこそ 1
しおりを挟むあの一件以来、新井くんが練習に身を入れるようになった。私にバッサリ斬られたのがそんなに堪えたのだろうか?
掛かり稽古を連発しても文句を言わなかったときは驚いた。
私好みの強くなる練習を重ねていた結果、新人戦もその後の試合も順調に良い成績を残すことができた。
強くなると勝てるようになる。勝てるようになると楽しくなるようで、練習時間もそれに比例して増えていった。
その分、私が優輝と会える時間が減ってしまっていた。
どんなに忙しくても朝の通学電車では一緒に過ごせていた。
ところが、朝練に取り組む部員が増えてきて。
部長であるところの私が朝練に出ないわけにはいかなくて。
とうとう、朝夕の通学時間も、土日でさえも顔を合わせる頻度が減ってしまっていた。
私は優輝に会いたかった。
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