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嫉妬 12
しおりを挟む「優輝」
小さめの声で彼を呼ぶ。
よっぽど集中しているのか、気付かない。
彼が気付くまで隣の席で待つ事にした。
横顔を観察する。
やっぱり整ってるなあ、私の彼氏様は。
数分後。
「…えっ、亜樹…?」
やっと気付いたようだ。
「お待たせしました。結構集中してたのね」
「声掛けてくれれば良かったのに…」
頭を掻いて何故か照れる彼は私から目を逸らした。
「もうすぐ終わるから、少し待ってて」
私、やっぱり優輝が好きだ。
相応しいとか相応しくないとか、どうでも良い。
彼の横顔を見つめながら、しみじみと思った。
「終わったよ。帰ろうか」
図書館の中でも自然に手を繋ごうとする彼が既に愛しい。
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