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流星群 16
しおりを挟む松川さんはいつもにこにこしていて何となく安心感がある。
彼女にお礼を言うと「楽しみだね」と微笑んだ。
流星群、観たことないから単純に楽しみ。
でも優輝と一緒に観られるのも嬉しくて、楽しみで楽しみでしょうがないっていうのが悟られないように普通に笑って「楽しみだね」と返した。
今日も松田さんの視線は痛い。
でも直接何か言ってくるわけでもなく、ヒソヒソ何か話してる感じはあるけど、最近は聞こえるようには言ってこない。
毎朝手を繋いで登校しているからだろうか?
学校の廊下でも手を繋ごうとする優輝を慌てて制したのは正解だったかも。
校内でもイチャついてたら、それこそ何言われるかわかんないし。
匙加減が難しい。
「亜樹、天文部の流星群のやつ行くんだ?」
「うん。観たことないから楽しみ」
梓と話していると、梨沙が教室に入って来た。
日誌を取りに行ってたらしい。
「流星群のやつ行くなら金曜日の部活はどうするの?」
「おかえり梨沙。普通に行くよ」
「えっ?」
「部活、早退してからでも間に合うし」
「いや無理しなくても」
「テスト期間中に体が鈍っちゃって。早く通常のキレを取り戻したいの。今日の打ち込み、楽しみ過ぎて…」
うっとりして言うと、梨沙も梓もドン引いていた。
「そんなに引く?」
「もはや変態の域でしょ…」
梓がボソッと呟く。
梨沙に至っては固まっていた。
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