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Ouragan [ウラゴン〜暴風雨〜] 8
しおりを挟む「梨愛、今日変なのに絡まれたって?」
何度も昇天させられた後、満紘の腕の中でうとうとしていた。
「朔から聞いたの?」
「何で言ってくんねえんだよ」
何で言わなかったんだろう?ぼんやりとする記憶を辿る。
「朔とその話をしてた最中に満紘が邪魔したからでしょ?」
「邪魔って……したけど」
わかりやすくむくれる満紘の表情が何だか愛おしくて。そっと起き上がって唇を重ねた。
「何赤くなってんの」
暗がりでもわかるぐらい、満紘の顔は耳まで赤く染まっていた。
「梨愛の不意打ち……珍しいな」
「狙ってるわけじゃないけど?いいじゃんたまには」
長い髪が満紘の頬にかかった。私が少し動くと、くすぐったそうな顔をする。やっぱり愛おしくて、もう一度唇を重ねた。
視界が反転する。口は、塞がれたまま。噛みつかれているような、いつもより激しい口付けをくれた。
「俺が、守るから」
「え」
「俺が梨愛を守る。朔兄ぃと約束したんだ」
いつの間に。二人だけの会話、どんなものかと思っていたけど。
「私、そんなに弱っちくないよ?」
つい、唇を尖らせて可愛くないことを言う。私の良くない癖だ。
「現に今日変なのに絡まれてたろ?朔兄ぃが偶然いたから事なきを得たけど。朔兄ぃがいなかったらどうなっていたか」
満紘の涼しげな目が私を捕らえて離さない。簡単には逸らせない、真っ直ぐな目。
「大人しく俺に守られててよ。ずっと。いや……生きてる間、ずっと」
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