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露見 8

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「何?やっぱり別れたくなった?」
ホットミルクをテーブルに置いて、また寂しげな目をして私を見る。

「違うよ。あのね、時緒に話していないことがあったの」
「え?」
「私の友達で……。葉月碧って子がいるんだけど」
「──たまに女子会行ってるよな。その中の1人?」
「そう。その、碧の彼氏が……警察官なの」
目を見開いた彼は、一瞬にして顔が険しくなった。

「警察官だから……だから何?」
言うのは今では無かったかもしれない。辛い現実を私に話して、少し表情が和らいでいたのに、また彼の気を張らせるのは寝る直前にすることではなかったと後悔した。

「その、碧の彼氏さんが……時緒をマークしてる警察官かもしれないの」
眉を顰めて時緒はホットミルクを一気に飲み干した。ホットミルクはもう冷めていた。

「──英。俺を警察に売るのか?」
「そうじゃないよ!私はただ、時緒の事情をその人に話してみたらどうだろうって思って」
「無理」
「え、無理って」
不意に立ち上がり、時緒は寝室に行ってしまった。話の途中なんだけど。もう時緒は寝てしまうんだな。

唐突だったかな。でも、このまま朔さんの話を黙っているわけにいかないし。

「──えっ、時緒、どこ行くの?」
彼は身支度を整えて寝室から出てきた。

「今日は英と一緒に寝られる気分じゃない」
彼の冷たい視線が私を貫く。何も言えず、動くことも出来ない私を振り返ることなく、時緒は玄関のドアへ向かった。我に帰った私は玄関へと急いだ。

「待って!時緒、待って‼︎」
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