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縁 7
しおりを挟む澄麗を通じて匠さんに探りを入れようか?でも深刻かもしれない話をするには日が浅すぎる。お互い存在は知っていたのかもしれないけど、私と匠さんは初対面だ。
何より、匠さんは澄麗に夢中だ。今も澄麗を見つめるその目が熱っぽい。……私と時緒、完全にお邪魔虫だな。
「ねえ、時緒」
時緒の服の裾を引っ張る。
「ん?」
「私達、そろそろ行かない?」
「え?今飲み始めたばっかじゃん?」
私達、お邪魔虫だよ。と耳打ちする。匠さんと澄麗を交互に見た時緒は、やっと何かを悟ったらしい。
「そうだな、行こうか」
「え、2人とも飲み始めたばかり…」
「ちょっとこの後用事がありまして。時間が迫っているので失礼します。英、行こうか」
時緒に続いて席を立つ。
「澄麗、また今度ね。匠さん、失礼します」
「はい、また」
匠さんに続いて澄麗が会釈する。次の集まりで澄麗を追及するのが、今から楽しみ過ぎて頬が緩んだ。
「……英?」
いつの間にやら数歩先にいた時緒に怪訝そうな顔をされる。慌てて追いかけると脚元の絨毯に躓いてバランスを崩した。
──あれ?私転んでない。
「英、落ち着け」
目の前には時緒の胸があった。転びかけた私をどうやら腕で支えてくれていたようだ。
「…ありがと」
「大丈夫か?」
「うん」
行こうか、と私の右手を取る。指を絡めて腕までくっつけるのが私達の定番のスタイルだ。
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