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若葉 2
しおりを挟む「ちょっと…世の中の不条理について思いを馳せていたというか…」
「え。どしたんすか、如月先生?」
「いいの!九条先生、何か私に用事があるんでしょ?」
訝しげな顔を隠さない九条先生は、それ以上私が口を割らないと察したのか、表情を戻した。
「百面相してましたよ?」
表情変えずに百面相とか言わないで。不覚にもウケてしまうから。
「…もう、いいから!で、何?」
「野外のしおりのイラストなんですけど…。何カットいりますかね?」
野外学習のしおりの大半の担当は稲垣先生なのだけど。しおりに載せるイラスト募集担当は九条先生だった。
「いくつあってもいいよ?上手く入るようにレイアウト変更するだけだから」
野外学習が近づいている。6年生は修学旅行、5年は野外活動で宿泊を伴う行事だ。宿泊行事は、家庭があり、お子さんが小さい方だと無理がある。だから、高学年は私や碧のような独身の若手と、お子さんが大きくて家を空けても問題ない稲垣先生のようなベテラン様が担当することが多い。
「3組はイラスト集まりそう?」
稲垣先生が学年主任会から戻ってきた。
「もう既に真菜と琴美が大量生産してますね。放っとくと無限に描いてそうなので、今ストップさせてます」
「どれぐらいありそう?」
「もう20枚近いですね」
「えっ…如月先生、いくら何でも20枚掛けることの3クラスって、60カットも入れるんですか?」
「いや厳選するけど。流石に真菜と琴美だけで20カットって、ありすぎじゃんね?」
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