27歳女子が婚活してみたけど何か質問ある？

3.

『唯、明日何か予定ある？』
入浴を終えて化粧水をコットンで丁寧に頬に当てていたときだった。もしかしたら、とLINEを開いた。やっぱり怜からメッセージが届いていた。

『特に無いよ。家の片付けとかするかも』
家の片付けって宣言しないとなかなか出来ない。普段から片付く動線が出来てればいいんだけど。それが出来ていない私はきっとまだまだ修行が足りない。

『電話していい？』

髪は乾かしたから電話くらい、してもいいか。スピーカーにしておけば両手空くしね。──って！もう着信してるし！

「もしもし？」
「やっと電話できた」
「電話していい？って聞いてから早くない？」
「俺的にはだいぶ待ったの。唯、長風呂する人？」
「女子のお風呂は忙しいんです」
「体洗って湯船浸かるだけだろ？」
「マッサージとか。色々あるの」
「えっ……風呂でマッサージとか……」
「……何想像してんの？」
「してません」
「してた」
「してないって」
「……してたよね？」
「ちょっとしかしてない」
「してたんじゃん」

付き合い始めたからだろうか。少し、怜の素が見えてきた気がする。こういうの、ちょっと嬉しい。

くすくす笑っている間に、いつものお手入れルーティンが終わった。彼氏との夜の電話。そう、こういうのって幸せなもの、だよね。

「唯、明日空いてるならさ、会わない？」
「明日？」
明日は本当はのんべんだらりと過ごす予定だった。怜に聞かれたから片付けをするかもって、ちょっと見栄を張ったけど。

「俺、今日唯を大人しく帰したの、後悔してる」