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しおりを挟む「ふーん、勤務中、ねぇ。あのさ、これ以上俺のプライベート嗅ぎ回るんだったらここの店長に話すからな」
「え……」
こっちの元カノの血の気が引いていく。
「お前の親にもな。俺の彼女にもその周囲にも迷惑掛けてんだよ。わかったら早く行ってくれる?」
「失礼、します……」
よろよろとその店員は、元カノは私達の視界から消えた。
「そうちゃん、勤務中には鬼じゃ」
「尻尾掴んだ時に言うしかないだろ」
んー、ちょっとやり方強引だったかな。そうちゃんをここに来させた張本人は私なんだけれども。私だってロミオでのバイト中にあんなこと言われたら復活出来ないだろうな。
ここで良い子ぶるか冷たい女に徹するか。
良い子ぶる女は正直嫌いだ。でも冷たい女にもなりきれない。私って中途半端なんだな。
ここはもう、私は何も言わないことにする。無責任だな。でもそうちゃんとこっちの元カノに対する責任って何?そもそもこの2人の件と私って本来関係無いはず。関係無いのに迷惑被ったっていうだけだ。
何もしないことを正当化することにした。そうだ。そもそもの今日の目的って、そうちゃんにきっちり修羅場を経験してもらうことだ。でも元カノのバイトの最中は無しだ。
そうちゃんがこれ以上のことをしないなら、さっきのはただの警告で終わる。私の知らないところでそうちゃんと元カノがやり取りをするなら、それはきっと修羅場になるだろう。
そうちゃんが元カノの熱意に絆されなければ、だけど。
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