浮気されるのを死ぬほど恐れていた私が浮気してしまいました。

第９章 彼氏君に内緒の恋

５０話

「花、週末うちに来る？」







"うちに来る？"










これは彼氏君の




セックスの誘い。









暫くしてないからな…
そろそろしないとまずいか…。









「うん、…行く」







断りたいけど

これ以上断ったら怒られそう、





生理かぶらないかな…、





無理か……


終わったばかりだし…。











「次はちゃんとした服着てきてよね」



「…うん」










彼氏君は


私の服装にもうるさかった。










「大人なんだから、もうちょっとブランド物とか着た方がいいよ、
どうせいつも着てるのやっすい服でしょ？
適当な組み合わせばっかり、
分かる人が見たら分かるんだから
一緒に歩く俺に恥ずかしい思いさせないで」










…別にそんな安い服じゃないけどな…、







彼氏君は１着何万もするようなブランドを好んで身に付けてる、





私は、


１万いくかいかないか…
ぐらいの値段の服がちょうどよくて好き。






別にそんな激安ではないし、



好きな服屋さんで
色々コーディネートのバリエーションをしっかり考えながら買ってる、




多分服の好みが違うんだ…。







彼氏君は多分

私にも自分と同じブランド物を着てほしいんだ、










でもそんなお金無いし
彼氏君に似合うものが私に似合うとは限らない、






好きな人の好みに合わせた服を着るのも１つの楽しみではあるけど



いつもいつも常に彼氏君の好みに合わせてたら、




自分の着たい服を着ることができない、








一度、




私には私の好きな服がある、着たい服がある、



常に彼氏君の好みには合わせたくない








そう言ったことがある。








でも彼氏君は






「お前が選んだ服は全部ダサいし変なんだから俺が勧めた服を着てれば間違いない
服勝手に買わないでね、ちゃんと買うとき教えて、一緒に買いに行こう」







そう言われてしまった。







これも一種の束縛だ、







彼氏君は





全て自分の思い通りにしたいんだ、






"酷い男"









彼氏君の事を、そう思う人もいるだろう、








でも、






恋人に内緒で他の男に片想いしてる私も、









"酷い女"

























人の事言えなくなっちゃった、



私だって最低だから。









いや、私の方が最低かも







もし今裁判とかされても



私勝てる自信無い、








あぁ……






やっぱり内緒の恋なんてしなければよかった。









１日に何度もそう思う。










でも、





後輩君と話してときめいて

心の中の尻尾を振る度、







やっぱり片想いっていいな！






って思ってしまう。















こんな自分が嫌い






罪悪感が半端ない、











そんな私に














いよいよ異変が起きた。


























「……今日…後輩君と何話したんだっけ…？」















後輩君と何か話して楽しかった。












でも、





何を話して楽しかったか

全く思い出せない。










無理に思い出そうとすると






頭が痛くなる、







吐き気がする。









後輩君との出来事を










覚えられなくなった。











罪悪感に心が負けて





ついにおかしくなってしまった。










でも全部自分が招いた事、








悪いのは私。










全部私のせいなんだ。