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第二章

28 ようやく会えたね R18

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 それから5日後……私達にマウリッツィオ王子が帰国する、という知らせが入ったが、私もアルドも見送りには行かなかった。
 ……カトリーヌ嬢達が彼等を見送ったという。
 

「終わったね」
 
「ああ」
 







 
 そしてマウリッツィオ王子が帰国した翌朝、信じられない事が起きた。
 
 
「おはようございますっレジェンド、エイミー様! 今朝はいつもよりもお早いですね? どうされました? レジェンドの御子息もようやく落ち着かれましたか? (ニヤニヤ)」

 レイのセクハラ発言が戻ってきた。

 と、それだけではない。


「今朝はですね、皆様にご紹介したい方がいらっしゃいます!」

(ハッ! まままままさかっ! )

 そのまさか、であった。

 レイが紹介します、と言った直後、目では追えないほどの光の速さでレイの服の中から、私の胸の谷間の中に移動したその子は……。


「ノルディリア王国、幻の第7王子、マティアス様です!」

 レイが声高らかに告げる。

「「「「「……」」」」」

 護衛4人とアルドは無言だった……何故なら、その姿が見えないのだろう。


 しかし私には見えた。
 私の谷間の隙間で小さく震える真っ白で小さなその存在。


「ほら殿下、そんな所で小さく・・・なっていないで、皆にご挨拶すると決めましたよね、仲良くなりたいのでしょう?」

 レイがマティアスに声をかけると、マティアスはプルプル震えながら、少し大きくなり、谷間からぴょこっと頭と両手を出した。

「?!」
「「「「?!」」」」

 絶対に可愛い絵面に違いない……鏡で見たい!

 しかし……。

「なんという所に入っているんだ! そこは私の場所だ!」

 アルドがとんでもなく大人げない発言をし、怯えたマティアスは窓の近くの棚の上に逃げてしまう。


「(小声)……アルド! 大きい声出さないで!」

「(小声)……す、すまない……つい……」


「マティアス、おいで……もう怖くないよ?」

 私が優しく声をかけると、小さなもふもふのマティアスはまんまるの紫色の目で、キョトンとこちらを見た。


(はぅう~っ可愛い……ようやく会えた……ぎゅっとしたい……)








「殿下、そのお姿ではまだ話しが出来ないのでしょう?」

 レイの言葉にちょっとムッとした様子を見せたマティアスは、ポンッと煙にまかれたかと思うと、次に見せた姿は幼い王子様の姿だった。






(ぎゃ~! なに! 人化出来るの?! 原作では出来なくてマリモッコリに見捨てられたのに?! )

「やぁん! 獣耳ケモミミついてるぅ! 可愛い! マティアス、おいでっ! ぎゅっとさせて!」


 私が興奮気味にそう口にすると、マティアスは少し照れながらも、トコトコと私の前に歩いてくる……もはや、その行動全てが可愛い。
 
 私の目の前で立ち止まり、恥ずかしそうにチラッと私に視線を向けたマティアスのあまりの可愛さに、私のハグしたい欲が爆発し、思わず断りもなしにぎゅっと抱き締める。
 
 
「マティアス……マティって呼んでもいい? ……はぁ……やっと会えたね……長かった……可愛い可愛い可愛いぃい!!」
 
 結果、私の胸に顔が埋もれるマティに、アルドが悔しそうに拳を握るも、護衛達にまぁまぁ、子供ですから、となだめられていた。
 
 
 私の気が済むまで抱き締めさせてくれたマティは、少し緊張が解けたのか、私に解放された後、皆の方に向き直り、挨拶をする。
 
 
「先ほどレイよりご紹介に預かりました、ノルディリア王国、第7王子、マティアス・アウレリオ・ノルディリアと申します、もうすぐ13歳になります……僕は……兄上から見捨てられ、死んだ事にされてレイが拾って育ててくれました……」


 なかなかにヘビーな生い立ちを、サラッと自己紹介に織り交ぜたマティに、護衛達とアルドは驚愕の表情を浮かべている。

 私は知っていたので、まぁ別に驚きはしなかったが……。


 マティは人間の姿で生まれたが、5歳ほどで魔力が身体を巡り終えると、子供なので今はまだ犬みたいだが、狼の姿に変化したのである。
 先祖返りかもしれない、等と、人々が様々な考えを持つ中、生みの母親は不気味だと言ってマティと距離を取るようになり、最終的にマティを拾ったのは第1王子のマリモッコリだった……。

 マリモッコリは、マティに1年以内に人間の姿に戻れ、自分はフェンリルなどではないと証明すれば、後ろ盾になってやる、と幼いマティに言い放つ。

 そしてその当時、マリモッコリの直属の暗躍部隊の1人だったレイことレイノルドは、マティの世話係を任され、同時に人間に戻れるように手を貸してやれ、と命じられたのである。

 それが2人の出会いだ。


 マティは狼の姿ならば自由自在にその大きさを変えられた為、普段はレイの服のポケットの中などに潜み、外の世界を知って行きながら、レイと共に人間の姿に戻ろうと努力するも、当時のマティには人間の姿に戻る事は出来なかった。

 結果、レイはマリモッコリにマティを殺せと命じられるが、出来ないと拒否し、そのままマティを連れて城を出たのだ。


 レイは、マティ以外にも“獣人”が存在すれば、マティだって不気味がられないのではないか、と考え、獣人を作ろうとした……というのが原作のレイの裏話。

 まぁ、結果それで捕まり、そのおかげで私達はマクシの目に止まり、護衛として出会えたわけである。


「殿下は……国では病により亡くなったとされました……ですので、今、第7王子は繰り上げられて別の王子がついています……ですが、僕にとっては殿下は今でも誇り高きノルディリアの王子に違いありません」

 レイが語る。



「なら、俺と一緒だな! 俺も元第7王子だったんだ、よろしくマティ、俺はサム」

 サムがマティの肩を抱き、言った。

「リタよ……サムとは比べ物にならないくらい王子様らしいわ、獣耳も可愛いし、気に入った、よろしくね」

「……僕、ロン……エイミー様の可愛い、取られた……よろしくしたくない……」

 ロンがそう言うので焦ったが、ちゃんと握手をしている。

「なんとっまだまだお子ちゃまではないですか、我々がしっかり教養を叩き込んでやらねばなりませんね……ビルだ、よろしく」

 はたしてビルから教養・・が学べるかは謎だが、まぁ、いいだろう。


「マティアス、お前は今日から我が屋敷の一員だ、正式に私の妻エイミーの護衛として雇用してやろう……まぁひとまずはレイとセットだがな……当主のエドゥアルドだ、よろしくな」

「イエス、サー! (ニコリ)」


 最後にアルドが締めて、ようやくマティの笑顔が見れた。


「マティ、私がエイミーよ、今日からよろしくね」

「はい! エイミー様!」


 はうっ可愛い……。


 マティは、まだ獣耳だけはしまう事が出来ないので、外では帽子を被る事にし、帽子を脱がないといけない王宮に行く時はレイの服の中で待機する事になった。

 便利な事に、マティは狼の姿の時は動物と会話する事が出来るというので、調査対象のペットから、情報を貰えたりと、秘密調査か何かが出来そうである。

 まぁ、そんな事する機会もないけどさ。


「ちなみに皆様、マティアス殿下はこれまでずっと僕と行動を共にしていましたので、自己紹介は不要でしたけどね……殿下はこっそりと皆様の事をずっと見ていたので」

「「「「「……」」」」」
「……?」

「僕、ずっと憧れていました、レジェンドにイエス、サーと言いたかったのです! (ニコニコ)」

 はぅう……可愛い……。

 要するに、レイが見聞きしていた事は全てマティも知っている、と言う事だろう。

 つまり……
 マリモッコリとの、あの最後の別れも知っているはずだ。

 むしろ、あれで何かが吹っ切れて、こうして姿を現してくれたのかもしれない。







 こうして、私の護衛5レンジャーは、ホワイトが加わり、護衛6レンジャーとなったのだった。
 







 アルドは、死んだ事にされたマティのために戸籍を用意するため、マティを正式に私達の養子とした。
 
 マティアス・アウレリオ・エスティリアの誕生である。
 
 
 ちなみに私は知っている……マティは、本当に神獣フェンリルの先祖返りで、とてつもないチカラを潜在的に保有しており、いずれアルドのように覚醒するのである。
 が、まだまだそれは先の話し。

 
 


 ○○●●



 一応、王族である我が家に養子を迎え入れたため、マティの事を正式に貴族や国民に公表しなければならなかった。

 私達は悩んだ末、仮装パーティーを計画し、皆で獣耳を付けたお披露目パーティーを開催する事とし、準備をすすめる。

 もちろん、関係各国からもゲストを迎えるため、ノルディリアの王族にはマティの事はバレてしまうだろう。
 なにせ、髪と目の色が第1王子と一緒だし、顔もそっくり、名前もそのまま、だからね。

 この際、マティを見捨てた第1王子を名指しで招待すれば、すぐに察して隠蔽してくれるだろうが、あえてそれはしなかった……。
 何故なら、人の口に蓋はできないので、いずれどこかからバレるだろうし、何より私達はマティアスに二度と何かに怯え、影で生きる生活をさせたくなかったからだ。

 それに、正式に“エスティリアの君主”の養子となったからには、誰にも手出しは出来ないはず。


 獣耳も、いつかは本物だとバレてしまうだろうがドラゴンのいる我が家だ、もはや誰も気にしないかもしれない。









 こうして私達は、主催したお披露目の仮装パーティーで、獣耳のマティを息子として堂々と公の場で紹介したのだった。



 しかし、マティを養子とした事は、貴族のみならず国民にも思わぬ反響を呼んだ。


 “コウノトリ夫婦、お次は恵まれない子供に愛の手を差し伸べる! 突如王族入りしたシンデレラボーイは獣耳ケモミミ?! ”



 パーティーから数日後、こんな号外が街に配られたのだ。





「ははは! 今は街中獣耳ケモミミフィーバーだぜ!」

 サムが豪快に笑う。

 ……そう、サムの言う通り、今、街中に獣耳カチューシャをつける若者で溢れているのだ。

 私達の仮装パーティーでの獣耳姿が可愛い、とご令嬢達が真似をし流行らせた事に加え、比較的安価な獣耳カチューシャは、平民の間でも手に入りやすく、今回の大フィーバーを巻き起こしたらしい。


「僕、しばらくは外でも帽子を被らなくても良さそうです(ニコニコ)」


 そう言うマティは、今では人見知りする事も減り、さすがは元王子と言うべきか、外ではシンデレラボーイとは思えないほどに王族らしく振る舞っている。

 とはいえ、まだ実質12歳のマティは、たまに私に母親にするように甘えてくれるのが、最高にたまらない。

 5歳で狼の姿になって以降は、レイにしか甘える事ができずに育ったため、やっぱり母親の温もりが恋しかったのかもしれないと思うと、涙がでてくる。

 この間なんて、ついつい昼寝をしてしまい、ハッとして目を開けたら、目の前でマティも一緒に眠っていて、可愛すぎてしばらく眺めていたら、二度寝してしまったほどである。
















「エイミー、最近、マティアスにべったり過ぎないか?」


 ある夜、アルドがベッドの上でそんな事を私に言った。


「え? そんな事ないけど」

「そんな事ある……昨夜だって、私の帰宅を待たずに獣化したマティアスと寝ていただろう」

「だってそれはアルドが遅いから……」

 ……獣化したマティアスはもふもふで抗えない気持ちよさなので、つい眠ってしまったともいう。

「いいかエイミー、マティアスだってもうすぐ13歳だ、我々が13の時を思い出してみろ、婚約だってしていたし親元を離れて留学だってしていた、エイミーはマティアスを子供扱いしすぎだ」

 む……。

「いいじゃん、マティは5歳で母親から離されたんだよ?! アルドが王妃様に甘やかされてぶくぶく太ってた頃、マティはレイの服の中で小さくなって隠れて生きてきたんだよ?! やっと甘えられる人と環境を与えてあげられたんだから、甘えさせてあげたいじゃん!」

 あ、ちょっと言い過ぎたかも……。

 ハッとしてアルドの顔を見れば、少しショックを受けたような表情をしている。


「……そうだな、私が呑気に菓子を食べてぶくぶく太っていた頃・・・・・・・・・・、マティアスは可哀想な思いをしていたかもしれないな!」

 アルドの声には苛立ちが含まれている。

「……ごめんアルド……言い過ぎた……」

「……」





「……はぁ……エイミー、おいで」

 アルドはベッドにあぐらをかいて座り、手招きをして私を呼ぶので、私は正座する勢いでアルドの向かいに座る。

「……そこじゃないだろ?」

 ポンポン、と自身の太ももを叩きながら誘導するアルド……私は恐る恐る、アルドの太ももの上に跨り抱きつく。

 ぎゅっと私が抱きつけば、アルドも同じように私の首すじに顔を埋めて、ぎゅっとしてくれ、アルドの匂い、そして温もりに心がホッとする。



「すまない、私も大人げなくマティアスに妬いていた……」

「んーん、アルドの言う通りかも……世間一般の13歳と大きく差をつけたら後々マティが困るかもだし……気をつける」

「エイミー、キスしてくれるか?」

「……ん(チュッチュッチュッ)」

 私はアルドの左右の頰にキスをして、最後に唇にキスをした。

「……んっ……んん……」


 唇のキスの直後、重ねた唇は捕らえられ、チュッチュッっと一瞬たりとも離れる事が許されず、何度も何度も、ついばむように上唇、そして下唇とが吸われ、舐められ咥えられる。


「……仲直りしてくれるか?」

「……うん、仲直り……(チュッ)」

「良かった……ありがとうエイミー(チュッチュッ)」


 アルドは私の腰をグッと引き寄せ……服の上からだが、アルドの硬く膨張しているソレが私の秘部に当たる。

「……んっ」

 突起への刺激に、思わず甘い声が漏れ、じわりと蜜がにじみ出る気がした。

「すまない、私の息子もエイミーの中に入って謝りたいらしい……」

「……ふふっ……なんでわざわざ中で謝るの?」

「……誠意を見せたいようだ、入れてはくれないのか?」

 アルドは自身の前をくつろげ、ブルンっとソレを取り出し、軽くしごく。

 下着越しに当たるアルドのソレに、再びじわりと溢れでて来る私の蜜に、思わず私も腰を前に出して、アルドのソレにこすりつけるように当てていた。

 下着に滲んだ私の蜜が、アルドのソレをヌルヌルと濡らし、そのことに気付いたアルドが私の下着に手をかけ、脱がしながら言う……。

「エイミーの下の口も私の息子を受け入れようと、たっぷり濡らしてくれているようだ」

 下着が取り払われスースーする私の秘部は、熱を帯びたアルドのソレを求めるように触れ合わせた。

 上を向くアルドのソレの裏スジにこすりつけるように、私の秘部を密着させ、ゆっくりと腰を動かせば、卑猥な水音が聞こえてくる。

「……っ!」

 裏スジが気持ちいいのか、アルドも興奮して私のお尻を掴んだ。


「エイミー、早く君の中に入りたい……」

 私の耳を舐めながら、囁やくアルド……耳を舐められゾクゾクした私はいっそう蜜が溢れるのをかんじた。


 無言のまま私はアルドをゆっくりと背後に倒してベッドに沈めると、そのまま騎乗位で彼のモノに腰を落とした。

 少し恥ずかしいが、自ら腰を動かかしながら快感を拾う。


「エイミー……キレイだ」

 下から私の動く様子を見ながら満足そうにしているアルドだが、なんだか余裕を感じられ、悔しい。


「……っん……んぁあ……アルド……下から突き上げて……」

 私が強請れば、アルドはすぐに私の腰を掴み、ズンッと下から突き上げ始めた。

 他の体位よりもよりダイレクトに奥にぶつかるように感じられ、アルドのひと突きひと突きに私は喘ぎを漏らす。

 アルドの逞しい胸板に手をおきながら、私は激しく上下に揺さぶるられる。

「っ……つ!」


 アルドは少し動き辛かったのか、私と自分の位置をひっくり返し、私をベッドに沈め、抽挿を激しくした。

「ぁっぁっ……ぁあっ……ん……っ……!」

 やっぱり抱き締めてもらいながら正常位で繋がるのが1番気持ちいい。


「アルドっアルドっもう駄目……イッ……ちゃ……ぁあっ!!」

「私もだっ……っつ!!」










「……(チュッ)……やっぱりまだ我々に子供は必要ないな……マティアスであんなに妬いてしまうのに、あれ以上エイミーを誰かに取れたらおかしくなりそうだ……」

 賢者タイムに裸のまま抱き合いながらアルドがそんな事を言った。

「……まぁ、確かに……妊娠したらセックスもできなくなるしね……今の頻度でゼロになるのは、私も寂しいかな……(チュッ)」

「やはり私達は気が合うな……さすがは運命の相手だ……(チュッチュッチュッ)」


 どうやらアルドは思いの外、“運命の相手”が気に入っているご様子……可愛いな。







 翌日、私達はまた朝の打合せに遅刻し、レイにセクハラ発言をかまされるのだが、アルドは初めての喧嘩と仲直りセックスに大満足のご様子で、終始上機嫌であった。











 その時だった。


 コンコンッ


「殿下……“モブ”様とおっしゃる方がお見えですが……」

 執事長が報告に来てくれ、聞こえてきたその名に、私とロンは視線を交え立ち上がった。

「ラクランさんが来てくれたのね! ロン、急いでお出迎えしましょ!」

「……うん」



 私とロンはエントランスホールへ急ぐ。



「“モブ”さん、ようこそいらっしゃいましたぁ! 遠のはるばる陸路でお疲れ様です! どうぞ、お部屋も用意してますので、ゆっくり滞在してくださいね!」

「……いらっしゃいラクラン……」

 私とロンの出迎えに、ラクランは嬉しそうに微笑む。



 ……それよりもまずは、風呂に入ってもらわないとだな……執事長が困惑していたわけである。


「ラクラン、汚い……お風呂案内する……レジェンドに会う、お風呂の後」

「はははっ! 悪い悪い、早くお前に会いたくてな! 頼んだぜロン!」


 父と子のようなやり取りに、私は心がホッコリしながら、2人の背中を見送る。


 すると、いつの間にか私の肩に獣化して付いてきていたマティがポンッと人化し、ラクランさんについて何かを気付いたようで、私に耳打ちした。

「ラクランさん……何か連れてる・・・・

「え? 何かって……生き物?」

 マティだけが気付いたのであれば、動物だろうか。

「うん……動物……痛い痛いって言ってたから、怪我してるのかも……」

 もしかして、だから風呂にも入らず急いで来たのだろうか……。



 私は急いでアルドのもとへと戻った。
















「動物の治癒?」

「うん、神殿に行けばしてくれるかなぁ?」


 マティの言う通り、怪我をしているのなら、治してあげたい。


「治癒なら、私も出来るが……動物、とは?」

「え、そうだっけ? どうしてアルドが治癒魔法使えるの? 普通の魔法も使うのに……」


 治癒魔法使いは、その特別なチカラゆえに他の魔法が使えないと聞いていたのだが、アルドは一体なぜ……??


「言ってなかったか? “エスティリアの君主”に覚醒した際に使えるようになったんだ」

 そんな前から?! 聞いてないよ! えぇ!? そんなのあり?!

 待った……だからどんなに激しい夜の後も、私ってわりと平気で動けてたのかな?! 初夜以外……。

 まぁ、いいや。


「なら、アルド、後でラクランさんから話しがあれば診てあげてくれる? 何の生き物かは、マティもわからないみたいだから」

「ああ、わかった」






 こうして、私達はラクランさんのお風呂を待つこととなったのだった。
 
 
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