34 / 49
建国 編【L.A 2064】
てをとりあって おなじゆめをみよう
しおりを挟む
「それで、盗賊がこの地に何の用だ。さきほどの同族をここへ連れてくるだけというわけではないだろう」
ヒトが増えるほどに眉間の皺を増やしていたサイロンは、やはり狼達を警戒したままだった。むしろなんでも信じてしまうジェイソンや、なんでも受け入れてしまうベネットがいる分、こうして一歩踏みとどまらせる役割は必要だろう。
赤い狼たちの第一印象が、思っていたものと随分違っていたことで、この雰囲気に流されかけていたドレアスは抱いていた疑問をようやく思い出した。
「……俺達は、盗賊だ。だが、盗みたくて盗んでいたわけじゃねぇ。流れたくて、流れものになっていたわけでもねぇ」
「俺らが盗んだものも元は盗まれたものだ、それを返して、報酬を得ていた。山で馬車を襲ったのも、奴隷になったやつらを助けるためだ!」
その言葉にきっと偽りなどない。同情する気持ちがあっても、狼達の行いが正しいとは思えなかった。
「狼種族っていうのはな、マートリィでも生きづらいんだ、強暴とか、残酷とか……そういう印象がどうしても根付いちまってる」
それはヒト族でも、魔族であっても同じであった。力を持つ存在は畏怖され遠巻きにされることは避けられない。魔術師というものが社会的地位を得る前は、魔術を使える者は忌み嫌われるものとされていた時代もあるくらいなのだ。
だが、魔族や獣人は差別というものがあまりに顕著な部類にあたる。体格、腕力、外見、そういったものが種族間に壁を成す。
「でも、盗むことは、だめなんです」
かすかに震え、喉の奥から引き絞った言葉。震えていたのは、彼女だけでは……ベネットだけでは、なかった。
「あんたには、分からない! 明日を生きるために、家族を取り戻すために、そういう想いで集まったのが俺達なんだ! ものを盗んだことなんかないだろう、人を殴ったこともないだろう!!」
男の拳は震えていた。何も知らないくせに、分からないくせに、と。理解を求めた、受け入れてほしいと願った。盗みも、殺しも、誰かのため……自分のためにただ生きただけなのだと。
「明日を怖がらないように、明後日も生きていると安心できるように、ここにヒトを集めました。ものを盗むことしか生きる道がないなんて……そんな、そんな道を作らないために、私は魔王になることを決めたんです」
紫紺の瞳は男をまっすぐ見据える。震えていたのは恐れからではなかった。彼女は憐み、悲しみ、同情し、そして否定したのだ。
「あなたたちのこれまでがどれほど過酷だったか、私には想像もつきません。確かに私は、誰かから盗んだことも、誰かを殴ったこともありません。私みたいなヒトがいることは、いけないですか? 私は、そんなヒトが多くなればいいなって思ってます。生まれた子供たちが戦争なんて知らない未来があれば……」
いつの転生も、遠くの地では戦争が続いていた。ただそこに自分がいなかっただけ。いくら貧しかろうと、他者から盗んだり襲ったり、そんな勇気も理由もなかった。
戦争に参加しなきゃだめなのだろうか、平和な日常に甘えてはだめなのだろうか。知らないということは、それほどに罪でなければいけないのだろうか。
「そんなものが、実現できると思ってるのか。夢物語だぞ」
「私ひとりじゃ実現どころか……夢を見ることもありませんでした。みなさんがたくさん手伝ってくださるから、こうやって少しずつ始められるんです。私にできないたくさんのことを、して下さってます。だから、私にできるのは、一緒に夢を叶えませんかとお願いすることなんです」
すべてのヒトに理解されるなんてことはあり得ない。けれど同じ夢を歩もうと集まって、傍にいてくれるヒトたちがいる。
俯いてしまった男は髪の毛で目が隠れてしまって、食いしばった口許だけが感情を表していた。
「だから、お願いします! 私と……ここに集まってくれたこの地の方たちに、力を貸してくださいませんか」
急に声を張り上げたものだからちょっとひっくり返っていたかもしれない。赤い狼たちが想像していた領主と自分は、きっとかなりかけ離れているだろう。いざ目の前にして、こんな弱いのに魔王になろうとしていると聞いて呆れてしまっているだろう。
頭ごと勢いよく下げてしまったものだから、彼らの表情も見えない。
「魔王というなら、そう易々と頭を下げるな」
体の芯まで刺さるような低い声が諫めた。ゆっくりと背筋を伸ばして声の方向に視線を向ける。
「と、頭目」
「……昔、声を震わせて幻術を使いながら、商人を脅かして奴隷を連れ去った腰抜けを見たことがある」
「え……」
思い当たることが一つしかない。後ろにいるトーマは、ジェイソンとドレアスと3人で顔を見合わせ目を丸くしていた。
「その奴隷たちは、あの日のオレたちの獲物だった……だが、先を越されて良かったのかもしれん。お前みたいな魔王の方が、周りを変えられる可能性を持っている。こいつらにも同じ夢を見させてやってくれ。甘っちょろいが夢なんて最初はそんなもんだ。それが希望に変わるか、野望に変わるか……それこそが、お前が民を導く分かれ道になる」
ドレアスは驚愕で叫びそうだったがなんとか堪えた。顎が外れないか心配になるほど口を大きく開いたまま。その口を隣のジェイソンがそっと閉めてあげていた。
ベネットが来なければ、自分たちは赤い狼の元で暮らしていたのかもしれない。奴隷として売られるか、狼と共に暮らすかだったら確かに後者がマシだと言える。だがどちらも想像するだけで悪寒が腹の底からせり上がってくるのだ。
赤い狼たちもただでさえ獣の姿のものは口が大きいのに、それが縦にがぱりと開き放しになってしまっている。一体なににそれほど驚いているのかは分からないが、狼の頭目、フリードリヒはベネットの言葉を否定しなかった。
「強い魔王になれ、力も、信念も。震えていたお前が、こうしてオレら狼に盗みはだめだと説教できるまでになったんだ。お前には導く力がある」
その図体と態度からは似つかわしくない言葉だが、安堵からベネットは涙ぐんでしまった。きゅっと震えそうな唇を引き結んで、目尻を拭いフリードリヒと視線を合わせる。
「はいっ!」
かすかに、彼が笑った気がした。口がしばらく戻らなかった狼たちはやっと意識が覚めたようで、隣の仲間と頭目を交互に見ながら肩をすくませたり唸ったりと、様々な反応を見せる。頭目がそう言うなら、と彼らは自分たちの族長に従うことに決めたのだった。
狼達はゆっくり民に歩み寄り言葉を掛ける。強暴であるとばかり思っていたものだから、存外柔和な仕草や少し訛っている口調がおかしくて笑いを溢すものもいた。彼らが打ち解けるのに時間はそう掛からないのかもしれない。
「サイロン、少しいいですか」
賑やかになったひとだかりから抜け出して、トーマはサイロンに耳打ちをする。
「いくら彼が優れた狼種だとして……幻術と声を変える魔術を使ったベネット様を見抜けると思いますか」
フリードリヒが言った『奴隷』というのは、30年前に奴隷市場で共に居た自分とジェイソン、そしてドレアスで間違いないだろう。ベネットが幻術を使って奴隷を連れ去ったことなどそれきりなのだから。
しかしあれだけ精巧で高度な幻術を、どうしてフリードリヒはベネットであったと確信しているのか。
「……普通であれば、不可能だと思うのだよ」
あの子供の姿の筆頭と呼ばれる小柄な狼は30年、アオイを探していたと狼達は言っていた。恐らくは居所の目星もついていたのだろう。しかしそれをフリードリヒは阻み、この地へ近付けさせないようにしていた。
そして彼はデントロータスやイグテラにも驚いていない。むしろその存在を知っていたようにも思える。
あまりに出来すぎてはいないか。難民たちで飽和しているこの状況に、味方として放浪を続け個々が強さを誇る赤い狼が加わるなどと。
頭の中で熟思しているトーマを一瞥して、サイロンはひとだかりの向こう、一つ飛び出ているフリードリヒに顔を向けた。彼にしては珍しく、いつもの張り詰めた雰囲気がこそげ落ちたように、気抜けした表情のまま。
そんなこと、己の疑問が次から次へと止まずに唸り続けているトーマには知る由もなかった。
ヒトが増えるほどに眉間の皺を増やしていたサイロンは、やはり狼達を警戒したままだった。むしろなんでも信じてしまうジェイソンや、なんでも受け入れてしまうベネットがいる分、こうして一歩踏みとどまらせる役割は必要だろう。
赤い狼たちの第一印象が、思っていたものと随分違っていたことで、この雰囲気に流されかけていたドレアスは抱いていた疑問をようやく思い出した。
「……俺達は、盗賊だ。だが、盗みたくて盗んでいたわけじゃねぇ。流れたくて、流れものになっていたわけでもねぇ」
「俺らが盗んだものも元は盗まれたものだ、それを返して、報酬を得ていた。山で馬車を襲ったのも、奴隷になったやつらを助けるためだ!」
その言葉にきっと偽りなどない。同情する気持ちがあっても、狼達の行いが正しいとは思えなかった。
「狼種族っていうのはな、マートリィでも生きづらいんだ、強暴とか、残酷とか……そういう印象がどうしても根付いちまってる」
それはヒト族でも、魔族であっても同じであった。力を持つ存在は畏怖され遠巻きにされることは避けられない。魔術師というものが社会的地位を得る前は、魔術を使える者は忌み嫌われるものとされていた時代もあるくらいなのだ。
だが、魔族や獣人は差別というものがあまりに顕著な部類にあたる。体格、腕力、外見、そういったものが種族間に壁を成す。
「でも、盗むことは、だめなんです」
かすかに震え、喉の奥から引き絞った言葉。震えていたのは、彼女だけでは……ベネットだけでは、なかった。
「あんたには、分からない! 明日を生きるために、家族を取り戻すために、そういう想いで集まったのが俺達なんだ! ものを盗んだことなんかないだろう、人を殴ったこともないだろう!!」
男の拳は震えていた。何も知らないくせに、分からないくせに、と。理解を求めた、受け入れてほしいと願った。盗みも、殺しも、誰かのため……自分のためにただ生きただけなのだと。
「明日を怖がらないように、明後日も生きていると安心できるように、ここにヒトを集めました。ものを盗むことしか生きる道がないなんて……そんな、そんな道を作らないために、私は魔王になることを決めたんです」
紫紺の瞳は男をまっすぐ見据える。震えていたのは恐れからではなかった。彼女は憐み、悲しみ、同情し、そして否定したのだ。
「あなたたちのこれまでがどれほど過酷だったか、私には想像もつきません。確かに私は、誰かから盗んだことも、誰かを殴ったこともありません。私みたいなヒトがいることは、いけないですか? 私は、そんなヒトが多くなればいいなって思ってます。生まれた子供たちが戦争なんて知らない未来があれば……」
いつの転生も、遠くの地では戦争が続いていた。ただそこに自分がいなかっただけ。いくら貧しかろうと、他者から盗んだり襲ったり、そんな勇気も理由もなかった。
戦争に参加しなきゃだめなのだろうか、平和な日常に甘えてはだめなのだろうか。知らないということは、それほどに罪でなければいけないのだろうか。
「そんなものが、実現できると思ってるのか。夢物語だぞ」
「私ひとりじゃ実現どころか……夢を見ることもありませんでした。みなさんがたくさん手伝ってくださるから、こうやって少しずつ始められるんです。私にできないたくさんのことを、して下さってます。だから、私にできるのは、一緒に夢を叶えませんかとお願いすることなんです」
すべてのヒトに理解されるなんてことはあり得ない。けれど同じ夢を歩もうと集まって、傍にいてくれるヒトたちがいる。
俯いてしまった男は髪の毛で目が隠れてしまって、食いしばった口許だけが感情を表していた。
「だから、お願いします! 私と……ここに集まってくれたこの地の方たちに、力を貸してくださいませんか」
急に声を張り上げたものだからちょっとひっくり返っていたかもしれない。赤い狼たちが想像していた領主と自分は、きっとかなりかけ離れているだろう。いざ目の前にして、こんな弱いのに魔王になろうとしていると聞いて呆れてしまっているだろう。
頭ごと勢いよく下げてしまったものだから、彼らの表情も見えない。
「魔王というなら、そう易々と頭を下げるな」
体の芯まで刺さるような低い声が諫めた。ゆっくりと背筋を伸ばして声の方向に視線を向ける。
「と、頭目」
「……昔、声を震わせて幻術を使いながら、商人を脅かして奴隷を連れ去った腰抜けを見たことがある」
「え……」
思い当たることが一つしかない。後ろにいるトーマは、ジェイソンとドレアスと3人で顔を見合わせ目を丸くしていた。
「その奴隷たちは、あの日のオレたちの獲物だった……だが、先を越されて良かったのかもしれん。お前みたいな魔王の方が、周りを変えられる可能性を持っている。こいつらにも同じ夢を見させてやってくれ。甘っちょろいが夢なんて最初はそんなもんだ。それが希望に変わるか、野望に変わるか……それこそが、お前が民を導く分かれ道になる」
ドレアスは驚愕で叫びそうだったがなんとか堪えた。顎が外れないか心配になるほど口を大きく開いたまま。その口を隣のジェイソンがそっと閉めてあげていた。
ベネットが来なければ、自分たちは赤い狼の元で暮らしていたのかもしれない。奴隷として売られるか、狼と共に暮らすかだったら確かに後者がマシだと言える。だがどちらも想像するだけで悪寒が腹の底からせり上がってくるのだ。
赤い狼たちもただでさえ獣の姿のものは口が大きいのに、それが縦にがぱりと開き放しになってしまっている。一体なににそれほど驚いているのかは分からないが、狼の頭目、フリードリヒはベネットの言葉を否定しなかった。
「強い魔王になれ、力も、信念も。震えていたお前が、こうしてオレら狼に盗みはだめだと説教できるまでになったんだ。お前には導く力がある」
その図体と態度からは似つかわしくない言葉だが、安堵からベネットは涙ぐんでしまった。きゅっと震えそうな唇を引き結んで、目尻を拭いフリードリヒと視線を合わせる。
「はいっ!」
かすかに、彼が笑った気がした。口がしばらく戻らなかった狼たちはやっと意識が覚めたようで、隣の仲間と頭目を交互に見ながら肩をすくませたり唸ったりと、様々な反応を見せる。頭目がそう言うなら、と彼らは自分たちの族長に従うことに決めたのだった。
狼達はゆっくり民に歩み寄り言葉を掛ける。強暴であるとばかり思っていたものだから、存外柔和な仕草や少し訛っている口調がおかしくて笑いを溢すものもいた。彼らが打ち解けるのに時間はそう掛からないのかもしれない。
「サイロン、少しいいですか」
賑やかになったひとだかりから抜け出して、トーマはサイロンに耳打ちをする。
「いくら彼が優れた狼種だとして……幻術と声を変える魔術を使ったベネット様を見抜けると思いますか」
フリードリヒが言った『奴隷』というのは、30年前に奴隷市場で共に居た自分とジェイソン、そしてドレアスで間違いないだろう。ベネットが幻術を使って奴隷を連れ去ったことなどそれきりなのだから。
しかしあれだけ精巧で高度な幻術を、どうしてフリードリヒはベネットであったと確信しているのか。
「……普通であれば、不可能だと思うのだよ」
あの子供の姿の筆頭と呼ばれる小柄な狼は30年、アオイを探していたと狼達は言っていた。恐らくは居所の目星もついていたのだろう。しかしそれをフリードリヒは阻み、この地へ近付けさせないようにしていた。
そして彼はデントロータスやイグテラにも驚いていない。むしろその存在を知っていたようにも思える。
あまりに出来すぎてはいないか。難民たちで飽和しているこの状況に、味方として放浪を続け個々が強さを誇る赤い狼が加わるなどと。
頭の中で熟思しているトーマを一瞥して、サイロンはひとだかりの向こう、一つ飛び出ているフリードリヒに顔を向けた。彼にしては珍しく、いつもの張り詰めた雰囲気がこそげ落ちたように、気抜けした表情のまま。
そんなこと、己の疑問が次から次へと止まずに唸り続けているトーマには知る由もなかった。
0
お気に入りに追加
19
あなたにおすすめの小説
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
【完】あの、……どなたでしょうか?
桐生桜月姫
恋愛
「キャサリン・ルーラー
爵位を傘に取る卑しい女め、今この時を以て貴様との婚約を破棄する。」
見た目だけは、麗しの王太子殿下から出た言葉に、婚約破棄を突きつけられた美しい女性は………
「あの、……どなたのことでしょうか?」
まさかの意味不明発言!!
今ここに幕開ける、波瀾万丈の間違い婚約破棄ラブコメ!!
結末やいかに!!
*******************
執筆終了済みです。
婚約者に消えろと言われたので湖に飛び込んだら、気づけば三年が経っていました。
束原ミヤコ
恋愛
公爵令嬢シャロンは、王太子オリバーの婚約者に選ばれてから、厳しい王妃教育に耐えていた。
だが、十六歳になり貴族学園に入学すると、オリバーはすでに子爵令嬢エミリアと浮気をしていた。
そしてある冬のこと。オリバーに「私の為に消えろ」というような意味のことを告げられる。
全てを諦めたシャロンは、精霊の湖と呼ばれている学園の裏庭にある湖に飛び込んだ。
気づくと、見知らぬ場所に寝かされていた。
そこにはかつて、病弱で体の小さかった辺境伯家の息子アダムがいた。
すっかり立派になったアダムは「あれから三年、君は目覚めなかった」と言った――。
【完結】伝説の悪役令嬢らしいので本編には出ないことにしました~執着も溺愛も婚約破棄も全部お断りします!~
イトカワジンカイ
恋愛
「目には目をおおおお!歯には歯をおおおお!」
どごおおおぉっ!!
5歳の時、イリア・トリステンは虐められていた少年をかばい、いじめっ子をぶっ飛ばした結果、少年からとある書物を渡され(以下、悪役令嬢テンプレなので略)
ということで、自分は伝説の悪役令嬢であり、攻略対象の王太子と婚約すると断罪→死刑となることを知ったイリアは、「なら本編にでなやきゃいいじゃん!」的思考で、王家と関わらないことを決意する。
…だが何故か突然王家から婚約の決定通知がきてしまい、イリアは侯爵家からとんずらして辺境の魔術師ディボに押しかけて弟子になることにした。
それから12年…チートの魔力を持つイリアはその魔法と、トリステン家に伝わる気功を駆使して診療所を開き、平穏に暮らしていた。そこに王家からの使いが来て「不治の病に倒れた王太子の病気を治せ」との命令が下る。
泣く泣く王都へ戻ることになったイリアと旅に出たのは、幼馴染で兄弟子のカインと、王の使いで来たアイザック、女騎士のミレーヌ、そして以前イリアを助けてくれた騎士のリオ…
旅の途中では色々なトラブルに見舞われるがイリアはそれを拳で解決していく。一方で何故かリオから熱烈な求愛を受けて困惑するイリアだったが、果たしてリオの思惑とは?
更には何故か第一王子から執着され、なぜか溺愛され、さらには婚約破棄まで!?
ジェットコースター人生のイリアは持ち前のチート魔力と前世での知識を用いてこの苦境から立ち直り、自分を断罪した人間に逆襲できるのか?
困難を力でねじ伏せるパワフル悪役令嬢の物語!
※地学の知識を織り交ぜますが若干正確ではなかったりもしますが多めに見てください…
※ゆるゆる設定ですがファンタジーということでご了承ください…
※小説家になろう様でも掲載しております
※イラストは湶リク様に描いていただきました
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
《勘違い》で婚約破棄された令嬢は失意のうちに自殺しました。
友坂 悠
ファンタジー
「婚約を考え直そう」
貴族院の卒業パーティーの会場で、婚約者フリードよりそう告げられたエルザ。
「それは、婚約を破棄されるとそういうことなのでしょうか?」
耳を疑いそう聞き返すも、
「君も、その方が良いのだろう?」
苦虫を噛み潰すように、そう吐き出すフリードに。
全てに絶望し、失意のうちに自死を選ぶエルザ。
絶景と評判の観光地でありながら、自殺の名所としても知られる断崖絶壁から飛び降りた彼女。
だったのですが。
婚約破棄されたら魔法が解けました
かな
恋愛
「クロエ・ベネット。お前との婚約は破棄する。」
それは学園の卒業パーティーでの出来事だった。……やっぱり、ダメだったんだ。周りがザワザワと騒ぎ出す中、ただ1人『クロエ・ベネット』だけは冷静に事実を受け止めていた。乙女ゲームの世界に転生してから10年。国外追放を回避する為に、そして后妃となる為に努力し続けて来たその時間が無駄になった瞬間だった。そんな彼女に追い打ちをかけるかのように、王太子であるエドワード・ホワイトは聖女を新たな婚約者とすることを発表した。その後はトントン拍子にことが運び、冤罪をかけられ、ゲームのシナリオ通り国外追放になった。そして、魔物に襲われて死ぬ。……そんな運命を辿るはずだった。
「こんなことなら、転生なんてしたくなかった。元の世界に戻りたい……」
あろうことか、最後の願いとしてそう思った瞬間に、全身が光り出したのだ。そして気がつくと、なんと前世の姿に戻っていた!しかもそれを第二王子であるアルベルトに見られていて……。
「……まさかこんなことになるなんてね。……それでどうする?あの2人復讐でもしちゃう?今の君なら、それができるよ。」
死を覚悟した絶望から転生特典を得た主人公の大逆転溺愛ラブストーリー!
※最初の5話は毎日18時に投稿、それ以降は毎週土曜日の18時に投稿する予定です
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる