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45.追われる議長
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「ねえ」
出るや否や、イアサムはGの上着の裾を引っ張った。何、と彼は少年のレンズ越しの目をのぞき込む。
「あのおじさん、銃持ってたよ」
「……何?」
「おじさんだけじゃないよ、あっちの人も」
ネィルもそう付け足した。
「動いた時に、かちゃかちゃ音がしてたもん」
なるほど、と彼は思う。あの女の服は、確かに物を隠すには絶好の場所だった。この土地の習慣からして、女の服をわざわざ開けて見せることはしない。身体に銃やら武器が巻き付けてあったとしても判らないだろう。
もっとも、そんなに持てば、動きが悪くなる。その様子は見られなかった、とGは思い返す。
「用意ができました! 皆さん乗り込んで下さい!」
車掌が車から身を乗り出す。行こうか、とGは二人をうながした。
*
砂漠に陽が昇る。ただただ広がる空が、深い青紫から次第に金色に薔薇色に移り変わっていく。子供二人は窓にへばりついて、その光景をじっと見ていた。
車中に乗り込んできたのは、総勢十名、というところだった。予定時間通りにやってきた乗客は乗り込むことができない。正直、議会政府の方から停止命令が出ているなら、運行中止にして、払い戻しした方が、安全は安全なのである。それをあえて走らせようというのは、たった一つつなぐ足である長距離バスの会社の意地であろうか。
ともあれ、そのおかげでGは予定通りに乗り込めたことには感謝したい気持ちだった。自分が居るうちに、この少年達にある程度の安全を確保してあげたかった。
しかし。彼は考える。自分はそんな親切なことをする方だったろうか?
そうではない、と内心否定する。この少年達だからだ、と彼は思おうとする。未来に自分は彼らに会う。だからなのだ、と自分自身を納得させる。
「あれ」
ふと、イアサムはサングラスを持ち上げた。たてつけの悪い窓を力を入れて押し上げる。そして少しだけ、窓から身を乗り出した。
「……サンドさん」
イアサムはGの偽名を呼んだ。少年の失言に、Gは慌てて顔を上げる。
「……ねえ、何か後ろからついて来る車があるんだけど」
「車?」
Gは後部座席の方へと移動し、一番後ろの窓を開けた。確かに、追う車がある。結構な距離があるのだが、この時間に、わざわざこの道を渡ろうとするあたりが、気になった。
「……何だろうな……」
Gはつぶやきながら、ちら、と他の客を見た。
「何やってるんだ、砂が入ってくるじゃないか、閉めたまえ」
この地にはおよそ似つかわしくないスーツの上下を着た男が、眉をひそめる。
「何か、後ろから車がやってきてるんですが」
閉めながらGは何気なさをつくろう。
「ねえ、その後に三台くらい付いてきてるよ」
ネィルの無邪気な声が響く。
「何?」
その声に反応したのは、あの初老の男だった。視線が鋭い。
「坊主、その車って何色してる?」
「黒」
ネィルは短く答える。その後、少し考えてから、こう付け加える。
「黒いんだけど、前だけ赤い線が入ってるの」
「三台とも、そういう車か?」
うん、とネィルはうなづく。ち、と男は舌打ちをした。
「どうしたんですか?」
Gは少しだけ不安な表情を作る。何でもない、と男は返す。
「何でもない、ということはないでしょう? その顔色じゃ」
「何でもねぇんだよ!」
「だけどそれじゃあ、俺達困るんだけど」
イアサムが口をはさむ。
「俺どうしても、ワッシャードに行きたいんだもの」
「それは私達だって一緒だ」
そうだそうだ、と客達からも声が上がる。そもそも政府命令を半ば無視してでもとりあえず向こう側に行きたい客達である。
「黒に、赤のラインと言えば、都市警察の車だ、と私は記憶しているが」
スーツの男は眼鏡のブリッジを押さえながら指摘する。
「違ったかな?」
初老の男は顔を苦笑する。
「誰か追われてる奴が居るのか!」
中年の男が立ち上がった。
「あんたか? あんたか?」
男は一人一人を指さして、問いつめる。まずいな、とGは思う。ただでさえ密室で、狭いバスの中だ。
こんな雰囲気の中で、猫の瞳を持つイアサムや、亜熟果香の後遺症がいつ出るか判らないネィルのことが表に出てはたまったものではない。
「運転手さん、急いで。何か追ってくる奴らが居る」
いつの間にかネィルがとことこと前方へ行き、運転手に向かって頼んでいた。
「後ろから……? おおっ?」
運転手はバックミラーを見ると、その三台の車の特徴に目を大きく広げる。
「……あれを振り切るってのは結構厄介だぞ……」
「でも厄介、で済むんでしょ?」
イアサムも側により、口元をきゅっと上げる。
仕方ねえなあ、と運転手はつぶやくと、アクセルをぐっと踏んだ。
「お客さん、しっかり掴まってくれよ! とりあえず飛ばすから!」
言うが早いが、乗客皆が、一気に揺さぶられた。加速する。イアサムとネィルは後部座席に寄ると、窓に顔を当てて、次第に離されていく車の顔を確かめる様に見つめていた。
「……少しは時間が稼げるかな」
「そうですね」
つぶやく初老の男に、Gはにっこりと笑顔を向けた。
そして、こう付け加える。
「一体、誰に追われてるのです?」
何を、と初老の男は問い返そうとした。しかし男は、言葉をそこで止めた。
「綺麗なお兄ちゃん、いつから気付いていたね」
「それとも追われているのはあなたのお連れさんですか? 色々物騒なものをぶら下げている様ですが」
ふん、と男は鼻を鳴らした。
「最初に気付いたのは、あの子達ですよ」
「ふん、兄弟ではない子供達、かい」
やっぱり気付かれていたか、とGは目を細める。
「あんたか! あんたが追われていたのか!」
腰に手を当て、それがどうしたと居直る初老の男に、中年の男はややヒステリックな叫び声を上げる。がたがたと揺れるバスの中、その声もまた揺れていた。
「だが客だ。ちゃんと金は払った」
「しかし!」
「もういい」
黒い服を頭からすっぽりとかぶった女が声を立てた。
……しかしこの声は、女ではなかった。
「もういいのだよ、ヘドゥン」
「しかし」
「いいのだ」
そう言って、黒いかぶり物を外す。中に居たのは、交差させた銃のベルトを身につけた、同じくらいの初老の男だった。Gはその顔に、見覚えがあった。
「……あなたは……」
そしてさすがに、スーツの男はすぐに気付いたようだった。
「議長!」
中年の男も、即座に反応する。議長、ということは、議会派のトップに当たる。つまり、は。
「……こんな方法で逃げ出そうとした私が悪いのだ」
「しかし、これしか方法が無かった!」
初老の男は、首を大きく横に振る。
「あんたは生き残りたくて、俺を雇ったんじゃないか!? 俺は傭兵だ。依頼を果たすのが仕事だ。あんたを向こう側へ送り届けることができなかった、なんていうのは俺の信用問題にも関わるんだぜ?」
「いや、いい。もういいのだ。車を止めてくれ。私が出れば、事は治まる」
「駄目だ!」
二人のやりとりを、周囲ははらはらとして見ている。議長と、その脱出を頼まれたプロの傭兵。周囲はそう彼らの関係をとった。Gもそれには異論はなかった。
「しかし、おそらくこのままでは、新政権は、この車の足を止めてでも、私を捕らえようとするだろう」
「そういう時のために、俺が居るんじゃなかったのか?」
ぐい、と古参の傭兵は、議長の身体から、ガンベルトを取り去った。何を、という顔で議長は傭兵を見る。
「ここで向こうを足留めしてやればいいんだ」
「……それは……」
周囲の表情が、複雑なものになる。確かに、それは一理ある。とにかくここに居る者達は、何はともあれ向こう側に早く着きたいのだ。この傭兵一人がそうして、それが可能ならそれでもいい、という空気はあっという間に流れた。
そして一理ある、とGもまた、思った。
「のった」
Gは手を挙げる。そして傭兵の手のガンベルトを一つ握った。
「俺もその案に乗る」
出るや否や、イアサムはGの上着の裾を引っ張った。何、と彼は少年のレンズ越しの目をのぞき込む。
「あのおじさん、銃持ってたよ」
「……何?」
「おじさんだけじゃないよ、あっちの人も」
ネィルもそう付け足した。
「動いた時に、かちゃかちゃ音がしてたもん」
なるほど、と彼は思う。あの女の服は、確かに物を隠すには絶好の場所だった。この土地の習慣からして、女の服をわざわざ開けて見せることはしない。身体に銃やら武器が巻き付けてあったとしても判らないだろう。
もっとも、そんなに持てば、動きが悪くなる。その様子は見られなかった、とGは思い返す。
「用意ができました! 皆さん乗り込んで下さい!」
車掌が車から身を乗り出す。行こうか、とGは二人をうながした。
*
砂漠に陽が昇る。ただただ広がる空が、深い青紫から次第に金色に薔薇色に移り変わっていく。子供二人は窓にへばりついて、その光景をじっと見ていた。
車中に乗り込んできたのは、総勢十名、というところだった。予定時間通りにやってきた乗客は乗り込むことができない。正直、議会政府の方から停止命令が出ているなら、運行中止にして、払い戻しした方が、安全は安全なのである。それをあえて走らせようというのは、たった一つつなぐ足である長距離バスの会社の意地であろうか。
ともあれ、そのおかげでGは予定通りに乗り込めたことには感謝したい気持ちだった。自分が居るうちに、この少年達にある程度の安全を確保してあげたかった。
しかし。彼は考える。自分はそんな親切なことをする方だったろうか?
そうではない、と内心否定する。この少年達だからだ、と彼は思おうとする。未来に自分は彼らに会う。だからなのだ、と自分自身を納得させる。
「あれ」
ふと、イアサムはサングラスを持ち上げた。たてつけの悪い窓を力を入れて押し上げる。そして少しだけ、窓から身を乗り出した。
「……サンドさん」
イアサムはGの偽名を呼んだ。少年の失言に、Gは慌てて顔を上げる。
「……ねえ、何か後ろからついて来る車があるんだけど」
「車?」
Gは後部座席の方へと移動し、一番後ろの窓を開けた。確かに、追う車がある。結構な距離があるのだが、この時間に、わざわざこの道を渡ろうとするあたりが、気になった。
「……何だろうな……」
Gはつぶやきながら、ちら、と他の客を見た。
「何やってるんだ、砂が入ってくるじゃないか、閉めたまえ」
この地にはおよそ似つかわしくないスーツの上下を着た男が、眉をひそめる。
「何か、後ろから車がやってきてるんですが」
閉めながらGは何気なさをつくろう。
「ねえ、その後に三台くらい付いてきてるよ」
ネィルの無邪気な声が響く。
「何?」
その声に反応したのは、あの初老の男だった。視線が鋭い。
「坊主、その車って何色してる?」
「黒」
ネィルは短く答える。その後、少し考えてから、こう付け加える。
「黒いんだけど、前だけ赤い線が入ってるの」
「三台とも、そういう車か?」
うん、とネィルはうなづく。ち、と男は舌打ちをした。
「どうしたんですか?」
Gは少しだけ不安な表情を作る。何でもない、と男は返す。
「何でもない、ということはないでしょう? その顔色じゃ」
「何でもねぇんだよ!」
「だけどそれじゃあ、俺達困るんだけど」
イアサムが口をはさむ。
「俺どうしても、ワッシャードに行きたいんだもの」
「それは私達だって一緒だ」
そうだそうだ、と客達からも声が上がる。そもそも政府命令を半ば無視してでもとりあえず向こう側に行きたい客達である。
「黒に、赤のラインと言えば、都市警察の車だ、と私は記憶しているが」
スーツの男は眼鏡のブリッジを押さえながら指摘する。
「違ったかな?」
初老の男は顔を苦笑する。
「誰か追われてる奴が居るのか!」
中年の男が立ち上がった。
「あんたか? あんたか?」
男は一人一人を指さして、問いつめる。まずいな、とGは思う。ただでさえ密室で、狭いバスの中だ。
こんな雰囲気の中で、猫の瞳を持つイアサムや、亜熟果香の後遺症がいつ出るか判らないネィルのことが表に出てはたまったものではない。
「運転手さん、急いで。何か追ってくる奴らが居る」
いつの間にかネィルがとことこと前方へ行き、運転手に向かって頼んでいた。
「後ろから……? おおっ?」
運転手はバックミラーを見ると、その三台の車の特徴に目を大きく広げる。
「……あれを振り切るってのは結構厄介だぞ……」
「でも厄介、で済むんでしょ?」
イアサムも側により、口元をきゅっと上げる。
仕方ねえなあ、と運転手はつぶやくと、アクセルをぐっと踏んだ。
「お客さん、しっかり掴まってくれよ! とりあえず飛ばすから!」
言うが早いが、乗客皆が、一気に揺さぶられた。加速する。イアサムとネィルは後部座席に寄ると、窓に顔を当てて、次第に離されていく車の顔を確かめる様に見つめていた。
「……少しは時間が稼げるかな」
「そうですね」
つぶやく初老の男に、Gはにっこりと笑顔を向けた。
そして、こう付け加える。
「一体、誰に追われてるのです?」
何を、と初老の男は問い返そうとした。しかし男は、言葉をそこで止めた。
「綺麗なお兄ちゃん、いつから気付いていたね」
「それとも追われているのはあなたのお連れさんですか? 色々物騒なものをぶら下げている様ですが」
ふん、と男は鼻を鳴らした。
「最初に気付いたのは、あの子達ですよ」
「ふん、兄弟ではない子供達、かい」
やっぱり気付かれていたか、とGは目を細める。
「あんたか! あんたが追われていたのか!」
腰に手を当て、それがどうしたと居直る初老の男に、中年の男はややヒステリックな叫び声を上げる。がたがたと揺れるバスの中、その声もまた揺れていた。
「だが客だ。ちゃんと金は払った」
「しかし!」
「もういい」
黒い服を頭からすっぽりとかぶった女が声を立てた。
……しかしこの声は、女ではなかった。
「もういいのだよ、ヘドゥン」
「しかし」
「いいのだ」
そう言って、黒いかぶり物を外す。中に居たのは、交差させた銃のベルトを身につけた、同じくらいの初老の男だった。Gはその顔に、見覚えがあった。
「……あなたは……」
そしてさすがに、スーツの男はすぐに気付いたようだった。
「議長!」
中年の男も、即座に反応する。議長、ということは、議会派のトップに当たる。つまり、は。
「……こんな方法で逃げ出そうとした私が悪いのだ」
「しかし、これしか方法が無かった!」
初老の男は、首を大きく横に振る。
「あんたは生き残りたくて、俺を雇ったんじゃないか!? 俺は傭兵だ。依頼を果たすのが仕事だ。あんたを向こう側へ送り届けることができなかった、なんていうのは俺の信用問題にも関わるんだぜ?」
「いや、いい。もういいのだ。車を止めてくれ。私が出れば、事は治まる」
「駄目だ!」
二人のやりとりを、周囲ははらはらとして見ている。議長と、その脱出を頼まれたプロの傭兵。周囲はそう彼らの関係をとった。Gもそれには異論はなかった。
「しかし、おそらくこのままでは、新政権は、この車の足を止めてでも、私を捕らえようとするだろう」
「そういう時のために、俺が居るんじゃなかったのか?」
ぐい、と古参の傭兵は、議長の身体から、ガンベルトを取り去った。何を、という顔で議長は傭兵を見る。
「ここで向こうを足留めしてやればいいんだ」
「……それは……」
周囲の表情が、複雑なものになる。確かに、それは一理ある。とにかくここに居る者達は、何はともあれ向こう側に早く着きたいのだ。この傭兵一人がそうして、それが可能ならそれでもいい、という空気はあっという間に流れた。
そして一理ある、とGもまた、思った。
「のった」
Gは手を挙げる。そして傭兵の手のガンベルトを一つ握った。
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