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快楽の苦闘

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「お嬢様、報告がございます」
「なんでしょうか?」
「占領地で抵抗を続けていた女騎士ノエルが捕虜となり、当家に護送されて来ました。これより尋問を行なう手配をしております」

 フリージアに、ダークエルフの執事が告げる。
 女騎士ノエルは、旧王国の騎士で頑迷に抵抗を続けていた。
 若く、美しく、武勇も備えている。
 抵抗勢力の中でも、救国の乙女として象徴となっている。
 それが捕虜となったとなれば、敵方の士気も大きく低下するであろう。

「そうですか。もしかしたら、エリンと関係があるのかも知れませんね」
「私も、その点を疑っています。ひょっとしたら、繋がりがあるかも知れません」
「旧王国側を支援している者たちを聞き出すことができれば、一挙に賊徒どもを突き崩すことができるでしょう」

 それは、王国内部の敵かもしれないのだ。
 敵対した旧王国側を支援して鎮圧を担当するギュスターランド公爵家の不手際を攻める、そのくらいはする連中もいるし、見当もついている。
 ただ、証拠が必要である。女騎士ノエルの証言があれば、一気に追い詰められるはずだ。

「そのとおりです。なによりも、女騎士めの口を割らせるのが肝要です」
「ですが、かの女騎士が素直に口を割りますでしょうか?」
「あの少年……エリンを使えば、あるいは」

 エリンのことを思うと、フリージアははしたない感情が湧き上がってくる。
 童貞を喪失させられたこと、自分の身体を洗わせたこと。
 それは甘美な快楽を伴うものでもあった。
 今も自由を奪われて投獄されている。まだ、口は割っていない。
 いかなる羞恥に晒されようが、性を弄ばれようが、彼の心は挫けてはいないのだ。

「なにやら考えがあるようですね。ならば、任せましょう」
「はっ、それでは用意ができましたら地下の方へ」

 そう言って、執事は下がる。
 フリージアの心には不安と期待が渦巻いていた。
 少年エリンを苦しめるというのは、フリージアも本意ではない。かわいそうにも思う。
 しかし、その憐憫がありつつも快楽に悶える姿も焼き付いている。
 必要な執務を終えると、フリージアは地下へと向かう。
 冷たい地下室には、メイド長と数名のメイドたち、そして執事長が待っていた。

「さっ、こちらへ」

 メイド長が、牢獄に捕らえられているノエルのもとに案内する。
 捕らえられた女騎士は、甲冑どころか素っ裸に剥かれ、亀甲縛りで自由を奪われていた。

「殺せ! いかなる屈辱を受けようと屈するものか!」

 凛とした表情と、短めに切られた美しい銀髪。
 挑むような目の中にも、不安と羞恥が宿っている。
 体つきも柔らかに見えながらも、よく引き締まっている。
 戦う女の身体だ。
 劣勢の戦場を駆けていたのだから、その強い意志はなかなか折れないだろう。

「あら、簡単には殺しませんよ。あなたにはいろいろしゃべってもらわないといけませんから」

 メイド長がなぶるように言う。
 神聖な魅力というものは、汚したくなるのだ。
 それを十分持っている相手である。

「では、まずはご対面だ」

 執事がいうと、同じように縄に駆けられたエリンが引き立てられてくる。
 女騎士と少年暗殺者の顔に、驚きがまず浮かんだ。

「おやおや、お互いの顔をご存知のようだ」
「知らん! お前たち、こんな年端もいかぬ子に何をしたのだ!」
「その年端もいかぬ子に、あなたたちはお嬢様を殺すように命じたのではなくて?」
「知らんと言っている! ……その子も私のことは知るまい、無関係だ」
「そうなの、坊や? そんなふうには見えなかったけど」
「女騎士ノエル……見かけて知っているだけだ」
「ふうん、面識はないというつもりですね。でも、それを素直に信じるわけにはいかないのよ。今から、それを試すことにしましょう」
「試す、だと?」

 メイド長は、いきなり少年エリンの貞操帯を外す。
 彼の勃起した男性器が露わになる。
 思わずノエルは顔を反らし、エリンも羞恥に頬染めた。

「な、何を考えている!?」
「よく見知っている相手だったら、こういうときに知らないふりをしてもボロが出るのよ。さっきの反応、二人とも怪しかったわ。顔だけ知っている相手に、こんなに腫らしたものを晒すなんてねえ」
「馬鹿げた理屈だ! そんなことあるわけがない!」
「馬鹿げているかどうかを判断するのは、あなたじゃない。私たちよ」

 メイド長は戸惑う女騎士に囁いた。
 それはさらに羞恥極まる要求であった。

「あの子のおちんちん、しゃぶってあげなさい――」
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