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そうして、聖だけを見つめながら、サイエンは力強い声で断言した。
「安心しろ、オレは約束は守る男だ。さっき寄港した港で、ヤツが乗船したのを確認した。これからミドーに紹介してやろう」
このセリフに、晁生が反応する。
「失礼ですがミスター、どなたかお知り合いを我々に紹介して頂けるのですか?」
すると、まるで今初めて視界に入ったかのように、サイエンは晁生に目線を向けた。
「おお、君はまだいたのか?」
「……一応、ボクと聖は共闘関係を結んで乗船したので、結果も出ないまま下船する事はしないつもりですよ。プレゼンもまだですからね」
「これ以上君が居ても、役に立たないだろうに」
「それはどうでしょうね。決め付けるのは早いのでは?」
サイエンの皮肉に、晁生は表情を変えずに応答する。
何やら二人の間に漂う雲行きが怪しくなってきたところで、聖の不機嫌そうな声が割って入った。
「どうでもいいが、オレはさっさとケリをつけて日本に帰りたいんだがな」
元々晁生ほど熱心でなかっただけに、聖はこの船旅に嫌気が差して来ている。
取り敢えずはポルノまがいの痴態を演じてやったので、それなりに晁生には義理を返したとも思う。
あのビデオを使って、あとは勝手にやってほしい。
そんな考えを察したように、晁生は困ったように頭を搔いた。
「君はそれでいいかもしれないが、ボクはこの段階で君に船を降りてもらっては困るんだよ。せめて、明日のプレゼンが成功するよう協力してくれ」
これに、サイエンが嘲笑を漏らした。
「ふふ、必死なのはジョーだけのようだな。小物は大変なことだ」
『ジョー』と呼ばれたのが自分だと理解し、晁生は悔しそうにサイエンを睨む。
「あなたのような人物は分からないだろうが、我々は毎日社員やタレントを守る為に必死なんだ。だからボクは、一万ドルも搔き集めてこの船に乗ったんだ。聖だって、まだ結果を出していないのに下船するのは不本意な筈だ。だから――」
「おっと、来たようだ」
サイエンは晁生を無視すると『後方を見ろ』と言うように顎をしゃくった。
「安心しろ、オレは約束は守る男だ。さっき寄港した港で、ヤツが乗船したのを確認した。これからミドーに紹介してやろう」
このセリフに、晁生が反応する。
「失礼ですがミスター、どなたかお知り合いを我々に紹介して頂けるのですか?」
すると、まるで今初めて視界に入ったかのように、サイエンは晁生に目線を向けた。
「おお、君はまだいたのか?」
「……一応、ボクと聖は共闘関係を結んで乗船したので、結果も出ないまま下船する事はしないつもりですよ。プレゼンもまだですからね」
「これ以上君が居ても、役に立たないだろうに」
「それはどうでしょうね。決め付けるのは早いのでは?」
サイエンの皮肉に、晁生は表情を変えずに応答する。
何やら二人の間に漂う雲行きが怪しくなってきたところで、聖の不機嫌そうな声が割って入った。
「どうでもいいが、オレはさっさとケリをつけて日本に帰りたいんだがな」
元々晁生ほど熱心でなかっただけに、聖はこの船旅に嫌気が差して来ている。
取り敢えずはポルノまがいの痴態を演じてやったので、それなりに晁生には義理を返したとも思う。
あのビデオを使って、あとは勝手にやってほしい。
そんな考えを察したように、晁生は困ったように頭を搔いた。
「君はそれでいいかもしれないが、ボクはこの段階で君に船を降りてもらっては困るんだよ。せめて、明日のプレゼンが成功するよう協力してくれ」
これに、サイエンが嘲笑を漏らした。
「ふふ、必死なのはジョーだけのようだな。小物は大変なことだ」
『ジョー』と呼ばれたのが自分だと理解し、晁生は悔しそうにサイエンを睨む。
「あなたのような人物は分からないだろうが、我々は毎日社員やタレントを守る為に必死なんだ。だからボクは、一万ドルも搔き集めてこの船に乗ったんだ。聖だって、まだ結果を出していないのに下船するのは不本意な筈だ。だから――」
「おっと、来たようだ」
サイエンは晁生を無視すると『後方を見ろ』と言うように顎をしゃくった。
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