MAN OF THE FULL BLOOM

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　今更だ。
　聖はもう、誰かに心を乱されたくはない。

――誰かを本気で愛しても、それが手に入らない苦しみは二度と味わいたくない。

「……ああ」
「どうして？」
「面倒だ」

　端的に答え、この話題はもう切り上げようとするが。
　しかし晁生の方はまだ未練があるようで、ゆっくりと腰を動かしながら、カメラに拾われないような小声で囁く。

「君が、心の中で誰を思っていても構わない」
「晁生？」
「本当は、ボクは……」

「それ以上言うな」

　聖は低い声で拒絶すると、遊び半分に絡めていた脚にギュッと力を入れた。
　そして腹筋に力を入れ、身体を仰け反らせて強く腰を揺らす。
　晁生の身体からは、一気に汗が噴き出た。

「ぐ、ゥ――」

　本気で仕上げに掛かった聖に、並みの男が抵抗するなど不可能だ。
　晁生は言葉を発する事も出来ず、歯を食いしばって何とかこの甘い拷問に耐えようとする。

　だが、雄芯をしごき上げるように繰り返される肉の蠕動に、いつまでも抗こうすことなど出来ようはずがない。

「ひ、ひじ、り……！」

　せめてもの仕返しか。

　うめき声を上げながら、晁生は最後に渾身の力を込める。
　彼は聖の腰を両手で掴みながら、その最奥へと白濁の激流を放出したのだった。