ナラズモノ

最終章

最終章～ユキヒトヒラ～

　ユキヒトヒラ

ユキヒトヒラ、風に舞う白い影よ

今夜は暖かいから雪が降る……

本当に寒いのは星の出ている夜だから

夜明けの凍てつく寒さが怖くて、あなたに縋る。

ユキガヒラヒラ、舞い落ちる白さが愛しくて、

冬の夜毎の物語……

あなたがどこかの空の下、

ずっと私を想っている

その事を知ってから、

私の心は融け始め

この凍てつく冬さえも

いつか愛おしく感じ始めた。

星が見える、月が見える

今夜は本当に寒いから

ずっと私を想っていて

白い雪が舞い落ちれば、

あなたの愛を感じるよ。

ユキヒトヒラ、風に踊る白い影よ

今夜は寒いから星が出ている

ユキガヒトヒラ

ああ、あなたの愛が

やがてこの空にあふれて

今宵は私を包む。

愛しているのだと、

私を優しく抱きしめる

――――♪

　　　　　　　　　　　　　　　　

　畠山ユウの、このデビュー曲は、一挙に瞬く間にヒットチャートに上がり、彼は堂々とトップ・スター入りを果たした。


　御堂聖は、ヤクザ資本だとレッテルを貼られた事務所のイメージ払拭のために、それから長く奔走する事になる。


　同時に、青菱史郎の恋人だという事が裏世界に広く知れ渡ってしまい、自分自身と、史郎の敵対勢力にずっと悩ませられる事になってしまう。


　しかし仕事の方では、地道な努力が実り、事務所に所属する役者が海外で次々と映画賞を受賞し、彼は辣腕社長と名を上げる。


　青菱史郎は、念願叶い聖と思いを通じ合ったのだが、部下の失策や、敵対する勢力の奸計により、その後長い懲役刑につくことになる。


　真壁了は、そのまま御堂聖の秘書を務め、極道社会から遠ざかる事になる。


　近藤碇は、天黄組で勢力を伸ばし、やがて組の跡目として指名され、極道社会で頭角を現すことになる。


　天黄正弘は、聖の助言により、暴対法から逃れるべく次々と新興の会社を起ち上げると、それらの会長職へと就任した。呼応も組長から会長に変更する。



　綾瀬塔矢は警察署を去った後、探偵事務所を起ち上げる。



　そして物語は、また次へと受け継がれるのであった。

　―――――END



ここまで読んで頂き、ありがとうございました(^^)/
この後は、作者による後書きなどを書いてみようと思っています。
どうかこのまま、今しばらくお付き合い下されば幸いでございます(*- -)(*_ _)ペコリ