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28、密室 3
しおりを挟むポケットから取り出した避妊具を自身の反り立った肉槍に装着する。
「な、なんで今持ってるんですか?」
「ああ、いつ何時敦美とこうなるかわからないだろう? だから、いつもポケットに入れてるの」
「落としたらどうするんですか?」
「え? 落としたら拾った人にあげるかな。拾った人はそれを使って誰かと愛を確かめ合ったらいいでしょ? ね、敦美」
ふう、と吐息が耳朶にかかる。
「ぁんっ……」
ぶるっと体が震えた。智紀は力の抜け切った敦美を抱きしめるように持ち上げ、丁度横にあった台の上に乗せる。そのまま敦美の片足を脚を持ち上げ、秘所へ視線を送った。てらてらと濡れているのが見える。
「と、智紀さん!?」
あられもない立ち姿に、敦美は顔を赤らめた。晒されている、その状況が羞恥心と欲情を掻き立て、脚をただ持たれているだけなのに、その智紀に触れられている所でさえ快感を感じてしまう。
「も、もう……えっち」
すると、肉槍の先っぽを秘所に擦り付けられた。敏感なその場所は、擦られただけで蜜をとろっと零れさせる。
「んっ……」
「このまま……入れるよ」
「へ……? この、まま?」
腰を押さえられて、ぐっと肉槍が蜜裂を掻き割って入ってきた。
「んぁっ」
猛烈な熱量から逃げるように敦美の踵が上がった。すると敦美の腰の位置が少し上がって、肉槍の進行が止まる。
「……ぁっ」
思わず接合部を見てみれば、肉槍が中に入っているのが見えるではないか。入っている所をこんなにもしっかり見たのは初めてかもしれない。
「……智紀さんの……入って、る」
その肉槍にはとろりと蜜がまとわりついていて、物凄く官能的だ。
「まだ先っぽしか入ってないよ。敦美……腰、ゆっくり落として」
耳元で誘惑されるように囁かれ、ツクンと子宮が疼く。智紀の声に誘導されるように、敦美は腰をゆっくりと下ろしてゆく。と同時に肉槍が奥へ奥へと入ってきた。熱い塊に壁をぐいぐい押し広げられると、背中がゾクゾク粟立ち、たまらなく甘い吐息が零れる。
智紀の肉槍はこのいやらしい環境で一回りも大きくなっていたが、まるで麻酔にかけられている様に、挿入の痛みはなかった。ただただ快感しか感じられない。
「んっ……はぁっ……こ、こうですか?」
「そう。上手……」
ちゅ、と耳に口付けされ、ピクンと体が震えた。気持ちよくて、もうすでに快感の閾値を越えてしまいそう。
「ふぁっ……」
「動くよ」
いつも言わないのにそう言われて、これから感じるだろう快感を想像してしまったせいで、きゅうっと子宮が甘く痺れる。恐らく声を我慢して、という意味が含まれるのだろうが、我慢出来るか急に不安になった。
ゆっくりと智紀の腰が動き出して、股同士がぶつかるごとに敦美の腰が跳ねる。
「んっ……」
振り子のように跳ね上がって戻っての繰り返し。その都度奥深くをズンズン突き上げられて、快感が体の奥から体全身へ駆け巡ってゆく。体が倒れてしまわないように、敦美は智紀にぎゅっとしがみついた。
「あぁっ……んぁっ……やっ」
思わず漏れる声を、呑み込むように智紀は口を塞ぐ。キスされて、ますます快感が増加する。
ああ、気持ちいいっ……。
彼からのどんなキスも好きだ。体の奥深くを突き上げるこの動きも、安定させるようにしっかりと固定してくれる手も。彼の全てが敦美を愛で包む。
智紀が心配するように、敦美の気持ちが向井に行くことなんてない。智紀に愛される事を知ってしまったら、彼以外を好きにはなれない。それほどまで深く愛され、愛すことが、これほど幸せだと知らなかった。
それにセックスは彼と繋がれるような気がして、このままずっと繋がっていたいと思った。そしたら心も体も繋がって、彼を不安にさせてしまうこともないのだろうに。
「んっ……んっ……ふっぅ……ぁっ」
唇の隙間からお互いの呻き声と吐息が漏れる。
快感をもっともっとと体が求め、智紀にしがみつく力が強まる。智紀も興奮しているのか、腰をぐっと押さえられて、力強い律動になる。全身が麻痺するように痺れだし、快楽の巨大な波が敦美に迫ってくる。
ああっ……! イクっ……!
一際力強く突き上げられて、ぶわっと快感が体を貫いた。
「んんぁっ……!!」
大きく背中が弓形になり、きゅうきゅうっと膣が締まる。智紀の腰の動きもゆっくりとなり、やがて止まった。はあ、はあ、とお互いに荒い呼吸を整えた。
「敦美……好きだよ」
「私も……好き」
ちゅ、と幸せを噛み締めるようにキスをする。体がふわふわして、何だか夢心地のようだ。
だがその余韻に浸っていられるのは一瞬だけで、再び扉がガタガタ言い始めた。先程よりも強くドアノブを揺らされている。もしかしたら鍵が壊れて扉が開くかもしれない。
この状況、見られたらやばい!
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