42 / 148
第1部2章 捜索任務
039 おとり作戦
しおりを挟む
奥からチュウジが戻ると、俺は先ほど思いついたことを話し出す。
「チュウジも奥行って実感したと思うけど、ここ、地面柔らかいじゃん?」
チュウジがうなずく。
「ミカさんのアイデアでは頭を罠で押さえたらどうかということだったよね?」
「うん」
「しかし、首をくくるためには跳ね上げ式でないといけない、でしたよね」
「そう、でも、ここは地面が柔らかい。落とし穴に落とすんではなくて、俺たちが穴に落ちてやるってのはどうかな?」
「と言うと……?」
チュウジが怪訝な顔をする。
「ヤマバシリが罠に首突っ込んだ時に下方向に力をかけてやれば良い。穴を掘って、相手が首を突っ込んできた時に、そこに輪っかにつながる紐持って飛び降りたら、輪っかが締まるんじゃないかな?」
「うまくはまればそこで集中攻撃をかければ良いということか。うまくいかなくても、洞窟の中に入り込まれるわけではないから、少なくともその場で崩れて全滅はしないということで良いな」
「ああ、そんな感じだ。どうかな?」
「他に方策がない以上試してみるしかありませんね」
サゴさんの一言に他の2人も首を縦にふった。
「スコップがなくても、俺たちにはこれがある」
俺は最初の任務のときに使っていた斧と今回新たに買った戦斧を見せる。これだったら、スコップがわりになるだろう。
「貧乏で剣が買えなかったおかげですね」
「ええ、貧乏万歳ですよ」
俺はサゴさんに笑って答える。
この2つの斧を使って交代で穴を掘ることにした。
穴は入り口より少し中側に掘ること、下手に入口近くに掘って洞窟の入り口を拡げてしまっては元も子もない。
掘る際には、無理せずこまめに交代し、体力を温存することにした。
すでに体力が落ちきっているサチさんとナナちゃんには休んでいてもらう。
「なんか小さい頃、海水浴場で砂遊びしてたの思い出すな」
一緒に穴を掘っていた時にミカがつぶやく。
「うまくいったら、帰りにこの穴にチュウジ埋めてこっか?」
地面につきさした戦斧に体重をかけて地面に押し込みながら、俺は答える。
「こら、バカなこと言わないの」
「こういう作業してるときはバカな話が一番なんだよ。ていうか、バカは俺の特性ですから。多分、隠し技能でバカってのがついてんだよ、俺」
俺のくだらない冗談にミカはくすくす笑ってくれる。笑ってもらえると、すごく嬉しい。だから、ついつい調子に乗ってしまう。
「ほんと、バカだなぁ。でも、笑わせてくれるとこ、素敵だよ」
この子はストレートに言葉を放ってくることがよくある。俺はドキドキするとついふざけたふりをしてしまう。
「あ、その言葉、もう一度お願いできるでしょうか」
「本日のデレタイムは終了しました」
「そこをなんとか……」
「終了しましたっ」
アンコールには応じてもらえないらしい。
こういう感じでだらだらと穴を掘り、飯を食い、各人、見ないふり、聞かないふりをして奥に入り……3日が過ぎた。
「穴は完成した」
「くくり罠も一応完成したぞ。ここを引っ張ると……」
「すごいね、チュウジくん!」
「いや、皆も訓練所でロープの結び方は習ったであろう。習った結び方の1つにしか過ぎぬよ」
チュウジが珍しく謙遜している。
「さて、ここで不肖ジブン、シカタめが役割分担というか作戦遂行について説明をし、僭越ながら各人の役割について提案というか決定させていただきます」
「必要なのはおとり役が1名、他は補助役となります。至ってシンプルでございます」
緊張して、自分の言葉遣いが妙になっているのがわかる。
「いくら全体重かけて罠を引っ張ったとしても、大型生物との力の差は相当なものでしょう。だから、補助役は相手を押さえるだけの力が必要となります」
ツバを飲み込む。ツバが喉にひっかかってうまく飲み込めない気がする。
「したがって、パーティー一番の力持ちのミカさん、ブレスで相手をひるませられるサゴさん、中2病的必殺技名を叫んで相手のスタミナを奪うチュウジくんが補助役として必要になります」
「じゃあ、シカタくんは……?」
ミカの顔を見てようやく緊張がほぐれる。
「俺がおとり役。補助役は相手を制した後、そのままタコ殴りにする役割も兼務だから頼むよ」
「お前のようなウドの大木は森の木々にぶつかってうまく走れないだろう。だから……」
「だから、お前が走るって? お前、人の話聞いてないだろう。お前が中二病的な技名叫んでくれないと罠にかけても暴れて逃げられちゃうかもしれないだろ。待ち構えておいてもらわないと困るんだよ。それに今回、補助役として一番役に立たなさそうなの、俺だもん」
「サチさんとナナさんは負傷者が出た時に対応してもらうということでいいですね」
サゴさんがまとめてくれる。サチさんを前に出すわけには行かないし、ナナちゃんはすでに限界で戦力として数えられない。
「うすらハゲ」と罵られても、ちゃんと気遣うところが大人だ。俺だったら罵られたら、やり返しはしなくても相手のフォローをするところまでは到底できない。
「ということで作戦は明朝決行ということで、はい解散!みんな、くそしてねろ」
壁にもたれかかって目をつぶっていると、ミカが横に来た。
「シカタくん……」
俺は目をつぶったまま、答える。
「俺、帰ったら君に鼻血とまらないくらいすんごいお願いをするの楽しみにしてんだ」
「そうだよ。フラグクラッシャーくん。引くほどすごいお願いされたら、ちゃんと『ヘンタイ』って言ってほっぺたつねってあげるからね」
うん、生きて帰らないといけないよね。
翌朝、サゴさんにも声をかけておく。
「あの……サゴさん、洞窟の外でのこと、ありがとうございます」
「どうしたんですか?」
「いや、怒鳴ってもらわなかったら、俺もあそこで逃げられなくて死んじゃってたと思うんで」
「まぁ、そう思うなら、ちゃんと罠までヤマバシリを連れてきてくださいね」
チュウジが近づいてきて、手を差し出す。
「シカタよ、戻ってこい。我が自慢の罠の威力を見たいからな」
俺はチュウジの手を握って言う。
「当たり前よ。ちなみに俺、さっきがっつりう○こしてきたぜ」
「我も先ほどしっかりと出したぞ。ちなみに手に少しついておる」
文字通りのクソ野郎だわ、こいつは。
ニッと笑って、外の様子をうかがう。
武器はナイフ以外持っていかない。視界の確保と音が少しでもよく聞こえるようにと兜と面頬《めんぽお》だけは外すことにした。俺の剛毛よ、万が一クソ鳥についばまれても俺の頭を守ってくれよ。
「じゃあ、行ってきます。みんな、頼んだよ」
無理して平静を装って、にっこり笑って外に出た。
「チュウジも奥行って実感したと思うけど、ここ、地面柔らかいじゃん?」
チュウジがうなずく。
「ミカさんのアイデアでは頭を罠で押さえたらどうかということだったよね?」
「うん」
「しかし、首をくくるためには跳ね上げ式でないといけない、でしたよね」
「そう、でも、ここは地面が柔らかい。落とし穴に落とすんではなくて、俺たちが穴に落ちてやるってのはどうかな?」
「と言うと……?」
チュウジが怪訝な顔をする。
「ヤマバシリが罠に首突っ込んだ時に下方向に力をかけてやれば良い。穴を掘って、相手が首を突っ込んできた時に、そこに輪っかにつながる紐持って飛び降りたら、輪っかが締まるんじゃないかな?」
「うまくはまればそこで集中攻撃をかければ良いということか。うまくいかなくても、洞窟の中に入り込まれるわけではないから、少なくともその場で崩れて全滅はしないということで良いな」
「ああ、そんな感じだ。どうかな?」
「他に方策がない以上試してみるしかありませんね」
サゴさんの一言に他の2人も首を縦にふった。
「スコップがなくても、俺たちにはこれがある」
俺は最初の任務のときに使っていた斧と今回新たに買った戦斧を見せる。これだったら、スコップがわりになるだろう。
「貧乏で剣が買えなかったおかげですね」
「ええ、貧乏万歳ですよ」
俺はサゴさんに笑って答える。
この2つの斧を使って交代で穴を掘ることにした。
穴は入り口より少し中側に掘ること、下手に入口近くに掘って洞窟の入り口を拡げてしまっては元も子もない。
掘る際には、無理せずこまめに交代し、体力を温存することにした。
すでに体力が落ちきっているサチさんとナナちゃんには休んでいてもらう。
「なんか小さい頃、海水浴場で砂遊びしてたの思い出すな」
一緒に穴を掘っていた時にミカがつぶやく。
「うまくいったら、帰りにこの穴にチュウジ埋めてこっか?」
地面につきさした戦斧に体重をかけて地面に押し込みながら、俺は答える。
「こら、バカなこと言わないの」
「こういう作業してるときはバカな話が一番なんだよ。ていうか、バカは俺の特性ですから。多分、隠し技能でバカってのがついてんだよ、俺」
俺のくだらない冗談にミカはくすくす笑ってくれる。笑ってもらえると、すごく嬉しい。だから、ついつい調子に乗ってしまう。
「ほんと、バカだなぁ。でも、笑わせてくれるとこ、素敵だよ」
この子はストレートに言葉を放ってくることがよくある。俺はドキドキするとついふざけたふりをしてしまう。
「あ、その言葉、もう一度お願いできるでしょうか」
「本日のデレタイムは終了しました」
「そこをなんとか……」
「終了しましたっ」
アンコールには応じてもらえないらしい。
こういう感じでだらだらと穴を掘り、飯を食い、各人、見ないふり、聞かないふりをして奥に入り……3日が過ぎた。
「穴は完成した」
「くくり罠も一応完成したぞ。ここを引っ張ると……」
「すごいね、チュウジくん!」
「いや、皆も訓練所でロープの結び方は習ったであろう。習った結び方の1つにしか過ぎぬよ」
チュウジが珍しく謙遜している。
「さて、ここで不肖ジブン、シカタめが役割分担というか作戦遂行について説明をし、僭越ながら各人の役割について提案というか決定させていただきます」
「必要なのはおとり役が1名、他は補助役となります。至ってシンプルでございます」
緊張して、自分の言葉遣いが妙になっているのがわかる。
「いくら全体重かけて罠を引っ張ったとしても、大型生物との力の差は相当なものでしょう。だから、補助役は相手を押さえるだけの力が必要となります」
ツバを飲み込む。ツバが喉にひっかかってうまく飲み込めない気がする。
「したがって、パーティー一番の力持ちのミカさん、ブレスで相手をひるませられるサゴさん、中2病的必殺技名を叫んで相手のスタミナを奪うチュウジくんが補助役として必要になります」
「じゃあ、シカタくんは……?」
ミカの顔を見てようやく緊張がほぐれる。
「俺がおとり役。補助役は相手を制した後、そのままタコ殴りにする役割も兼務だから頼むよ」
「お前のようなウドの大木は森の木々にぶつかってうまく走れないだろう。だから……」
「だから、お前が走るって? お前、人の話聞いてないだろう。お前が中二病的な技名叫んでくれないと罠にかけても暴れて逃げられちゃうかもしれないだろ。待ち構えておいてもらわないと困るんだよ。それに今回、補助役として一番役に立たなさそうなの、俺だもん」
「サチさんとナナさんは負傷者が出た時に対応してもらうということでいいですね」
サゴさんがまとめてくれる。サチさんを前に出すわけには行かないし、ナナちゃんはすでに限界で戦力として数えられない。
「うすらハゲ」と罵られても、ちゃんと気遣うところが大人だ。俺だったら罵られたら、やり返しはしなくても相手のフォローをするところまでは到底できない。
「ということで作戦は明朝決行ということで、はい解散!みんな、くそしてねろ」
壁にもたれかかって目をつぶっていると、ミカが横に来た。
「シカタくん……」
俺は目をつぶったまま、答える。
「俺、帰ったら君に鼻血とまらないくらいすんごいお願いをするの楽しみにしてんだ」
「そうだよ。フラグクラッシャーくん。引くほどすごいお願いされたら、ちゃんと『ヘンタイ』って言ってほっぺたつねってあげるからね」
うん、生きて帰らないといけないよね。
翌朝、サゴさんにも声をかけておく。
「あの……サゴさん、洞窟の外でのこと、ありがとうございます」
「どうしたんですか?」
「いや、怒鳴ってもらわなかったら、俺もあそこで逃げられなくて死んじゃってたと思うんで」
「まぁ、そう思うなら、ちゃんと罠までヤマバシリを連れてきてくださいね」
チュウジが近づいてきて、手を差し出す。
「シカタよ、戻ってこい。我が自慢の罠の威力を見たいからな」
俺はチュウジの手を握って言う。
「当たり前よ。ちなみに俺、さっきがっつりう○こしてきたぜ」
「我も先ほどしっかりと出したぞ。ちなみに手に少しついておる」
文字通りのクソ野郎だわ、こいつは。
ニッと笑って、外の様子をうかがう。
武器はナイフ以外持っていかない。視界の確保と音が少しでもよく聞こえるようにと兜と面頬《めんぽお》だけは外すことにした。俺の剛毛よ、万が一クソ鳥についばまれても俺の頭を守ってくれよ。
「じゃあ、行ってきます。みんな、頼んだよ」
無理して平静を装って、にっこり笑って外に出た。
0
お気に入りに追加
17
あなたにおすすめの小説
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
おっさん聖女!目指せ夢のスローライフ〜聖女召喚のミスで一緒に来たおっさんが更なるミスで本当の聖女になってしまった
ありあんと
ファンタジー
アラサー社会人、時田時夫は会社からアパートに帰る途中、女子高生が聖女として召喚されるのに巻き込まれて異世界に来てしまった。
そして、女神の更なるミスで、聖女の力は時夫の方に付与された。
そんな事とは知らずに時夫を不要なものと追い出す王室と神殿。
そんな時夫を匿ってくれたのは女神の依代となる美人女神官ルミィであった。
帰りたいと願う時夫に女神がチート能力を授けてくれるというので、色々有耶無耶になりつつ時夫は異世界に残留することに。
活躍したいけど、目立ち過ぎるのは危険だし、でもカリスマとして持て囃されたいし、のんびりと過ごしたいけど、ゆくゆくは日本に帰らないといけない。でも、この世界の人たちと別れたく無い。そんな時夫の冒険譚。
ハッピーエンドの予定。
なろう、カクヨムでも掲載
ズボラ通販生活
ice
ファンタジー
西野桃(にしのもも)35歳の独身、オタクが神様のミスで異世界へ!貪欲に通販スキル、時間停止アイテムボックス容量無限、結界魔法…さらには、お金まで貰う。商人無双や!とか言いつつ、楽に、ゆるーく、商売をしていく。淋しい独身者、旦那という名の奴隷まで?!ズボラなオバサンが異世界に転移して好き勝手生活する!
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
異世界楽々通販サバイバル
shinko
ファンタジー
最近ハマりだしたソロキャンプ。
近くの山にあるキャンプ場で泊っていたはずの伊田和司 51歳はテントから出た瞬間にとてつもない違和感を感じた。
そう、見上げた空には大きく輝く2つの月。
そして山に居たはずの自分の前に広がっているのはなぜか海。
しばらくボーゼンとしていた和司だったが、軽くストレッチした後にこうつぶやいた。
「ついに俺の番が来たか、ステータスオープン!」
魔銃士(ガンナー)とフェンリル ~最強殺し屋が異世界転移して冒険者ライフを満喫します~
三田村優希(または南雲天音)
ファンタジー
依頼完遂率100%の牧野颯太は凄腕の暗殺者。世界を股にかけて依頼をこなしていたがある日、暗殺しようとした瞬間に落雷に見舞われた。意識を手放す颯太。しかし次に目覚めたとき、彼は異様な光景を目にする。
眼前には巨大な狼と蛇が戦っており、子狼が悲痛な遠吠えをあげている。
暗殺者だが犬好きな颯太は、コルト・ガバメントを引き抜き蛇の眉間に向けて撃つ。しかし蛇は弾丸などかすり傷にもならない。
吹き飛ばされた颯太が宝箱を目にし、武器はないかと開ける。そこには大ぶりな回転式拳銃(リボルバー)があるが弾がない。
「氷魔法を撃って! 水色に合わせて、早く!」
巨大な狼の思念が頭に流れ、颯太は色づけされたチャンバーを合わせ撃つ。蛇を一撃で倒したが巨大な狼はそのまま絶命し、子狼となりゆきで主従契約してしまった。
異世界転移した暗殺者は魔銃士(ガンナー)として冒険者ギルドに登録し、相棒の子フェンリルと共に様々なダンジョン踏破を目指す。
【他サイト掲載】カクヨム・エブリスタ
お持ち帰り召喚士磯貝〜なんでも持ち運び出来る【転移】スキルで異世界つまみ食い生活〜
双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
ひょんなことから男子高校生、磯貝章(いそがいあきら)は授業中、クラス毎異世界クラセリアへと飛ばされた。
勇者としての役割、与えられた力。
クラスメイトに協力的なお姫様。
しかし能力を開示する魔道具が発動しなかったことを皮切りに、お姫様も想像だにしない出来事が起こった。
突如鳴り出すメール音。SNSのメロディ。
そして学校前を包囲する警察官からの呼びかけにクラスが騒然とする。
なんと、いつの間にか元の世界に帰ってきてしまっていたのだ!
──王城ごと。
王様達は警察官に武力行為を示すべく魔法の詠唱を行うが、それらが発動することはなく、現行犯逮捕された!
そのあとクラスメイトも事情聴取を受け、翌日から普通の学校生活が再開する。
何故元の世界に帰ってきてしまったのか?
そして何故か使えない魔法。
どうも日本では魔法そのものが扱えない様で、異世界の貴族達は魔法を取り上げられた平民として最低限の暮らしを強いられた。
それを他所に内心あわてている生徒が一人。
それこそが磯貝章だった。
「やっべー、もしかしてこれ、俺のせい?」
目の前に浮かび上がったステータスボードには異世界の場所と、再転移するまでのクールタイムが浮かび上がっていた。
幸い、章はクラスの中ではあまり目立たない男子生徒という立ち位置。
もしあのまま帰って来なかったらどうなっていただろうというクラスメイトの話題には参加させず、この能力をどうするべきか悩んでいた。
そして一部のクラスメイトの独断によって明かされたスキル達。
当然章の能力も開示され、家族ごとマスコミからバッシングを受けていた。
日々注目されることに辟易した章は、能力を使う内にこう思う様になった。
「もしかして、この能力を金に変えて食っていけるかも?」
──これは転移を手に入れてしまった少年と、それに巻き込まれる現地住民の異世界ドタバタコメディである。
序章まで一挙公開。
翌日から7:00、12:00、17:00、22:00更新。
序章 異世界転移【9/2〜】
一章 異世界クラセリア【9/3〜】
二章 ダンジョンアタック!【9/5〜】
三章 発足! 異世界旅行業【9/8〜】
四章 新生活は異世界で【9/10〜】
五章 巻き込まれて異世界【9/12〜】
六章 体験! エルフの暮らし【9/17〜】
七章 探索! 並行世界【9/19〜】
95部で第一部完とさせて貰ってます。
※9/24日まで毎日投稿されます。
※カクヨムさんでも改稿前の作品が読めます。
おおよそ、起こりうるであろう転移系の内容を網羅してます。
勇者召喚、ハーレム勇者、巻き込まれ召喚、俺TUEEEE等々。
ダンジョン活動、ダンジョンマスターまでなんでもあります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる