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絆との再会
ⅩⅠ:聖戦の裏側その1
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それはそれこそ、最初の三者の邂逅を髣髴とさせるものだった。
それにクッタは笑顔で、エリューはニヤケ面で振り返る。
「オルビナさん……」「おうオルビナ……って、お前いまオルビナさんって言ったか?」「あ? そんなの気のせいだろ? ね、オルビナさんっ?」「いやキャルンってしてるけど、今もお前オルビナさんって言ってるからね」
「――――」
「いやオルビナもただただニコニコ笑うだけかよ」
「いや、青春だなと思ってね」
「ていうかオルビナも、口調元に戻ってね?」
「いやいやなにを憚ることがあろう我々三人の仲じゃないか」
そしてドン、とオルビナは馬鹿でかい赤のワインボトルをテーブルに召喚させた。それこそマダスカの召喚獣も顔負けな大きさ、それこそ通常の三倍くらいあるんじゃないか?
オルビナは、それこそエリューが初めて見るような少女のような子悪魔のような、愉しげな様子で微笑を浮かべた。
「さぁ、今日はとことん呑もうじゃないか?」
気づけば、3時間が経過していた。時間の感覚がおかしい。しかしそれを、なぜかおかしいとも気にかかることも無い。これこそが家族や村の連中とも違う、仲間との心許せる何の目的も無い怠惰な過ごし方なのだと頭の片隅で思ったりした。
「……それで、なんの話だったっけ?」
エリューの呟きに、薄らぼんやりとした様子でクッタが答える。
「あぁ、聖剣だろ……?」
「ああ、そうそう……あれって確か、剣神だとかいう人からの借り物なんだよな?」
その一言にビクッ、とクッタは痙攣するように震える。
「あ、あぁ……剣神、リズ師匠……恐ろしい、恐ろしい修行だった……けど、それを乗り越えられたからこそ神技を身に付けられたんだが……それにつけても、恐ろしい修行だった……そんなリズ師匠に、ようやく、ようやくお借りした『碧き聖剣ルミナス』を紛失しただなんて報告するのは、それこそヘルフィアにフルボッコにされた時よりおっそろしかったぜ……」
ガタガタ声まで震えるその様子だけで、その心情は察して余りあるものだった。なんかマダスカとスパンブルグにおける適職を見つけられる秤を目指しての修行の道中を思い出していた――まぁ、その比ではないのだろうが。
「そ、それはまぁ、なんていうかご愁傷様……それで、結局リズ師匠とやらは、その……どうだったんだ?」
聞き方を考えた末、そこに落ち着いた。具体的に特定するのは正直憚れた。
するとその問いかけに、クッタは今目覚めたように顔を上げた。
「ニセモンだった」
一瞬意図が掴めなかった。
「あ……えっ、と? それはリズ師匠がっ……ていうか――」
「ニセモンだったんだよ、オレがお借りしたルミナス。つまりは聖剣が」
意図は掴めたが、意味は伝わらなかった。
「……ど、どういうこと? 碧き聖剣ルミナス……だったよな? それが――」
「あの剣、そもそも銘もなかったらしい。あえていえば単なるスキアヴァーナ。いや剣としての出来栄えはとてもよろしい、名剣スキアヴァーナってとこか?」
一瞬、呆気にとられる。
そして最後の戦いを、思い出す「ただの、って……だって俺、それでヘルフィアの腹を裂いて、雪崩を突破して――」
「それって、勇者としての特性だろ?」
もうとっくにシラフだといわんばかりの口調で、クッタに指摘される。
思い出される回想。
――勇気を、奮い起こす。それを、剣に。既にβを倒した夜、オルビナに勇者の特性は聞いていた。
想いを剣に、乗せる。
それにクッタは笑顔で、エリューはニヤケ面で振り返る。
「オルビナさん……」「おうオルビナ……って、お前いまオルビナさんって言ったか?」「あ? そんなの気のせいだろ? ね、オルビナさんっ?」「いやキャルンってしてるけど、今もお前オルビナさんって言ってるからね」
「――――」
「いやオルビナもただただニコニコ笑うだけかよ」
「いや、青春だなと思ってね」
「ていうかオルビナも、口調元に戻ってね?」
「いやいやなにを憚ることがあろう我々三人の仲じゃないか」
そしてドン、とオルビナは馬鹿でかい赤のワインボトルをテーブルに召喚させた。それこそマダスカの召喚獣も顔負けな大きさ、それこそ通常の三倍くらいあるんじゃないか?
オルビナは、それこそエリューが初めて見るような少女のような子悪魔のような、愉しげな様子で微笑を浮かべた。
「さぁ、今日はとことん呑もうじゃないか?」
気づけば、3時間が経過していた。時間の感覚がおかしい。しかしそれを、なぜかおかしいとも気にかかることも無い。これこそが家族や村の連中とも違う、仲間との心許せる何の目的も無い怠惰な過ごし方なのだと頭の片隅で思ったりした。
「……それで、なんの話だったっけ?」
エリューの呟きに、薄らぼんやりとした様子でクッタが答える。
「あぁ、聖剣だろ……?」
「ああ、そうそう……あれって確か、剣神だとかいう人からの借り物なんだよな?」
その一言にビクッ、とクッタは痙攣するように震える。
「あ、あぁ……剣神、リズ師匠……恐ろしい、恐ろしい修行だった……けど、それを乗り越えられたからこそ神技を身に付けられたんだが……それにつけても、恐ろしい修行だった……そんなリズ師匠に、ようやく、ようやくお借りした『碧き聖剣ルミナス』を紛失しただなんて報告するのは、それこそヘルフィアにフルボッコにされた時よりおっそろしかったぜ……」
ガタガタ声まで震えるその様子だけで、その心情は察して余りあるものだった。なんかマダスカとスパンブルグにおける適職を見つけられる秤を目指しての修行の道中を思い出していた――まぁ、その比ではないのだろうが。
「そ、それはまぁ、なんていうかご愁傷様……それで、結局リズ師匠とやらは、その……どうだったんだ?」
聞き方を考えた末、そこに落ち着いた。具体的に特定するのは正直憚れた。
するとその問いかけに、クッタは今目覚めたように顔を上げた。
「ニセモンだった」
一瞬意図が掴めなかった。
「あ……えっ、と? それはリズ師匠がっ……ていうか――」
「ニセモンだったんだよ、オレがお借りしたルミナス。つまりは聖剣が」
意図は掴めたが、意味は伝わらなかった。
「……ど、どういうこと? 碧き聖剣ルミナス……だったよな? それが――」
「あの剣、そもそも銘もなかったらしい。あえていえば単なるスキアヴァーナ。いや剣としての出来栄えはとてもよろしい、名剣スキアヴァーナってとこか?」
一瞬、呆気にとられる。
そして最後の戦いを、思い出す「ただの、って……だって俺、それでヘルフィアの腹を裂いて、雪崩を突破して――」
「それって、勇者としての特性だろ?」
もうとっくにシラフだといわんばかりの口調で、クッタに指摘される。
思い出される回想。
――勇気を、奮い起こす。それを、剣に。既にβを倒した夜、オルビナに勇者の特性は聞いていた。
想いを剣に、乗せる。
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