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第十五章 明かされた秘密
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「アルベール様!!」
話は、アルベール様のお部屋へ飛んで行った。激しくノックすると、彼は驚いた様子で姿を現した。
「どうしました? そんなに慌てて」
「アルベール様、これをご覧くださいませ」
私は入室するなり、彼に手紙を突き出した。
「『タバインを摂取した男性で、子を成した者はおりません』……!?」
アルベール様が、息を呑む。そして、差出人を確認された。
「デュポン侯爵!? ……もしやあなたは、彼にこのことを聞きに……?」
はい、と私は大きく頷いた。
「実は私の前世では、男性が原因で子が成せないというケースが知られていました。ピエールが妻に宛てた手記を読んだ時、私はその可能性に思い当たったのです。それなら常用者だったバール男爵も、子を作れるわけがありません。ですが、それはあくまで推測。あなたをぬか喜びさせたくなくて、裏付けを取ろうとしていたのです」
「モニク……」
感極まったように、アルベール様が私の名を呼ぶ。そして、左腕でぎゅっと私を抱きしめた。
「あなたは、最高の女性だ……。俺を、苦しみから救ってくださった……」
「私自身は、何も……。前世での知識のおかげですわ」
言いながら、私は思った。ドニ殿下にも一つだけ感謝だ、と。あのむごたらしい殺人現場を目撃したことで、私は記憶を失い、同時に前世の記憶を取り戻した。あの体験が無かったら、私もデュポン侯爵同様、男性不妊という考えなど思いつきもしなかったことだろう。
「こうして、調べてくれたじゃないですか。前から、植物に詳しい人間を探していたのは、このためだったのですね」
もう一度私をきつく抱きしめると、アルベール様は私を促して、ソファに座らせた。向かい合うと、彼は私を見つめて宣言した。
「これで、決心がつきました。王太子の道を選びます」
話は、アルベール様のお部屋へ飛んで行った。激しくノックすると、彼は驚いた様子で姿を現した。
「どうしました? そんなに慌てて」
「アルベール様、これをご覧くださいませ」
私は入室するなり、彼に手紙を突き出した。
「『タバインを摂取した男性で、子を成した者はおりません』……!?」
アルベール様が、息を呑む。そして、差出人を確認された。
「デュポン侯爵!? ……もしやあなたは、彼にこのことを聞きに……?」
はい、と私は大きく頷いた。
「実は私の前世では、男性が原因で子が成せないというケースが知られていました。ピエールが妻に宛てた手記を読んだ時、私はその可能性に思い当たったのです。それなら常用者だったバール男爵も、子を作れるわけがありません。ですが、それはあくまで推測。あなたをぬか喜びさせたくなくて、裏付けを取ろうとしていたのです」
「モニク……」
感極まったように、アルベール様が私の名を呼ぶ。そして、左腕でぎゅっと私を抱きしめた。
「あなたは、最高の女性だ……。俺を、苦しみから救ってくださった……」
「私自身は、何も……。前世での知識のおかげですわ」
言いながら、私は思った。ドニ殿下にも一つだけ感謝だ、と。あのむごたらしい殺人現場を目撃したことで、私は記憶を失い、同時に前世の記憶を取り戻した。あの体験が無かったら、私もデュポン侯爵同様、男性不妊という考えなど思いつきもしなかったことだろう。
「こうして、調べてくれたじゃないですか。前から、植物に詳しい人間を探していたのは、このためだったのですね」
もう一度私をきつく抱きしめると、アルベール様は私を促して、ソファに座らせた。向かい合うと、彼は私を見つめて宣言した。
「これで、決心がつきました。王太子の道を選びます」
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