5 / 214
5話 箱の有用性2
しおりを挟む
俺は今日も丸一日箱を開け続けた。
報酬が良いとモチベーションも上がる。
それに唯一の楽しみだったネットも、怖くて開けてない。だから、時間を有り余っている。
俺は飯は結構食べる方だが、その時間も惜しいので今は一日一食しか食べないことにしている。
普通だったらお腹が空いて我慢できなくなるはずだが、何故か耐えられた。
俺が箱を開け続けていると、遂に頭の中に声が鳴り響いた。
【スキル《解錠LV2》を入手しました】
これは、レベルアップってやつか。
レベルアップしたのは、箱を33個開けた時のことだ。という事は、前回開けた時から、12個開けたということだ。
やはり、まだ1個ずつ増えているとも取れるし、10%づつ増えているとも取れる。
これは実験が必要だな。
《解錠》は1回手に入れてるスキルだが、今回手に入れたのはLV2だ。多分だが、効果が上がってる。
これが終わったらもう寝ようと思っていたが、スキルの効果を確かめたいため、もう一個だけ開けることにした。
箱を開け始めると、あることに気付いた。
箱の一番左の数字が何なのか分かるのだ。今回の数字は「9」のようだ。
俺は試しにそこを9に合わせて箱を開けた。
うん。普通に開いた。
これで作業効率が物凄く良くなるだろう。最初の時から計算すれば、約10倍の速さで開けられるだろう。
「ふわぁぁ。」
物凄く大きな欠伸だ。
今日もかなりの時間作業を続けていたから、疲れてしまった。
今日はもう寝よう。
俺はまた明日、箱を開けることを考え、ワクワクしながら眠りについた。
俺は、日の出と同時に目覚めた。
日の出を見るなんてもう何年もしていない為、俺は少しだけ眺める事にした。
俺が外を眺めていると、少し遠くに物凄く大きなビルのようなものが建っているのが見えた。
あれは俺がもっと幼い時には建っていなかったはずだ。俺が引っ越した所は元の家からそう離れていない場所だ。だから、あんなものが建っていたら分かるはずなんだが…………。
うーん。思い出せない。最近建てられたのだろうか。かなり立派な建物に見える。
「ま、いいや」
特にそのまで興味がある訳でも無いので、軽く朝食を取り、箱を開けることを開始した。
《解錠》がレベルアップしたお陰で、効率が爆上がりしたので、昼まで開けただけなのにもうスキルを獲得した。
【スキル《少食LV1》を入手しました】
俺は社畜にでもなりたいのだろうか。
多分これは少ししか飯を食っていなかったから手に入れたんだな。
一つの考察が確信に変わった。やはりスキルは俺のやった事を入手しているという事だ。
《解錠》は箱の鍵を開け続けたから。《ショートスリープ》は少ししか寝なかったから。そして《少食》は飯を少ししか食べなかったからだ。
ならば、これも出来るのだろうか。
「ふっ、ふっ、ふっ。」
何をしてるのかって? いかがわしい事では無い。腹筋だ。
そっちも興味が無い訳では無いが、ネムちゃんとの件がある為止めておいた。
これで筋肉関係のスキルが着けば、俺の考察はあっていたと本当に言えるだろう。
俺は腹筋しながら箱を開け続けた。かなり休み休みだったが、休んでいる間にも開けていたので効率は変わらなかった。
びっくりしたのは俺が意外と筋肉があった事だ。あんな脂肪の中にこんなにも腹筋が隠れていたなんてな。
ペチンペチン
腹筋を労るためにお腹を叩く。
あれ、俺のお腹ってこんなにへこんでたっけ? お腹を見てみると、そこにあったはずの引きこもりの勲章が無くなっていた。
なんで?
心当たることといえば腹筋をした事くらいだ。だが、それだけであれだけのものが落ちるのか?
俺は鏡を見ようとして立ち上がろうとするが、俺の部屋に鏡がないことに気付きまた腹筋をしながら箱を開けた。
それから何個か開けたところで、また声が聴こえた。
【スキル《筋力LV1》を入手しました】
やっぱりこの箱はやっている事がスキルになるのか。
このスキルは力を上げるスキルなのか、物凄く力が付いたような気がする。
俺は生唾を呑み込んだ。
この箱は本当にやばい。俺はどんなものにもなれるぞ!
俺はテレビに出るようなスポーツ選手の事を思い浮かべる。その人達は圧倒的な身体能力や圧倒的な知力によって、世界の選手と対等に戦っている。
だが、俺のスキルならそんな人達をも越える力が手に入るかもしれない。
どのスキルもLv1から強力なものばかりだ。しかも俺がやった事がスキルになるときた。
俺は実質何でもできる存在となった訳だ。
俺の人生にいい事なんてないと思ってた。お母さんやお父さんが死んだ時から、俺はずっと独りなんだと思ってた。
だけど! この箱があれば俺は!
俺はとびっきり明るい表情で箱を開け始めた。
報酬が良いとモチベーションも上がる。
それに唯一の楽しみだったネットも、怖くて開けてない。だから、時間を有り余っている。
俺は飯は結構食べる方だが、その時間も惜しいので今は一日一食しか食べないことにしている。
普通だったらお腹が空いて我慢できなくなるはずだが、何故か耐えられた。
俺が箱を開け続けていると、遂に頭の中に声が鳴り響いた。
【スキル《解錠LV2》を入手しました】
これは、レベルアップってやつか。
レベルアップしたのは、箱を33個開けた時のことだ。という事は、前回開けた時から、12個開けたということだ。
やはり、まだ1個ずつ増えているとも取れるし、10%づつ増えているとも取れる。
これは実験が必要だな。
《解錠》は1回手に入れてるスキルだが、今回手に入れたのはLV2だ。多分だが、効果が上がってる。
これが終わったらもう寝ようと思っていたが、スキルの効果を確かめたいため、もう一個だけ開けることにした。
箱を開け始めると、あることに気付いた。
箱の一番左の数字が何なのか分かるのだ。今回の数字は「9」のようだ。
俺は試しにそこを9に合わせて箱を開けた。
うん。普通に開いた。
これで作業効率が物凄く良くなるだろう。最初の時から計算すれば、約10倍の速さで開けられるだろう。
「ふわぁぁ。」
物凄く大きな欠伸だ。
今日もかなりの時間作業を続けていたから、疲れてしまった。
今日はもう寝よう。
俺はまた明日、箱を開けることを考え、ワクワクしながら眠りについた。
俺は、日の出と同時に目覚めた。
日の出を見るなんてもう何年もしていない為、俺は少しだけ眺める事にした。
俺が外を眺めていると、少し遠くに物凄く大きなビルのようなものが建っているのが見えた。
あれは俺がもっと幼い時には建っていなかったはずだ。俺が引っ越した所は元の家からそう離れていない場所だ。だから、あんなものが建っていたら分かるはずなんだが…………。
うーん。思い出せない。最近建てられたのだろうか。かなり立派な建物に見える。
「ま、いいや」
特にそのまで興味がある訳でも無いので、軽く朝食を取り、箱を開けることを開始した。
《解錠》がレベルアップしたお陰で、効率が爆上がりしたので、昼まで開けただけなのにもうスキルを獲得した。
【スキル《少食LV1》を入手しました】
俺は社畜にでもなりたいのだろうか。
多分これは少ししか飯を食っていなかったから手に入れたんだな。
一つの考察が確信に変わった。やはりスキルは俺のやった事を入手しているという事だ。
《解錠》は箱の鍵を開け続けたから。《ショートスリープ》は少ししか寝なかったから。そして《少食》は飯を少ししか食べなかったからだ。
ならば、これも出来るのだろうか。
「ふっ、ふっ、ふっ。」
何をしてるのかって? いかがわしい事では無い。腹筋だ。
そっちも興味が無い訳では無いが、ネムちゃんとの件がある為止めておいた。
これで筋肉関係のスキルが着けば、俺の考察はあっていたと本当に言えるだろう。
俺は腹筋しながら箱を開け続けた。かなり休み休みだったが、休んでいる間にも開けていたので効率は変わらなかった。
びっくりしたのは俺が意外と筋肉があった事だ。あんな脂肪の中にこんなにも腹筋が隠れていたなんてな。
ペチンペチン
腹筋を労るためにお腹を叩く。
あれ、俺のお腹ってこんなにへこんでたっけ? お腹を見てみると、そこにあったはずの引きこもりの勲章が無くなっていた。
なんで?
心当たることといえば腹筋をした事くらいだ。だが、それだけであれだけのものが落ちるのか?
俺は鏡を見ようとして立ち上がろうとするが、俺の部屋に鏡がないことに気付きまた腹筋をしながら箱を開けた。
それから何個か開けたところで、また声が聴こえた。
【スキル《筋力LV1》を入手しました】
やっぱりこの箱はやっている事がスキルになるのか。
このスキルは力を上げるスキルなのか、物凄く力が付いたような気がする。
俺は生唾を呑み込んだ。
この箱は本当にやばい。俺はどんなものにもなれるぞ!
俺はテレビに出るようなスポーツ選手の事を思い浮かべる。その人達は圧倒的な身体能力や圧倒的な知力によって、世界の選手と対等に戦っている。
だが、俺のスキルならそんな人達をも越える力が手に入るかもしれない。
どのスキルもLv1から強力なものばかりだ。しかも俺がやった事がスキルになるときた。
俺は実質何でもできる存在となった訳だ。
俺の人生にいい事なんてないと思ってた。お母さんやお父さんが死んだ時から、俺はずっと独りなんだと思ってた。
だけど! この箱があれば俺は!
俺はとびっきり明るい表情で箱を開け始めた。
1
お気に入りに追加
629
あなたにおすすめの小説
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
転生したら赤ん坊だった 奴隷だったお母さんと何とか幸せになっていきます
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
転生したら奴隷の赤ん坊だった
お母さんと離れ離れになりそうだったけど、何とか強くなって帰ってくることができました。
全力でお母さんと幸せを手に入れます
ーーー
カムイイムカです
今製作中の話ではないのですが前に作った話を投稿いたします
少しいいことがありましたので投稿したくなってしまいました^^
最後まで行かないシリーズですのでご了承ください
23話でおしまいになります
美しい姉と痩せこけた妹
サイコちゃん
ファンタジー
若き公爵は虐待を受けた姉妹を引き取ることにした。やがて訪れたのは美しい姉と痩せこけた妹だった。姉が夢中でケーキを食べる中、妹はそれがケーキだと分からない。姉がドレスのプレゼントに喜ぶ中、妹はそれがドレスだと分からない。公爵はあまりに差のある姉妹に疑念を抱いた――
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
異世界転生したらよくわからない騎士の家に生まれたので、とりあえず死なないように気をつけていたら無双してしまった件。
星の国のマジシャン
ファンタジー
引きこもりニート、40歳の俺が、皇帝に騎士として支える分家の貴族に転生。
そして魔法剣術学校の剣術科に通うことなるが、そこには波瀾万丈な物語が生まれる程の過酷な「必須科目」の数々が。
本家VS分家の「決闘」や、卒業と命を懸け必死で戦い抜く「魔物サバイバル」、さらには40年の弱男人生で味わったことのない甘酸っぱい青春群像劇やモテ期も…。
この世界を動かす、最大の敵にご注目ください!
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
【完結】おじいちゃんは元勇者
三園 七詩
ファンタジー
元勇者のおじいさんに拾われた子供の話…
親に捨てられ、周りからも見放され生きる事をあきらめた子供の前に国から追放された元勇者のおじいさんが現れる。
エイトを息子のように可愛がり…いつしか子供は強くなり過ぎてしまっていた…
ズボラ通販生活
ice
ファンタジー
西野桃(にしのもも)35歳の独身、オタクが神様のミスで異世界へ!貪欲に通販スキル、時間停止アイテムボックス容量無限、結界魔法…さらには、お金まで貰う。商人無双や!とか言いつつ、楽に、ゆるーく、商売をしていく。淋しい独身者、旦那という名の奴隷まで?!ズボラなオバサンが異世界に転移して好き勝手生活する!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる