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二章 宝物捜索 編
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しおりを挟む取り敢えず俺は、魔力が多少回復してきて落ち着いてから立ち上がり、片手を前に出し風属性の魔法を出す方法を考えながら、練習してたのだが……
何かが可笑しい……
「 へぇ、んじゃ。遭難したときはそうすりゃいいのか 」
「 嗚呼、主に教えてやるといい 」
『( なんで、ソレイユのサバイバル術を学んでんだよ!! )』
確かに旅をしてたりするなら、水とか食糧に困るかもしれないが今此所でサバイバル術を学ぶもんなのか!?
ソレイユは兵士だし、戦場を生きてきた実践の知恵とか有るだろうけど、俺達は聖獣だし、今の現在魔法とかで水とか出せる奴は出せるし、火起こしなんて魔法じゃないのか
凄く古典的なやり方で実技みたいなのを本気でしてる、二人の暇潰しに理解に苦しむ
『 ちょっ、御二人さん。俺の風魔法が出せない原因とか、教えてくれよ 』
「 ん?あー、気合いで頑張れ、応援してるぜ!ルーナちゃんっ!! 」
『 氷らせてやろうか…… 』
なに親指立ててにかって笑ってんだよ、少年の姿だから尚更、質が悪いぜファル兄さんよ
ジットと睨んだ俺に、隣で木の枝を切り木製のナイフを作っていたソレイユはそれの刃先を触りつつ答えた
「 風属性がまだ馴染んでねぇのかもな 」
『 馴染んでない? 』
なんか、最もらしい事を言った彼に手を降ろし視線と共に向けて傾げれば、木製ナイフを投げ木へと突き刺したソレイユは次を手に持つが、今の間に何本作ってんだよ……
「 元々御前の風属性は、氷魔法の練習をした時に得た属性ではなく、四神の一体、白虎から貰ったものだろ? 」
『 あー、確かに 』
「 へぇ、四神に貰ったのかぁ。彼奴等、手助けするときあるんだな 」
聖獣である白虎のルークから、属性を貰っている
いつ使えば良いのか分からないまま、ズルズルと風属性の魔法を後回しにしてた結果がこれだ
使えなくて困ってたから、根本的に貰ったものだと言うのを忘れていた
珍しい、とばかりに呟くファルの言葉を聞けば、彼は続ける
「 俺は地属性の練習中に、風魔法から、雷属性を習得した。そこから水、火、光の属性(魔法)を持っている 」
『( いや、結構持ってるなら弱点ほぼねぇじゃん…… )』
知らなかったぞ、そんなに属性持ってるなんて
「 そうやって魔法を学ぶにつれ、習得することを連鎖魔法と言って、固定属性問わず使えるものだ 」
次のナイフを投げた彼によって、当たり前のように既に刺さっているナイスのギリギリ横へと刺さった
命中率の良さに感心していれば、ソレイユは他の木製ナイフで地面にシエルが書いてくれたのと同じ、属性相関図を描く
「 俺は土基準に、先に風を学び、暴風を起こして竜巻、そこから電磁波を発生させ雷属性を習得した……。この時計回りの流れな 」
だから前に、先に雨雲を発生させてからじゃないと雷雲を起こせなかった、と聞いたことがある
今は慣れて雷鳴から発動する、落雷が出来るがその手順を踏んでたのかと思うと、先が長くなりそうだ
「 御前は氷が基準となってるから、先に地属性の魔法を学んでから、風へと移った方がやり易いだろ 」
「 へぇ……。俺は無属性だから気にしたことねぇけど。他の属性の奴等って大変なんだな 」
「 一つの属性を極める奴の方が多いが、折角白虎から貰ってんだから、使いこなせた方がいいだろ? 」
『 ごもっとも過ぎて怖っ…… 』
脳筋だったソレイユのあの、なんとか体操みたいな教え方を思い出すと、絵を使って説明してることが恐ろしすぎて怖いな
「 たまには言うさ。自分の属性である有利なのから学べば、三つ習得したときにはその間の属性は弱点がほぼ無くなる。だから俺は、風と雷は得意分野ってわけだ 」
自分で魔法の弱点が回避しながら、魔法の数を増やし学び、特化した部分は元持っている属性では無いものになるのか
ソレイユが雷属性を手に入れて、それが通り名になるほどにまで使いこなせるまでにどれぐらいの歳月と、努力をしたのだろうか
今の俺には想像もつかないな……
『 凄いな……。俺にも出来るだろうか 』
「 出来るに決まってんだろ 」
『 なんでそう、断言できるんだ? 』
此方を向き、口角を上げた彼はドヤ顔を決め込んで自らの胸元へとナイフを向け告げる
「 この雷鳴の巨狼の魔力が混じる御前が、光と雷が使えねぇはずがない。それはつまり、氷を溶かせば使える"水"。
雷を発動させれば使える"火"とかが、使えるってことだ。
御前は、全属性を使いこなせる素質があるってことだ 」
「 あー、なるほど。まっ、無属性以外だけどな! 」
『 俺が……全属性を使える素質があるって…… 』
ファルも知ってたかのように笑った表情を見れば、不安とかではなく単純に、雷を使えることになるってことを知って嬉しくなった
『 そうなのか!!俺、頑張る!!雷使いたい!ゴロゴロガシャーンって!! 』
「「( 純粋で可愛い )」」
尻尾をこれでもかって位に左右に振る俺は、楽しみで仕方ない
だって最強のフェンリルと同じ魔法が使えるようになるなんて、
もっと頑張るしか無いだろ!
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