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二章 宝物捜索 編
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しおりを挟む快楽に負け、人型を保てなくなったファルは獣の姿で横たわり気絶するように眠っていた
俺はその寝ていれば可愛いげのある毛並みを撫でていれば、隣に座るソレイユは告げた
「 コイツとは……同じフェンリルに魔法を教わったんだ 」
『 あぁ、だから弟弟子? 』
「 そう……、でも、いつの間にか召喚するタイミングがずれて会わなくなって……師匠であり父親みたいなフェンリルもまた、帰ってこなくなったからな。今は地獄の番犬なんて渾名がついてるぜ 」
最初に会った時に、ソレイユは他の聖獣が何処にいるのか、帰ってこないことに悲しんでたのを知っている
パパと呼んで欲しがった原因も何かを育てたいと思った気持ちもあるのだろ
というか……聖獣がケルベロスになったってありかよ、ありなんだな!
通り名だしきっと本物の頭が三つありそうなケルベロスではないのだろうけど!
「 大半の奴はあの寝床に帰ってこない……御前だけ、いつも帰ってくれていた 」
『 ……そりゃ俺の寝床はソレイユの横だからな 』
ルイスと別れた後は迎えに来てくれたが、それ以外は確かに帰っていた
あの周辺に召喚されるのも有るが、それでも帰りたくなると思う場所が出来た
腰に腕を巻き引き寄せるように抱く彼に、否定する事もなく受け入れ胸元へと頭を置けば、頭上に頬が当たる
「 ありがとうな……ルーナ。御前が帰ってきてくれて俺は寂しくねぇ…… 」
『 んん……ソレイユは沢山の犬達を育てたんだな。どんな奴がいたんだ? 』
「 印象に残ってるのは、ファルも言った見捨てた奴か……召喚が重ねって、仲間になってたんだよ、俺とファルともう一頭…… 」
ソレイユは静かに思い出すように、過去の事を話し始めた
見捨てた、裏切り者とファルが怒ったように言った原因は俺がよく知る奴だった
「 自分の主を守るために、人の仲間は見捨てた……。そして、一頭黒くて小柄の狼は敵の術者に操られ、両目を潰されたまま自らの主を食い殺した……。その事で、魔物へと墜ちたんだ…… 」
『 両目を潰された……黒い狼?その人、知ってるかもしれない…… 』
「 ん?そうなのか? 」
フッと魔物かは分からなかったけど、両目がない狼なら知ってると頷いた俺は、少し身体を話してから目の前に氷によって、その人物を造り出す
「 こいつ、は……! 」
『 俺と会ったときはネロって呼ばれて魔法使いの下僕になってたけど、優しくて自分の身体を貫かれたのに俺を守ってくれた……。目覚めるときも傍に居てくれたんだ 』
「 そうか、人が好きな奴だからきっと誰かの下僕になってると思ったが……。元気そうならいい 」
魔物へと成り下がっても、心は優しい者は確かにいるってことは分かった
なら、ネロはあの時嬉しそうだったのは同じ聖獣であり狼に出会ったからなのだろうか?
今、会えるならもう一度話したいと思う
『 喉が切られて声が出なかったけど、話したかったな…… 』
「 魔物の時に付いた深い傷は治らねぇからな……。聖獣だったなら、治ってるだろうが 」
『 そっか、ネロは……魔物になってから声が聞こえなくなったのか 』
氷を砕き、跡形も無くしてからソレイユの胸元へと背中を当て凭れれば
彼は俺の膝裏に手を滑り入れ、腰を支えれば太股の上に座らせるよう横抱きにした
『 んー、此方がいい…… 』
「 フッ、好きにしろ 」
横に向くより真正面からがいいと、向き合って座り直し、首筋へと頭を寄せれば彼は背中を抱き締める
小さい大きさは気に入らないが、こうして包まれるように抱き着かれるのは好きだと思う
「 どんな過去を持つ俺でも、好きになってくれてありがとうな 」
『 んん……どんなソレイユも大好きだから 』
「 ……そっか 」
気にしてたのか、俺とファルの会話を……
案外繊細な部分を持ち合わせてるのは俺と同じだと思う
顔を上げ口元へと口付けを落とせば、目線を下げた彼は頬に口付けを返してくれて、そのまま肩口に顔を埋めぎゅっと強く抱き締めてきた
「 んー!ルーナ、愛してる 」
『 くるし、おれもって…… 』
きっと尻尾が出てたら振ってただろうなって位には、嬉しそうに抱き締めるソレイユに俺もまた尻尾を揺らしていた
「 ハァー、すげームラムラする…… 」
『 あんなにヤったのに!? 』
「 だから我慢してる…… 」
髪やら首筋の匂いを嗅ぐ様子に、変だなって思ってたけど絶倫過ぎるだろ!
流石にもう出来ねぇよって驚き含めて言えば、彼は耳元へと口付けを落とし、横髪へと鼻先を当て告げる
「 ハァー、ンー……先っちょだけ…… 」
『 童貞が言いそうな台詞だな……ダメ 』
「 じゃ、繋がってるだけ 」
『 絶対動く』
「 狼が吠えてる…… 」
『 尻に当たるから分かる 』
まだ幼い身体でも、それでもいつでも発情してくれるのは嬉しいとすり寄れば彼の身体はぞわっと震えたのが分かる
背を抱く腕の強さやら、匂いを嗅ぐ感覚が増えれば諦めて溜め息が漏れる
『 分かった……一回だけな 』
「 よしゃっ! 」
なんでそんなに嬉しそうなんだよ!
抱き合ったまま早々に、ズボンをずらし陰茎を取り出したソレイユに合わせ、片手でズボンを下げた俺は自ら後孔へと当て、まだ柔らかい内部へと埋めた
『 はぁッ……んっ…… 』
「 俺の興奮がどれだけ治まらないか、繋げたまま検証してやろうか?多分、萎えを知らない 」
『 逆に萎えを知れ 』
萎えてくれ!たまには萎えて、落ち着いてくれ!!
この後、本気で動かないままのソレイユに俺が堪えきれず動けば彼は楽し気に何度も交尾を仕掛けてきた
やっぱり、狼系男子って絶倫なんだな……
下手に引っ付ついて甘えるのは止めようかな
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