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一章 聖獣への道のり編
02
しおりを挟む流石魔女の集会、歩いただけで時より話し掛けてくる女達
圧倒的に女性の方が多いのはイメージ通りの為に気にならなくなってきた頃に、聞こえた来た此方へと駆け寄る足音に身体は動く
「 氷の……!! 」
『 グルルル…… 』
フリーレンへと背後から手を伸ばした男の手首へと掴めば、自然と発するのは威嚇を含めた声であり
筋肉質の腕へと爪を立てた俺に、高身長の男性は眉を下げ軽く笑った
「 そう警戒すんなって。俺はフリーレンの旧友 」
「 此はシャルル、久しいな。ナイト、彼は問題ない魔法使いだ 」
『 旧友……それはすまなかった 』
見た目はチャラそうだが、青みかかった紫色の髪はアメジストの様に星空みたいに輝き
顔立ちのハッキリとした美形であり、瞳は髪と似た青紫色
『( イケメン、腹立つから警戒しとこう )』
爪痕が残る腕から手を離し、下がる事無く立ってる俺にシャルルと呼ばれた男は白い歯を見せ笑う
「 いいって、使い魔が主を守るなんて良くあるし。なぁ?ネロ、御前も警戒すんなよ 」
『 ネロ? 』
「 ………… 」
シャルルと言った男は軽く振り返れば、其処には腰に差した剣を今にも抜きそうな程に構えていた青年が立っていた
俺がもう少し危害を出していれば容赦なく斬りかかっていただろう
内心、口輪が合ったことに安心した
その、目元に包帯を巻き隠した黒髪の男には同じ毛色の獣の耳があり
……直ぐに分かる
『( 狼だ……獣人?それとも…… )』
彼も俺の気配かそれとも人間界に住み、染み付いた獣の匂いに気付いたのか、密かに鼻先を動かせば
剣から手を降ろし此方へと来た
俺もまた、挨拶をするように近付けば手は肩へと触れ、髪へと鼻先を当ててきた
どうやらこの狼は、目が見えないことに慣れてるらしく体格やら身長を気にせず分かるよう
もう一つ目があるんじゃ無いかって思うほどにベストに髪の位置と口輪に気付いた
「 ほぅ?フリーレンの下僕も狼か? 」
「 聖獣だがの、狼であってるだろう 」
「 聖獣!?へぇーすげっ、召喚できたんだ。そいつは元奴隷だったからどの種族か分かんなくてな、なんせ。喉は掻き切られてるから喋らねーし、ははっ 」
喉?何度も匂いを嗅がれてる事に好きにさせては、ふっと緩みのある喉元へと視線を落とせば黒い首輪がしてあるから見えない
下僕というかペット感覚に見えるなと思っていれば、この狼はどうやら同族がいたのが嬉しかったようで、視線を下げれば尻尾はゆっくりと左右に揺れていた
『( 気に入られた…… )』
狼ってこんな人懐っこいか?と疑問に成るほどに髪やら頬にすり寄って来るのに目は徐々に冷めてくる
「 ははっ!ネロにお気に入りが出来たかー、そいつ滅多に寄っていかねぇのに相当気に入ったんだな! 」
『( やっぱ気に入られてるのか……? )』
良いのか悪いのか分からないが、俺はどうやら犬に好かれやすいようで
自分より十㎝は身長差がありそうな男にすり寄られ、いい気とは思わない
なんせ、俺には恋人がいるのだから
「 狼同士仲良いことは悪くない 」
「 だな。ところでフリーレン、随分と男前になったな。その顔、どうしたんだ? 」
「 あぁ、此はだな……少しヘマをして 」
フードを深く被ってはいるが、そこまで隠してる訳では無いから見ようと思えば見える範囲
顔の火傷を見て眉を寄せたシャルルは、ぽんっと頭に手を乗せた
『( なっ!? )』
「 そっか、なにがあったかは大体噂で聞いてるが生きてて良かった。安心したぜ 」
「 うむ…… 」
『( えっ!ちょっ…… )』
俺は気付いた、シャルルが触れたことでフリーレンが頬を赤くしたことに
旧友って言ってたがそんな関係じゃないのか!?って位の甘いピンク色のムードにペットである俺はイラッとした
「 さて、皆で食いに行こぜ、そこの聖獣も魔女の食い物なんて知らないだろ?中々美味だから、奢ってやるよ 」
「 ナイトは食わないのだが、まぁいいか…… 」
『( 然り気無く肩を抱いたまま歩くんじゃねぇ )』
「 ?? 」
食べ物なんてどうでもいい、だが主を抱くなんて女しか許さねぇと自分を棚に上げて思う俺は密かに拳を握り締めた
「 まずは集会と言えばフルコース!!さぁー好きなの食った食った!俺はヒキガエルの姿焼きの肉詰めとか毒蜘蛛の串刺しとかオススメだけど 」
『( ゲテモノじゃねぇか…… )』
バイキング形式風の料理がテーブルに並ぶ場所へと来たものの、俺には全部をモザイク掛けた方が良いんじゃないかってものばかりで冷めた
「 久々だな、何から食おうかな 」
『 頼むから食わないで……バトラーの料理の方が絶対に美味いから 』
さっさと料理を取りに行った自由気ままなシャルルをよそに、皿を持ち料理を選ぼうとしたフリーレンの肩を掴み必死に止めた
「 何を言う、こう言う場所でしか味わえない料理を食べるのまた、楽しいものだ 」
『( 美味しくはねぇんだな!! )』
ははっ、と半分死んでる様な笑顔を向けたフリーレンは俺を放置し皿を持ち料理を取る
なんの料理か見えない為に、彼は取り敢えず皿へと盛っていくが俺は見ないフリをしたくなる光景だった
「「 さぁ、食べようか 」」
『( 吐きそう…… )』
獣だと言ってもそういった物に慣れてない俺は、持ってきた料理に、既に出ないものが出そうで口元を押さえ顔を背けた
『( そういえば、ネロは何処に…… )』
あの如何にも忠犬って格好をしてたネロの姿がないと見渡せば、肩に触れた感覚と共に振り返るなり
名を呼ぼうとした俺の口へと何かを突っ込んできた
ぬるっ、とした感触とアンモニアが放つ匂いに青ざめた
「 お、ネロの好物。羽毛馬のファルスじゃん 」
『( おぇぇぇえ…… )』
無言のまま胃液共に吐き出し、焦ったネロは何度も背中を擦ってくれた
いや、ペニスだろ。つまりあの牡馬のペニスじゃん!!
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