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一章 聖獣への道のり編
05
しおりを挟む体格差のある雄の攻めなんて経験が有るわけでも無く、幼い身体が受け止めきれる自信が無かった
案の定、その考えと通りに一度突かれた程度で
触れてもないのに二回目の射精をした俺に
残された体力は無く、喘ぐままシーツを掴み
身体は揺さぶられていた
考える余裕すら無い頭は、只迫る熱と快楽に
身が焦げるような感覚を感じる
『 ぁ、っ!ぁ、あぁっ!ンゥ、くっ、はっ、んァ 』
突かれる度に浅く喘ぐ声は自分のものとは思えない
それでも自然と漏れる声を閉じる術はなく
淫らに垂れる唾液は口元から垂れ
俯いたまま身体は前後に揺れる
引き締まった肉体同士がぶつかり、擦られる度に聞こえてくる水音、ブランシュの熱い吐息の吐く声に鼓膜が震え
身体は甘く痺れる
『 クゥン、ンッ!ぁ、あッ、あっ! 』
「 ハァ……っ…… 」
『 ブ、ランッ、くっ、ぁあ!! 』
声を殺すようなブランシュが、一瞬停止した事に気付き
腹下が震える感覚を感じれば中に注がれた熱い物に気付きシーツを掴む手に力が入り
腰は反るも頭を下げたまま動かせない
『 いっ、ぁあっ……!! 』
爪先に力が入り尾を自ら持ち上げてるような感覚なのは、まさに雌犬のよう
けれど身体を抱き締めたままま動くことが無くなったブランシュが何をしてるのかは本能でわかる
だからこそ、全身が震える
止めどなく注がれる熱い欲は
腹の奥へと溜まる
『 だ、めっ……孕んじゃう…… 』
「 っ、聖獣…同士は孕まねぇ…はず…… 」
知らねぇと吐き捨てたブランシュは言葉を返す余裕すら無く聞こえる
たっぷりと溜まった中は彼が長く溜め込んでたもの
熱くて溶けそうな胎内も惚けた脳も全て
考える余裕は消え去る
『 はぁ、むり…… 』
もう少し我慢していようと思ってたのに、手足の力が抜け
シーツへと倒れれば、ブランシュは小さく喘ぎ
俺の頭辺りに胸元を置き、全て体重を掛けない程度にし
繋がったまま動かない
「 はぁ、コウガ……狼には、代わりないようだ…… 」
『 ぁ、あっ、んぅっ…抜けないってこと……? 』
予測は出来た言葉に軽く腰を揺らせば
確かに挿入した時より中で膨張してるのが分かる
「 多分、人間時間で言う一時間ぐらいは抜けねぇ…… 」
『 ぁ、ンゥ……うごける? 』
「 御前が痛くねぇ、範囲なら…… 」
俺が痛くないなら動けるのかと、軽く腰を捻って見れば
密着しキツい内部を異物がグリッと肉壁を擦り付けたような感覚に獣の悲鳴を上げ身体は動くのを止めた
「 っ、コウガ…スマン…。獣としての交尾、初めてだった…… 」
要領がわからないと素直に言ったブランシュは悲鳴を上げた俺に気遣って
頬やら目元を舐めてくる
その辺りは獣っぽいと内心笑えて、痛みに堪えて横を向けば、彼も気付きそっと横たわった
互いに向き合えば、ブランシュの片腕は俺の頭の下に置き 反対の腕はそっと頭を撫でてきた
性欲に負け、激しく動いていた奴とは思えない程に優しく壊れ物を扱うような手付に
心地好く思え、狡いと内心呟く
俺の視線の先にあるのは、彼の濡れた胸板で
少し顔を上げてから汗を舐めるように舌先で厚みのある胸板を舐めていけば
ピクリと動いたブランシュは密かに笑った
「 俺も、舐めたい…… 」
『 ふっ、今は俺の番…… 』
やっぱり舐めるの好きだなと鼻で笑ってから舐めていれば
ブランシュは背を曲げ俺の頭へと鼻先を当て、髪へと口付けを落とす
「 気持ちいい、コウガ…… 」
舐められることが?そう思い
口付けられた時を思い出し、舌先でペロペロと舐めていけば彼の身体は密かに震えた
「 ふっ、いや、それはくすぐったい 」
『( 舐めることは獣として慣れてるのか…… )』
ちょっと詰まらんと思い、舐めるのを止め
擦り着いて頭を胸元に当てていれば
抱き締めるブランシュも落ち着きを持ち
御互いに少し休憩する
どのぐらい休憩したかは分からないが
ゆるりと動いた彼は、そのまま内部から引き抜いた
「 コウガ、ゆっくり休め…。ありがとうな 」
頬へと口付けを落としたブランシュの声を聞き
安堵した俺は疲れと共に眠りに付き
身体はまた幼い子犬へと戻っていた
「( いい大人の雄が子犬を襲ったことにすげぇ、罪悪感を感じる…… )」
そう、ブランシュが思ってたことは俺は知るわけもない
目を覚まし、起きた時にはまたいつものように
身体に当たる重さに気付いた
けれど今日は頭全部が乗っかってる訳ではなく
ちょっと腹辺りに片手が置かれてるだけ
逃げるのは簡単で、身を捻ったり動かしていればブランシュは金色の目を開いた
「 ……起きたのか? 」
『 っ……! 』
俺は子犬、そして相手は小さくなってるにしろフェンリルの姿なのに
何故、こんなにも胸が締め付けるのだろう
一度ヤられた程度の相手なのに、そう思い込もうとしてもこの甘さには勝てない
「 おはよう、コウガ…… 」
『 お、はよ……っ~~!! 』
イケメン狼め!!
恋愛経験浅い奴にはヤった程度で惚れるだろ!
御前はどうか知らんが!と恥ずかしさを誤魔化すために
擦りつけてきた顔へと小さな牙で抵抗した
「 いっ!!!? 」
ガバッと起き上がったブランシュ
そして鼻先へと噛み付いたまま離そうとしない俺は
子犬らしい唸り声を上げて耳を下げて睨んでいた
「 御前は、咬み癖を直す躾からしなきゃいけねぇようだな? 」
『 ヴゥゥ……( 知るかボケ )』
「 っ、咬み返してやろうか! 」
『 キャンッ!! 』
俺はこのフェンリルと上手くやっていけるのだろうか
今から不安だ
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