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一章 聖獣への道のり編
04
しおりを挟む俺の人型が解けないよう
口付けを交わす度に僅かに流れ込む魔力に嫌気がする
止めて消えて獣にでも戻れば終わるだろうに
一向に、ブランシュは口付けは止めない
強く握られた両手の骨が軋む程に痛み
肩すら吊ったような感覚があるのに
彼の舌先は俺の舌を丁寧に舐め擦り合わせ
歯並びをなぞり、唾液を流し込んでくる
飲みきれる訳もなく、口先から垂れるまま
何度も舌を弄ばれ
呼吸すら上手く出来ずに頭は酸欠になり
フワフワと真っ白になっていく
俺もまた雄、気持ちいい事には本能的に好きなのだろう
雄相手に、と嫌がるのは脳だけで身体は更に強いものを求めてる気がする
『 ンッ…( 童貞なのに、それも…… )』
結婚する相手しかヤらない、そう決めて童貞を貫いて来たのに
こんな奴にヤられるのかそれも雄、そんな事をふっと思っていれば
ブランシュの欲に溺れた瞳と視線が重なり
背筋は震える
『( 美形って狡い…… )』
格好いいから許してしまう
まるで女が、ヤられるならいっそのことイケメンなら許せる
なんて言うような事と良く似てる
ブランシュならいいと、頭の中で人間としての無経験の事等は忘れ去っていく
「 ン……ハァー、かわいい…… 」
敢えて耳へと顔を寄せ、低く囁く度に震えてしまう
獣の耳へと舌が辺り甘咬みされれば吐息は漏れ
腰は緩く捻る
『 んぅ、ぁ、っ…… 』
俺はこんな声が出せるのか、そう思うぐらいに
裏声に気持ち悪さも覚えるが声を気にする余裕などない
『 っ、くぅ、ンっ…… 』
ブランシュの指が腰から陰茎に触れ
長い指が絡み付き、ゆるりと上下に動かせば
腰は反り悩ましげに声漏れる
触り方を思い出したのか知らないが、手探りに見えた片手は器用に俺の陰茎を勃起さえ
擦り上げていく
『 ぁ、あっ!ぁ、くっ、んぅ、ンッ…… 』
芯から熱くなる身体に、汗は滲み
声を漏らしていれば、耳やら首筋へと舐めていたブランシュの顔は鼻先を頬へと擦りつけてきた後に、合図をするよう目線が合う
『( 質が悪い…… )』
態と俺からキスをさせるように仕向けるブランシュに、理性は負け顔を自らずらし
その唇へと浅く口付けを落とせば彼は鼻で笑い深く返してくる
『 ンッ、んぅ、ン…… 』
抵抗力を失った身体に力が入るわけもなく
拘束していた手を離したブランシュは、腕に触れ
誘うように首へと招く
力無く、そのまま首筋へと触れ
汗で張り付く襟足へと腕を回せば、彼の身体は密着するように胸板同士が触れる
『 ぁ、っ! 』
深い口付けに気を取られてる間に
自然と込み上げていた性欲に気付いた時には
頭は考える余裕が無くなった
『 っ~!! 』
口付けられ、舌が絡んだまま
腰を反らし白濁を吐き出し達した俺に、彼は手の平で先端を軽く撫でては舌先を程く
『 はぁ、はぁ…… 』
達した感覚に小刻みに震え、其でも陰茎を撫でたり擦るブランシュに翻弄されていれば
彼は頬へと口付けを落とし告げる
「 もっと、泣かせていいか? 」
『 っ…ヘンタイ、かよ…… 』
「 ふっ、そりゃ……雄だからなぁ 」
どんな趣向してるんだと軽く睨んだのも無意味で
彼は身体を離し、俺の肩を掴めば簡単に俯せへと変えた
ベッドのシーツが頬に当たる感覚に落ち着きすらあるものの、腹へと回された腕と持ち上がった尻に気付く
『 ブランシュ、待ってくれ!!俺は、雄だし……経験なんて……っ!! 』
慣らしだとか色々必要だろうに、頭の中でマニュアルだけはしっかりとある俺は
無理だと思うも後孔へと押し付けられた雄の陰茎の硬さに身体は強張る
「 触れてもないのに、ドロドロに垂れてるのに面白いことを言う…… 」
『 な、ちがっ……くっ! 』
「 コウガ、力を抜いとけよ…… 」
そんなの放った白濁が垂れただけだろ
絶対に違うと身体に力をいれるも、耳へと咬まれた痛みと押し当てられた陰茎が埋まる感覚に目は見開きぎゅっと閉じた
『 っ~~~!! 』
童貞卒業する前に処女を先に失った
そんな事はどうでも良くなるほどに
埋まる異物の感覚と開く孔に息は詰まる
排泄物を出すことの無い肉体なのにちゃっかり備わってるの理由が分からない
それにきっと、俺が人間の時に持ってたあれと違う気もする
痛みなど一瞬で、それより熱くてぬるっとした感触に息は漏れ涙は溢れる
『 はぁっ……( ヤバい…。気持ちいい…… )』
雄の陰茎が埋まり、内部を締め付ければ
耳元でブランシュが息を吐くのが分かり
彼は深く埋めたまま動くのを止む、俺の身体へと腕を回し首筋へと顔を埋める
『 んっ、っ……ブランシュ、体格差有るから、きついだろ…… 』
なに犯した相手を気遣ってんだと自分でツッコミたくなるが
実際に、体格差があることは知ってる
この体勢はキツいんじゃ無いかと問えば彼は答えた
「 ふっ、それでも体重はかけたくねぇな… 」
『 っ、ならどうしたらいい……? 』
汗を滲ませるブランシュは俺の髪へと鼻先を当ててから
身体を動かした、俺自身の腕の力だけで身体を支えるようにするようにすれば
彼は被り片手を俺の肩を掴む
「 そのまま、俺の攻めに、たえてくれ…… 」
『 っ……( これ、獣の交尾みてぇ…… )』
みたい、じゃなくてきっとそうなんだろう
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