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十話 最終章

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朝日が昇る頃には海軍船姿は見えなかった
夜通し傷の手当てと失った仲間を海へと流せばクルーは食堂に集まり其々に暗い表情を浮かべていた
其処には非戦闘員の者達の姿もありオルガやルーヴルの姿もある

「 これからどうすんだよ....きっとキャプテンは殺される... 」

「 んなこと、言うなよ 」

口を開いたクルーに直ぐに泣きそうなクルーは声を挟んだ 
戦闘員の心も身体もボロボロなのだ

「 あの中将みただろ!?キャプテンと同じ顔をしていた...そんなのどう考えて身内だろ。兄弟で殺し合うなんて....可笑しいだろ....! 」

「「 っ...... 」」

自分達のクルーにもヴォルフとカーネの双子が居るために彼等が喧嘩して殺し合うなんて考えただけで辛くなる

「 キャプテンは....知ってて行ったんだろな....じゃないと、先行で行かないと思うし.... 」

「 また、一人で....抱えたんだよ.... 」

また、と言うことは前にもあったのだろうかとウィンドは目線を上げれば確かにと覚えてるクルーはゆっくりと話していく

「 元キャプテン・スカージが海軍に囚われた時も....その時のクルーは諦めてたのに... 」

「 キャプテンだけは、敵の中に突っ込んだんだっけ......それも一人で.... 」

「 ノンノン、その時に僕もいたよ 」 

クルーの言葉にルーヴルは口を開けば彼等は非戦闘の筈の彼に首を傾げる 

「 俺はもう戦えない身体だけど、キャプテンと共に当時の賛成派の数人は助けに向かった。まぁ、オウガを助けるだけでボロボロだし助けに向かった数人も亡くなったんだけどね 」

「 ....何が言いたいんだよ。自分だけ生き残った自慢かよ 」

「 ノンノン、違うよ 」

首を振るルーヴルは周りのクルーを見渡した後に告げる

「 海軍は一定の距離が離れるで動くなといったなら、もう動いていいんじゃないか? 」 

「「 は?? 」」

「 あ~なるほどねぇ~ 」

傾げるクルーにティタンは飲み物を呑みながら一つ頷けば彼等はティタンへと目線を向ける 

「 君達は本当、筋肉馬鹿だよねぇ~。要するに、助けに来たければ来いってことじゃない? 」

「「 !! 」」

「 可笑しいと思ったんだ。キャプテンを殺すならあの場所で殺してた筈だ、なのに生かしてたぜ! 」
 
ジャックの言葉にクルーは顔を上げ其々に顔を合わせる
あの時に" キャプテン・デリットを殺せ!!! "と言っていた筈なのに捕らえて殺しはしなかったとウィンドもまた顎に手を置き頷く

『 確かに俺達を追っていた筈の二隻目がもう来てもいい筈だ。まるで休戦するように.... 』

「 じゃ、なんだよ。キャプテンの為にあの人数相手に戦えってことか? 」

「 だ~か~ら~、違うって 」

ティタンの言葉に理解できないクルーは眉を寄せれば彼はにこりと笑った

「 これはきっと中将の我儘で大事になってるだけの、家族会議だね 」

「「 家族会議!!!? 」」

『 強ち間違いでもないと思う.... 』

ウィンドもまた心当たりがあることに頷く

『 キャプテンが事前に、弟と接触して来るだけ、死にはしないと言ってたからな 』

「 は?じゃ、死んだ仲間なんのために犠牲になったんだよ 」

「 でも向こうは200以上は殺されてるよ? 」

「「  うそだろ...... 」」 

そんな家族会議が有るのかと肩を落とすクルーにティタンはキャプテンらしいと笑いジャックもまた軽く笑った

「 俺は船を任されたんだ。修理するかぁ、三日かは掛かりそうだぜ 」

「 俺は皆の胃を任されてるからねぇ~ 」

『 俺は航海士としての仕事か.... 』

其々に役目を与えたまま各クルーに指示を出していた事を思い出した戦闘員達は仕方無いかと立ち上がる

「( ....ウィンドを守る...監視? )」

スクードはキャプテンが居なくなったにも関わらず普段と変わらない態度をしているウィンドに気付いた彼はあの時に言われた言葉の意味を理解した

「 しゃー!港で修理した後に迎えに行くぜ!! 」

「 まずは甲板の掃除だな!! 」

「 よしっ、俺は物資を確認する 」

其々に役目を言い合い告げるのを見ればそっとウィンドはその場を離れた 

「( 監視.....する。)」

「( うん、しっかり見てて )」

スクードはティタンに目で合図すれば彼はその場を離れ追い掛ける
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