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プロローグ

03

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海風がアネモネの花弁を風と共に拐うと共にキースは言葉を閉じた 

「 がははっ!この餓鬼が王子ってか?いい人質が出来たじゃねぇか 」

「 んんっ!! 」

大きな男の手で口を塞がれたルイは助けを求めるように首を振り必死の抵抗をするも男は持っていた剣を首へと向ける 
それはキースが動こうとしたからだ

「 動くんじゃねぇ、野郎共。そのいらねぇ使用人は縛り上げろ 」

「「 アイアイキャプテン! 」」

男から香る海の匂いと血の様な鉄の匂いにキースは眉を寄せ奥歯を噛み締める
自分が王子と呼ばなければ気付かれなかったかも知れないと

『 ぐっ....王子から、手を離せ.....薄汚い、海賊共 』

「 それは出来ねぇな。この父親には仲間が殺されてんだ。野郎共、ありったけの財宝を奪ってこい!!! 」

「 腕がなるぜぇ!! 」

キースは縛られた後にその場に倒されれば折れるアネモネの花を見た後に海賊の頭を見上げる   
ヒラリと舞うルイに渡すはずだった上着は何処かに悲しげに飛び去る

腕に抱くルイを掴む腕には死神の鎌があり胸元にはその本体もある
その刺青を見ればなんの海賊だと分かる

スカージ海賊団 天罰と名乗る海賊達はその名の通り、自分達が行われた事を仕返しする謂わば復讐者の集まり

海賊の様に財宝を奪うだけでは飽きたらず人を殺すことで復讐してると思い込んでる連中だ

そんな奴にルイが捕まればどうなるかキースには予測が出来る

『 王子には、手を出さないでくれ.....変わりに俺が人質になる 』

「 はっ!御前ごとき使用人に興味はねぇ!海に落としてしまえ 」 

「 !! 」

「「 アイアイキャプテン!! 」」

『 王子....必ず、助けに行きます 』

繋がれたままキースは海賊に引き摺られるままに断崖絶壁の上から突き落とされた
遥か下には波の高い海が待ち構えている

「 っ!!! 」

必死に手を伸ばそうとするルイは涙を流しもがき落ちていく彼を助けようと

けれど海賊の頭はゲラゲラと高笑いをし別荘からは火が上がる

遠くで悲鳴が聞こえ、普段より激しく波打つ海の音に
もう少しで嵐が来ることは生まれてから地中海側に住んでいれば分かる 


「 頭、がっぽり有りましたぜ 」
   
「 野郎共!!出航だ!!! 」

約束したばかりのキースの姿が無くなり心に穴が開いたルイは泣きながら気を失った  
男が自然と締め付けた腕によって意識が無くなったのだ....
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