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七話 教えたくない事もある
しおりを挟む此処に来て一ヶ月が経過した
初日は嫌で仕方無かったけど、順番は可笑しいけど恋愛をしよって話で纏まって
ピルは飲まずに様子を見ることになった
そして…ほんの少し前に此処に来て二度目の生理を終えていた
生理用品を頼んだら直ぐに蓮さんが何故か買ってきてくれたのだが、隆一は妊娠確率は当てにならないと、残念そうで安心したよう言葉を告げた
そして、妊活をどうするかって事で向き合っていた
本日、彼は休みの日
生理も終わって身体的には問題ないけど、私の心は決まってないしふてく気味だ
把握してるのが気持ち悪すぎる位、今日が排卵日辺りらしいのだが、どうでもいい…
まだ相手の事をよく知らない、一ヶ月ほど一緒にいて分かったのは、口は悪いけど世話焼きってこと
そして毎日、誰からか送られてくるレシピを頼りにバランスのいい料理を作ってくれたり
掃除や家事もする人……性格以外はパーフェクトだと思うけど、膨らんだ頬のまま可愛げもない顔を向ける
「 一ヶ月近く御無沙汰なんだ……抱きたい 」
『 やだ…… 』
あれから、行為をするのが怖くて仕方無い
強引にでもやりそうな隆一だけど、案外手は出してこなかった
その代わりフェラとか手コキは何度か御風呂の時にしてるけど、挿入までは無い
「 ……避妊具は買ってきてる。それでもダメか? 」
御互いにベッドの上で座りポケットから取り出したのは黒色のコンドームの箱で、そっと向けられた箱を持てばまだ未開封だ
「 ルイ…。嫌か? 」
妊活しないのは嬉しいけど此処まで臆病な人だっけ?
軽く笑って抱いてそうな人なのに、今はちゃんと待ってくれるみたい
私の心が決まるまで静かな沈黙が続く
『 ……ゴムを着けるならいいよ 』
「 ふっ……そうか 」
嬉しそうに笑う表情が、少しだけ可愛いと思える位にはこの顔に見慣れてきた
一旦、ゴムの箱を横に置き自分から抱き着けば彼は受け止め早々に口付けを交わす
『 んっ……ンッ…… 』
「 ン…… 」
一つ屋根の下、一緒に生活してたら新密度は早く近付くと思う
キスされるのが抵抗無くなり、御互いの服を脱がし合い、淫らに全裸へとなれば彼は腰に触れ尻を揉めば胸へと舌を当て乳首へと舐めてくる
『 ぁ、あっ……ん…… 』
頭を抱き舐められる感覚に甘い声は漏れ、腰を震わせば揉んでた尻から手を離し、割れ目へと触れ指を埋める
「 キスだけでトロトロ……。本当、感じやすいよな… 」
『 はぁ……だって、キスは、気持ちいいから…… 』
「 ん、俺もだ…… 」
胸から顔を上げ、唇を重ねれば膝で立ったままの私の中へと触れた指は抜き差しを繰り返し、時より動く感覚に身体に甘い痺れが走る
『 んぅ、ぁ……あっ、ん…… 』
止まることの知らない、トロットロに溢れる蜜に指が動く度に響く水音に恥じらいが生まれ
唾液を垂らせば彼は喉を鳴らし飲み込み、深く口付けをしてくる
『 ンッ……はぁ、ん…… 』
腰が揺れ、快楽が迫る感覚に逃れたくて動けば一旦引き抜いた彼は身体をベッドに押し倒し
脚を開かせれば、身体を下げる
『 ぁ、りゅう……んぅ……んっ! 』
「 ん……クンニ好きだろ? 」
『 あぁ、すきっ…… 』
「 ふっ……知ってる…… 」
股に当たるくすぐったい髪の毛の感覚より、舐められる方に興奮を覚え、腰は震えねっとりと中に入る舌先を締め付け
小振りなクリへと移動することなく、唇は周りを焦らすように大陰唇や小陰唇などを吸ったり舐めたりしては、クリの周辺から、軽く愛撫してくる
『 んっ……ンッ……ぁ、ん…… 』
焦らしは次第に、クリへと移動し舌先を濡らしたまま丁寧に舐められ、時より卑劣な水音が響き興奮を覚える
『 ンァ、ぁ、っ、んぅ……ぁ、ん 』
唾液と愛蜜で濡れれば、指は二本は入り手前側を刺激する
『 あぁっ!あっ、んっ!んぅ、あっ…! 』
敏感なクリに与えられる愛撫に声は漏れ、頭を膝で挟んだり脚を伸ばして動けば両手はシーツを掴み、腰は反り上げる
『 いっ、あっ!いっくぅ、もう、ああぁっ!! 』
引き抜かれた指と共に果てた身体は、大きく震え 頭は真っ白になり、一気に汗は吹き上げ意識は飛んだように身体だけは何度も反応する
『 はぁ、っ…… 』
痙攣したように動く身体は彼が軽く撫でるだけで快楽として拾い、瞳が虚ろになっていれば指は深く入る
「 ほら…数回、果てさせてやる……ん…… 」
『 らめっ、今は……っ!くぅっ、ンンッ! 』
二本の指が動き、クリを舐められ吸われればヒラへと唇は触れ、気持ち良すぎて考えられないと、与えられる快楽に飲まれて甘い声を上げる
『 りょ、う、ぁ、あっ、んぅ、むりっ、ンッ! 』
浅く達した身体と共に、やめることの無い刺激で理性の糸はほどけ、熱くて一人だけ汗かいて何度も達する身体は物足りなさを感じ始める
『 はぁ、りょうちゃん……んぅ…… 』
「 ん……なに、ルイ 」
隆ちゃん、と呼ぶのは興奮しきった時だけで思考が付いていかなくなってるとき
そんな時に呼べば、彼もまた甘さを含む声で名を呼ぶ
『 りょうちゃんの……おおきいの、ほしいっ…… 』
「 大きい?それってなんだ? 」
『 んん…… 』
身体を起こし、頬に触れ顎へと指を滑らせ視線を重ねる彼は、腰を揺らしそのまま亀頭を蜜が垂れる孔へと押し当ててきた
態と言わせようとするのは質が悪いけど、我慢が出来るわけがない
『 ンッ……ちん、ぽ…ほしいっ…… 』
「 嗚呼…やるよ。御前の好きなチンポ…。ほら、いれるぞ…… 」
『 あぁっ、ンッ……はいってくるぅ、あっ! 』
結局ゴム着けてない、と思う余裕すらなくて指ではない熱くて太い陰茎が肉壁へと入り
締め付ければ彼は口角上げ、額へと口付けを当て腰を揺らし始めた
「 はぁ…そんな、嬉しい?すげー…締め付けてくる…… 」
『 ん、うん……ぁ!あっ…… 』
「 ふっ、可愛い…。そんな、強くされたら…簡単にイきそうになる…… 」
腹下を満たす程の肉棒は擦る度に膨張して、硬さを持っていく
きつく締め付け欲しがる本能に、答えるように彼の打ち付ける速度は上がり、シーツを掴んだ手を離させ互いの指を絡めれば強く握る
『 ぁ、あっ、りゅうちゃん……すきっ、あっ! 』
「 ん……俺も…好きだ 」
『 アッ、んんっ……りゅう、ちゃん……はぁ、はっ、ぁあっ 』
目線を合えば銀色の瞳を向けられ、どちらともなく唇を重ね、舌先を絡めれば彼の身体は熱くなり腰は激しさを増し、眉を寄せきつく中を締め上げる
『 ンンッ!! 』
「 っ……くっ…… 」
悩ましげな声を漏らし、中へと吐き出した精子の量は多いと思うほど感じることが出来る
目を見開き吐き出した精子にやらかした、と思ったらしく、抜こうとして動いた
反射的に抜かれたくなくて、腰へと脚を巻き付け、引き込めば彼は深く埋め、肩口へと顔を寄せる
「 ……種付けしてる感覚ある…いいのか? 」
『 はぁ……ぁ……わかんない…… 』
「 分からない事はないだろ?奥に入っていくぞ…… 」
腰を浮かせ下半身がベッドから外れるほど、恥ずかしい体勢になり、それでも陰茎を回したり軽く揺らす彼は笑みを向け、私の額の汗を拭き頬に触れる
「 ……そろそろ、俺のこと…好きになったか? 」
『 ん……監禁…するから、やだ…… 』
頭がゆっくり回転し初めて、汗で濡れた首元の髪を横へと動かせば、意識させるように一度亀頭でぐっと突かれる
『 っ!ぁ……っ…… 』
「 隆ちゃん…好きって言えよ 」
『 ぁ、もう…忘れて…… 』
「 無理だな 」
脇へと両手を滑らせ身体の下に腕を回し、抱き締める彼は額を擦り合わせクツクツと笑っては首筋へと口付けを落とす
「 俺は、ルイが好きだよ……愛してる。……結婚しよ 」
『 してる……ぁ、うごいた、やっ…… 』
「 結婚式を挙げよってことだ 」
しないと思ってた……だからこそ、少しだけ嬉しいのも事実
髪に触れて抱き締めれば彼は優しく、そしてとても申し訳なさそうに囁く
「 直ぐには無理だが…ちょっとややこしくてな…。御前に妊娠発覚してからじゃないと…結婚できない……。そういう立場で、悪い…… 」
どんな人か分からないし、名前以外は特に……
トマトが好きとか、O型の牡牛座って事ぐらいしか
それでも、私でいいのだろうか……
『 ん……… 』
答えはイエス…けれど、妊娠してからじゃない理由が馬鹿な私には分からない
濃いくて優しいセックスを終えた"八週間後"に、
それまで普通だけど、ちょっとした違和感は感じ始めた
胸焼けが増えて酸っぱいものが食べたくなったり、もう一つは月一回訪れるはずのアレだ……
「 デザートになにか食べたいものはあるか? 」
『 ……欲しくない 』
「 どうした?調子悪いのか? 」
『 だって……なんか……っ……! 』
生理が遅れてることを言えなかった
今食べた昼御飯が、出そうな感覚を堪えて必死に表情を崩さないようにしてたのに
無理だと分かり、口元に手を当てキッチンのシンクへと吐き出した
『 おえっ……っ、ごほっ…… 』
「 ルイ!?病気か!?今、蓮に連絡する 」
背中を擦りながらスマホで連絡する彼に、何度か嘔吐つき気持ち悪さに水を流して吐けば、隣では電話が繋がったらしい
「 蓮!車を回してくれ、ルイが吐いて……は?おめでとう?なにがって……へ? 」
『 おえっ……ごほっ…… 』
この人は、思ってる以上に子供を作る大変さを知らなかった様子
私と視線が合えば、問い掛けてきた
「 ……生理…まだ来てなかったのか? 」
『 っ…言いたくなかった………! 』
欲しくないと思ってたのに、こんなにすぐにデキるなんて……
それも予想外にキツいと、口元を拭いて思えば、隆一の表情は明るくなり、私の身体を抱き上げてきた
「 おめでとう、ルイ!!病院行ってみるぞ! 」
『 強制だよね…… 』
「 そりゃな!! 」
こんなにも喜んでくれるのか、色々世話かけて私は引きこもりニートなのに…
ちょっと複雑だし、彼にとって体調は他人事だろうから恨みそうだ
久しぶり外着へと服を着れば、殆ど着せてもらった……
薄手のパーカーにジーパン程度、外は四月らしいからそんなもんか
久々に外に出た感覚は、新鮮な感覚はあるけど…
それより不安だと思い隆一の腕を抱き締めていれば、彼は手を握り締めた
「 車、来たぞ 」
エチケット袋を片手に待ち、車が来れば二人で後ろの席へと座る
「 お久し振りです、ルイさん。おめでたらしいですね? 」
『 ……認めたくない 』
「 そう言わず、五十嵐グループの関係者がいる病院にお連れします 」
何で敢えて彼等の場所なんだろう
そう思うけど、繋いだ手を強く握り締める隆一の温もりに肩へと頭を乗せ少し眠った
「 …貴方の子と言う証拠の為に監禁するなんて…やり方がえげつないですね 」
「 当たり前だ…クソジジイ達にはなにも言わせん 」
私は嫌がらせように監禁されてたと思っていた
でも違ったんだ……
彼の立場があるからこそ、必要な行動だったんだなんて…分かるわけ無いじゃん…
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