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熱い身体が冷たくて、酷い頭痛も無いのに
瞼は重く閉じていた
それでも顔にかかる生温さに眉は寄る

「 シルキー、やめっ.... 」

『 起きた?輝夜、止めてやりな 』

「 ワフッ.... 」

頬に当たっていた感触は無くなり、変わりにシルキーの声が聞こえて真っ暗な世界の中で、手を伸ばせば掴まれた

『 しょーた....馬鹿だよな 』

「 っ....シルキー.... 」

ずっと聞いてなかったような声、でもほんの少ししか離れてなかったのに
離れてたようなそんな感覚がするほど嬉しく思う

瞼を覆い隠す重いものを片手で外せば、少し水が落ちてくる感覚にゆっくりと目を開けばシルキーの顔が近くにあった

「 っ....!? 」

『 やっと起きた?しょーた、インターホンの前で倒れてから結構寝てたよ 』

いや、それよりどういう状況これ
なんでシルキーが目の前にいるの
てか、凄く柔らかい枕だと濡れた布を落としてから触れればふにふにとしてるし

......太股!!?

「 なっ....なん、で、膝枕してんの.... 」

『 何となく?頭持ち上げるの重かった 』

膝枕されてると言うか目線動かせば、シルキー白と赤のブラ着けてるし何事!?と驚いてグルグル廻る思考を考えていれば足音は聞こえてきた

「 起きたか?流石に、ホワイトクリスマスの日に家の前で死人が出るのは御免だからな。助けてやった 」

「 クリスマス....はっ!!っ.... 」

ガバッと起きたがってからぐらっと感じる頭の感覚に、眉を寄せて頭を押さえれば座っていたシルキーは父親の元へと行った

『 ホワイトクリスマス!お母さんの誕生日っ! 』

「 あぁ、サンタではない死にかけのストーカーも来たけどな 」  

『 サンタさん来るかな? 』

「 良い子で寝たら来るだろ 」

ホワイトクリスマス?えっ、シルキーが学校に来なくなったのは12月始まって直ぐなのに、それからもう時間が経ったの?

俺、どんだけ日付感覚狂ってんだろって思っていれば有ることを思い出す

「 あ、シルキーに謝りたくて.... 」

「 辛気くさい話は後だ。今はリリーの誕生日、盛大なクリスマスだ 」

『 そうそう!お母さんの誕生日っ 』

「 ...... 」

シルキーの母親はもうこの世にいない
それでも、すぐそこに居るように楽しんでる様子に俺はソファーを座り直して見ていた

拾った時より大きくなった輝夜の頭にもサンタの帽子がついて、シルキーは女の子物のサンタの格好をしていた

『 メリークリスマス!お母さん! 』

「 あぁ....ハッピーバースデー、リリー 」

俺も両親が居ればこんな感じなのだろ
仲良くないし帰ってこなくて、子供の事を放置してる両親なんて忘れたい
 
でも、忘れられないのはシルキー達を見てるから....

羨ましいと思う

『 ほら、特別にしょーたも座りなよ。お父さんの手作り! 』

「 仕方ねぇな。食え  」

「 ....ありがたく、いただきます 」

俺はシルキーとこう言う家庭を持ちたいと願う
それは叶わない事なのだろうかと思う

でも、今はそんな事を後回しにして楽しんで食べよう

『「 いただきます! 」』

『 ローストチキン美味しいよ、食べて食べて! 』

「 ん、おいしい.... 」

「 シルキー、コイツは風邪でぶっ倒れてたんだぞ。食わせるのは.... 」

「 めっちゃうまい 」

『 しょーた、沢山食べて元気になるといいよー 』

「 うん、ありがとう 」

「( 熱有るのに食うタイプか )」 

美味しいチキンを食べて、他にも彼女が好きな料理を沢山作ってるのを食べていく
ピザ、ラザニア、ハンバーグ、どれも美味しくてシルキーと昼御飯食べなくて落ち込んで食欲なった俺にはついついパクパクしてしまうものばかり

『 パスタあるよー 』

「 食べる、ありがとう 」 

『 うん!食べてな!! 』

「( コイツ、本当に病人か? )」

黙々とシルキーに進められるまま口にしていく
美味しくて、涙が出そうな程に楽しいのは久々だ
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