上 下
66 / 77

06

しおりを挟む

少し歩いていれば、けーたの腹の虫が鳴ったことに気付く

「 けーた、もしかしてお腹空いた? 」

「 うん....ひるごはん、たべたけど.... 」

『 じゃ、お姉ちゃん達と一緒になにか食べようか!なに食べたい? 』

「 いいの?うーん、うーん....あれ! 」

けーたが指差したのは、クレープであり
それならちょっと食べるにはいいかと思って頷き行く

「 けーた、抱っこにしよう 」

「 うん! 」

肩車だと屋台の看板にぶつかるために、抱っこへと器用に変えてから、丁度すいてた為に2人で行く
此所は2年生だが、別のクラスの出し物だね

「 いらっしゃいませ!( 噂のシルキーちゃん!! ) 」

「 いらしゃーい( げっ、鬼嶽.... )」

「「( えっ、子連れ? )」」

一瞬何事!?みたいな顔をされるがシルキーは特にきにしてないし、俺も全く気にならなくなっていた

『 なに食べよう。チョコバナナがいいな 』

「 シルキーが本格的に食べたいんだね。けーたは何にする? 」

「 うーんとイチゴとくりーむの! 」

「 分かった。じゃ、アイス入りのチョコバナナクレープと生クリームとイチゴ、後....ツナサラダを1つ 」

「「( 凄くしっかりしたお父さんだ!! )」」

はいっと返事されてから900円のお会計だと言われれば俺は手が塞がってる事を思い出す

「 シルキー、悪いがポケットにある財布とってくれる? 」

『 いいよ、どこ? 』

「 えっとね、左だと思う 」

片腕で抱っこして探ろうとしても、上手く取れないことにシルキーにお願いすれば
彼女は背を曲げてから俺の尻側にあるポケットから財布を抜き取った

『 あった 』

「 1000円あると思うから渡して 」

『 んー 』 

「「( 夫婦かよ!! )」」

財布を開き1000円札を渡したシルキーにお釣りを受け取り財布にいれてから、態々俺の尻ポケットに突っ込み直し、出来たクレープを受け取った

「 少し座るか 」

「 うん! 」

『 先に食べるっ 』

けーたも座れるように、屋上へと繋がる外側の階段へとけーたを座らせてから
俺も横へと座り、シルキーはけーたの横に座る

3人でまったりとクレープを食べていく

『 美味しいっ、甘くて.... 』

「 ツナポテトのクレープいいなぁ、うまい... 』

「 うん!おいしいっ 」
 
2人も美味しそうに食べるからいいやって思いながら、紙を外して口に入れていれば
じっと感じる視線を見ればシルキーの視線と合う

「 一口食べる? 」

『 うん!やった 』

本当、余り食べない割には色々食べたがるよねって思いながら紙を捲ってから具がある方を向ければ彼女はパクっと食べた

『 ツナポテト美味しい!しょーたも、いいぜ? 』

「 ん、いただきます 」

向けられたから、一口食べればバニラアイスとチョコバナナの味に悪くないなって口元を舐めては思う

「 そっちもおいしい 」

『 だろ?けーたも食べる? 』

「 ある!だいじょうぶっ 」 

『 そかそか 』

自分の分を嬉しそうに掲げてから、食べる様子に意外にしっかりしてると思う

「( というかこれ....間接キス? )」

カレーの時もたこ焼きの時も、何かしら同じスプーンや箸は使ってたけど
こう言うのは少しだけ恥ずかしい

自分でも何が違うんだろって考えては、
少し照れながら残りを食べ終えた

ゴミをゴミ箱へと捨ててから、またけーたを肩車して歩いていく

けーたを探してるような放送は来るかと思ったけど、ガヤガヤしてても放送が繰り返して行われるのは無かった
 
「 あれしたい! 」
 
『 やろうか! 』

行く途中でゲームしたり

『 待って、クッキーある!!買う!!けーたにもプレゼントする 』

「 ありがとうっ! 」

何かしら買って食べてたら、放送室に行く頃には両手に花ではなく
お菓子を沢山持って2人がいる

『 放送室みーつけた!ちょっと聞いてくる 』

「 態々走らなくても.... 」

放送室は逃げないのにって思ってから、けーたを連れて一緒に中を覗く

「 えっ?迷子の放送?いいよ、けーた君だっけ?何歳? 」

「 うん!けーた、4歳! 」

「 わかったよ 」

いい子と頭を撫でてから、先輩の放送係は放送を始めた

“ 青い車のマークがついたシャツに、白い靴下を履いた、けーた君。4歳がお母さんを御待ちです。放送室までいらしてください。繰り返します “

「 けーた君は預かるから、君達は戻っていいよ 」

「『 ありがとうございます 』」

「 けーたまたね 」

『 またな 』

「 うん!またね! 」

本当はもう少し待ってけーたの母親が来るまで見たいけど、俺達も裕一に彼処を預けてうろうろしまくったからね

その御返しはしに行かなきゃ
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?

冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。 オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・ 「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」 「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

今日の授業は保健体育

にのみや朱乃
恋愛
(性的描写あり) 僕は家庭教師として、高校三年生のユキの家に行った。 その日はちょうどユキ以外には誰もいなかった。 ユキは勉強したくない、科目を変えようと言う。ユキが提案した科目とは。

完全なる飼育

浅野浩二
恋愛
完全なる飼育です。

拝啓、婚約者さま

松本雀
恋愛
――静かな藤棚の令嬢ウィステリア。 婚約破棄を告げられた令嬢は、静かに「そう」と答えるだけだった。その冷静な一言が、後に彼の心を深く抉ることになるとも知らずに。

淫らな蜜に狂わされ

歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。 全体的に性的表現・性行為あり。 他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。 全3話完結済みです。

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

処理中です...