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いらない物を持ち帰ったお父さんと、敦士は適当に見て帰ると行ってから立ち去った

午後からも昼御飯が終わった時間帯ぐらいから人が増えてきて、俺とシルキーは相変わらず輪投げコーナーに居た

『 オモチャも無くなってきたなぁ。ゲームソフトは残ってる 』

「 本体がないと欲しくないかも? 」

『 なるほどなー 』

新しいオモチャを置きながら、余ったゲームソフトは少し世代が前のもの
シルキーからすればたまに遊ぶゲームのものだが、本体がなければやらないのだろ

無理もないと思いつつ、2人で輪投げコーナーへと行けばシルキーの元へと泣きそうな5歳も満たない子供がやって来た

「 おねぇちゃん.... 」

『 どうしたの? 』 

異変に気付いた彼女はその場から離れてしゃがみこんで男の子の頭を撫でながら問えば、男の子は涙流しながら告げた

「 ママがいない....向こうの、ゲームするって.... 」

『 射的?行ってみようか 』

「 ん! 」

しょーた、此処をよろしくな。と伝えてから男の子の手を握った彼女を見ていれば射的側にある教室へと行き 
あの子供の母親がいるか、確認していた

「 お兄ちゃんやる! 」

「 あ、うん!なにを狙うかな? 」

俺はこっちがあるから、見なくてはと思ってお金を受け取ってから見ているもどうやら男の子の子供はいないようで、彼女は困ったようにしてから他の方へと男の子を連れ歩いていく

「 裕一!丁度いい!此処を任せるね! 」

「 へっ?えっ、食って....わかったよ 」

「 これ、その子の残りだから見てて 」

丁度食べながら通りかかった裕一に輪投げの残りを任せてから、俺もシルキーの後を追い掛けた

この学園、初めてくる人は結構迷子になるぐらい無駄に広いからシルキー一人で放送室に行けるとは思わなかった

「 シルキー、待って! 」

『 ん?しょーた、えっ。抜けてきて大丈夫? 』

「 大丈夫、裕一に任せたから。それよりその子のお母さん居なかったんだ? 」

下手に人混み割ってダッシュしたから疲れたと、1つ息を吐いてからシルキーへと視線を向けた後に、男の子へと視線をやれば怖がるように彼女の後ろへと隠れた

どうやら、母子家庭で育った子供みたいに思えるほど男性は苦手なようだ

『 そう、だから今から放送室に行きながら探そうかなって 』

「 それなら俺が案内するよ。君、知らないでしょ? 」

『 ......あは 』

うん、やっぱり知らないで向こう側にあるって位の理由でこっちに来たのだろ
確かに行かなければ知らない場所だから仕方ない

「 やっぱり。放送室は3年の職員室の近くだよ 」

『 ......ん? 』

「 外に出る必要あるね。此所は2年の校舎だし 」

よく知らないで行こうとしたよね
その事に少しだけ感心しては1つ息を吐きしゃがみこんでから男の子へと視線をやる

「 お兄ちゃんも一緒にママを探してもいいかな? 」

「 ...... 」

男の子は彼女の方へと見上げれば、シルキーは拳を握り締め笑った

『 大丈夫!一緒に探せば早く見付かるよ。しょーたお兄ちゃん優しいからさっ 』

「 うん!しょーた....?ぼく、けーた 」

「 けーた君な。よし、探そうか 」

「 うん!! 」

案外、素直でいい子だと思いながらシルキーが男の子と手を繋いで歩くその横を歩きながら俺は、道案内をする

階段を一階まで降りてから、次に靴箱へと行き靴を履く

『 けーた君、靴は? 』

「 ママがもってる.... 」

「 ならお兄ちゃんが抱っこするよ、おいで
」 

靴は脱ぎ、親はスリッパを履いて子供には靴下のままなんてよく見かけた
だからこそ仕方無いと思いながらしゃかんで両手を広げれば、けーたは怖がりながらも俺の腕に触れた

そっと抱き上げて、抱っこすれば俺達はまた外を歩く

「 わっ、たかいたかい! 」

「 なら肩車しようか? 」

「 うん! 」

身長があって良かったと思いながらけーたを肩車へと変えて落ちないよう背中を押さえて歩こうとするも
案外、肩車に慣れてるようでバランス感覚は良かった

『 しょーた、身長有るもんなー。シルキーもして 』

「 シルキーは無理でしょ。いや、出来ると思うけど 」

シルキーなんて言うから可愛いけど、それでうん、やろ、なんて言ったら組体操になるのは目に見えている
流石にねーと笑えば、彼女もまたふてくした後に笑った
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