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~ シルキー視点 ~


休憩は輝夜を連れて抜けてきた
上着を羽織り、片手に飲み物を持ってしょーたと出店を回る

「 何処も射的位には盛り上がってるんだね。お客人数が多いんだ 」

『 そうだろうな。意外に夏祭りみたいにわちゃわちゃしてる 』

「 そりゃ祭りだもん 」

辺りを見渡しながら笑うしょーたの横顔へと視線を向け、直ぐに逸らしてから軽く返事をする 

何気無く挨拶程度の頬へのキスに拒否された事に気に掛かるけど、日本人はそういう挨拶に慣れてないシャイだと聞いている

しょーたは元々シャイだし仕方無いって思うと気に成らなくなっていた 

「 そう言えば何か食べる? 」

『 ん? 』

「 昼には早いけど、今食べないと休憩出来ないと思うし 」

確かに3時間後との休憩だと言っても戻ってしまえば、時間は出来なくなると思う
昼は少し人が少なくなったとしても離れる訳にはいかないから頷く

『 ん、食べる 』

「 じゃなに食べようか?俺は腹ペコだから結構食えるけど、シルキーは少食だからなぁ 」

片手を腹に触れ、屋台の料理に誘われるまま歩いくしょーたを見れば何となく近付きたくなり、もう少し寄り肩と腕が触れる程度まで近くに立ち歩いていく

『 色々食べたいな、何があるのかも分からないけど 』

「 色々....重いものは止めて軽いものから食べていくかな。パンフレットを配ってるのは正門側らしいけど結構、看板とか見たら分かるよ 」

あっちには綿菓子あるし、向こうにはなにがある、と告げながら歩くしょーたは楽しそうだ
私がいるから詰まらない様子では無いのなら其だけでいい

輝夜も周りの匂いに気になりながらも、躾の成果が出てるし今日は楽しいと思う

「 其処の美男と美女カップルさん!やっていかない? 」

「『 ん? 』」

突然と聞こえてきた声に二人揃って立ち止まり、カップル?では無いのだがと傾げていても相手は先輩っぽいからなにも言えなく見ていた

「 3年4組の出し物。それ行け二人でどこまでも!を体験しない?カップルさん向けのイベント沢山、スタンプラリー方式なんだよ 」

「 ....俺達はお腹空いてるから 」

「 大丈夫!食べる事もあるよ! 」

食べ物付きで色んな事が出来そうならと、何気無くしょーたの小指を掴み、引っ張れば彼は視線を向ける

『 沢山遊べるならやってみたい 』

「 そう?シルキーが言うならやってみよか。いいよ、それでなにすればいいの? 」

「 やった!では、此方に名前の記入をお願いします!名前だけでいいよー 」

名簿の様なものを向けられて、先に男性用の部分に将太の名前を、そして女性用の場所にシルキーと記入すれば、彼女は私達の胸元に缶バッチをつけた

「 これは移動してもイベント参加中だと分かるものです。これはカップル限定用なので二人セットだと3年の屋台は無料なのです!で、こっちは参加中の印 」

「 離れないよう!繋がってください! 」

新しい先輩もやって来れば、渡されたのはフォー付きの手錠
鍵は此方で預かるとかで言われ、しょーたは何処か戸惑いながら告げた

「 利き手は左だったよね?ならこっちかな 」

『 うん.... 』

「 キツくない? 」

『 大丈夫! 』

上着を脱ぎ腰へと巻いてから、右手首につけられたピンクのフォーのついた手錠、それはしょーたの左手首に同じくつけば彼は動かし辛いねと笑ってから視線を先輩方へと向けた

「 では、制限時間は30分!このスタンプ6つを集めて下さい。制限時間内に終わらなければ1000円頂きます! 」

「 値段言わなかったのその事ね....いいよ、やろうか 」

何処か楽しそうなしょーたを見れば私もやる気になってくる、受け取った紐のついたスタンプラリーのカードをしょーたが掛ければストップウォッチは押される

「 よーい、スタート!! 」

『 しょーた、制覇するよ!! 』

「 仕方無いね、分かったよ! 」

「 ワンッ!!

しょーたとなら出来そうな気がする事に、
輝夜もまた返事をすれば、二人で走り始める

「 最初のスタンプは3年1組の風船を割るコースだ、それはさっき方向を見たから分かるよ 」

『 流石しょーた! 』

手錠があってもしょーたが何気無く走るペースを合わせてくれるから嬉しい

体育館A館の方に行き最初のゲームは始まった
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