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しおりを挟む7月28日
本格的な夏休みが始まった
何故か知らんが、彼女のせいで教師から押し付けられたように勉強を教えろと言われた
“ 前の席だし、家も近いだろ?宜しくな “
なんて言った彼奴を俺は許さない
俺だって地理歴史の勉強が有るのに
尚更もっと教えなきゃ間に合いそうにない彼女が追加されるなんて....
俺のバイトで暇を潰す予定だった夏休み
来日も勉強、勉強なんて嫌だ
と....思ってたんだけど....
『 海だ!!海パンいいなっ!! 』
「 美女が沢山だね!いい胸と水着だらけっ 」
「 おい、勉強はどうした。勉強は.... 」
俺も着いてきてしまったけど、電車使ってまで海に来たよ
それも海水浴に....
夏休みが始まって数日経過した8月2日
オリビアから勉強教えて欲しいからチャリで来て、なんて言われたのはほんの2時間前
其なのに家だと親がいるからと移動するからとデパートに....
前回のように連れ回され海パンを勝手に選ばれ、買われそうだったから支払って、それが終わったら駅で裕一が待ってましたとばかりに居た
『 どうだ!ビキニ着てきた! 』
「 此所で脱ぐなって着てきたって着替えは!? 」
『 知るかよー、汚れなきゃいいだろ 』
いや、泳ぐ気満々で浮き輪を持ってるじゃないか
その場で脱ぎ散らかした様に羽織った程度のパーカーと膝までの短パンを脱ぎ捨てた彼女は黒のスカートビキニを着ていた
なんと言うかスタイルいいのは分かるけど....頭痛がしてきた
「 はー、ビーチボールを普通に膨らますの死にかけるね.... 」
「 君も準備がいいね! 」
裕一はビーチボール含めて、自分の分の浮き輪を持っている
薄いシャツを脱ぎ、ズボンの中に履いてらしく、それを脱ぎ海パンへとなれば青色の波のようなタイダイ柄
爽やかな印象の彼には合うけども、準備早すぎはしないかい?
『 ほら、しょーたも脱げ! 』
「 ....服を片付けなって汚れるし 」
なんで俺が子供を連れた親みたいに、彼等が脱ぎ捨てた服を拾って砂を叩いて、畳んでビニール袋に片付けなきゃいけないのかな?
するけど、落としてても仕方ないし....
「 しょーたって意外に過保護だよね。怖い顔してさ 」
「 は?誰も好きでこんな顔はしてない....と言うか上着ぐらい着なって焼けるよ? 」
『 日焼け止め有るから大丈夫 』
「 ちゃっかりしてんね 」
俺に持たせてる袋の中に使ったのを入れてたんだ、いや....いいけど
目の前で簡単にビーチボールで遊んでる二人を見て溜め息を吐く
「 わかった、着てくるからその辺りにいてね。遠くに行かないでね? 」
「『 はーい 』」
返事だけはいい、きっと離れると思うからさっさと戻ることにした
水の出る男性用のシャワー室があるから其処で着替えてしまおうと向かう
「 ....裕一みたいな柄つきがよかった。こんな時だけ普通だよね 」
選ぶ!なんて張り切ってたからもっと派手だと思ってたのに、案外普通の黒い布に白のハイビスカスが描かれた海パンだ
派手じゃなくてよかったと安心して、着替えてから二人を探しに砂浜へと戻った
「 あの2人....無駄に存在感あるの、なんで? 」
ぱーと見れば明らかに其処だけ切り取ったかの様に絵が違う気がするほど、美女と美男がビーチバレーして遊んでるじゃないか
周りのカップル連れさえ、自分の異性を見るほど....
「 なんだろ、カメラ慣れしてる?いやそんな事はないよね? 」
カメラを向ければ写真にでもなりそうな程、無駄のない笑みや姿に少しだけ違和感を覚えた
「 おっ!しょーた!こっちこっち! 」
『 やっぱ、似合うじゃん! 』
きっと、と言うか絶対に次元が違うから
俺に話し掛けないで欲しい
周りの視線に慣れたくても、場所が変わればまた別の視線のために胃の辺りがチクチクする
「「( どっちの彼女!? )」」
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