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しおりを挟む何処の男性向けアニメみたいなセリフやめてくれ!
トイレ行きたい?そりゃ、もうこの中で5分以上は居るけども、トイレぐらい我慢出来るよね!?
俺だってそう考えるといきたく....
「( いや、待て落ちつけ俺..この感覚はトイレじゃない....男としてのアレだ.... )」
そうだ、トイレなんて考えたら一気にそんな気になってしまうじゃないか
違うこれは、意識してはいけないものだと軽く首を振って頭の中で別の事を考えようとするも、上手く思考が回らない
何故かって、コイツが....コイツが人様の脚に腰を擦り付けるのが悪い!!
「( 我慢しなって! )」
『( 無理....漏れそう.... )』
「( 漏らすなよ!? )」
分かるけども、急にトイレ行きたくなると凄く行きたくなるの!
でも、それって波を越えれば平気だよね!!
うん、俺もそう思うから頑張ろう!!
「 よし、此れにしよー 」
「 やっぱりブラックローズいいよねー 」
「 わかるー、ちょっと高いけどねぇ 」
「( よし!!会計だ!!! )」
拳を握り締めた俺は、試着室からクラスメートが出たのを音で確認し
会計を終わらせる音を聞けば、目線を下げた
「( あ、これ....限界突破しかけてるやつだ....即出よう )」
うん、染めていた頬が青ざめてるのを見て俺はもう外に出ることにした
なんとか店員の目を盗んで俺は、あの個室から生還できた....
『 はぁー、漏れるかと思った 』
「 ....俺は、生きてきた中で一番疲れた日だよ.... 」
『 えっ?あ、ちゃんとゼブラ柄の下着買ったんだよー御風呂上がりに見せるから写メ送るね 』
「 あーうん、分かったよ....ん“?? 」
待って、疲れきってたけどどのタイミングで俺のポケットからスマホを抜き取った!?
『 ほら、LINE交換しといたから 』
「 ....君って無知なのか、それとも態となのか分からないんだけど 」
『 んー? 』
俺が必死で理性と戦ってるときにスマホ抜き取るなんて酷くない?
それに勝手にLINE交換してさ....
いや、もういいんだけど....
投げるように渡されたスマホの画面を開き、LINEに追加された新しい人のアイコンは男性もののパンツでした
それも下半身の部分....よくこれをアイコンに出来るよね?つーか、誰だよ....
きっと下着モデルとは思うけど、何となく気に入らないのは何故だろうか....
「 はぁー....さて、帰ろうよ。近くまで送るし 」
『 えー、もう少しパンツ見ようよ 』
「 却下、帰ります 」
引き止める理由がパンツを見るってなに?
色気もクソも....いや、色気はあるのか?下着だし....
うん、でも、そんな色気は微塵も感じないから俺はふてくする彼女を連れてデパートから離れて帰ることにした
案外、帰る家の方向は似てるし近いことを知った
帰る時に話すのは、と言うか一方的に聞くのは今日買ったパンツについて語っていた
よく一種類の、それもゼブラ柄のパンツで語れるよね
「 君って、パンツが好きなの? 」
『 好きだよ! 』
「 まぁ、そんな感じしてた.... 」
『 ん? 』
「 俺はこっちの道だから此所までね 」
即答で答えた事に少しだけ嬉しくもあった
下着、パンツが好きなら水泳部のキャプテンなんて興味はないだろ
それに、俺にも興味無いからこそパンツを選べる
『 私はこっちだから、それじゃ此処までありがとう!パンツ履いたら見せてね 』
「 はい....またね 」
あれ?俺に興味無いから....こんな態度なんだよね?
それが嬉しい筈なのに、なんでこんな胃の辺りが気持ち悪いんだろ....
「( 君が来てから、俺は調子崩してる気がするよ.... )」
もう、関わらない方がいいのかも知れない
じゃないと身が持たない気がしてならない
家に帰る道のりが、いつもより遠く感じた
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