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スタイルもよく美人、それに勉強も出来る(?)なんて噂のされている彼女

完璧すぎて近寄り難いなんて言われていたが、本日は更に近付けなくなった

いや、雰囲気とかではなく物理的

「 爆発した!? 」

「 うっ、なんの匂いだこれ.... 」

今日は調理実習が2時間行われてるのだが、これが昼御飯、なんて調理実習の先生が言ってたがいや、無理だろ

特に俺達、あ行のメンバーのテーブル
オリビアのせいで悲惨だ....

「 あるだけの料理でなんで、こんな紫色の毒々しい色になってんだ!? 」

「 シルキーさんに作らせたら.... 」

神様は完璧な人は作らないらしい
なにこの、王道の美人だけど料理は破壊的に下手とか

えっ、彼女は時々味見してたよ?
それも美味しいって言って頷いてたのに....まさか....

『 うん、悪くない 』

「 それ塩だけど.... 」

「「( 究極の味音痴!!? )」」

砂糖と塩を見間違えるのは分かる
分量も間違えるのは分かる
だが塩の固まり食って頷いてるのは分からない
表情一つ変わらないし....

「 凄くアクが浮いてるんだけど、なにいれたの? 」

『 ん?肉? 』

「 .....アクを取りなが茹でず、そのまま材料をぶちこんだのか.... 」

『 失礼な、剥いたよ! 』

俺の言葉にむっとする表情に珍しく、無表情が変わってることに少しだけ驚いた
それでもこの化学反応を起こした料理が昼御飯なのは流石に無理だ

「 どうする?作り直す? 」

「 時間が40分しかねぇよ.... 」

他の二人もこれは食べたくないのだろ
美人の手料理を食べたい、なんて言ってた奴等がこのザマなら人は見た目か....

「 はぁ、40分もあれば色々作れるでしょ。材料好きに使っていいって言われてるし....俺が作るから 」

「「 えっ 」」

「 二人は指示したのを持って来て 」

「「 分かった! 」」

料理は得意分野だけど、今まではどんなに味が微妙でも勝手に任せて食べてきた
俺が料理出来るなんて知られたくなかったから

ギャップ萌えなんて狙ってない
只、忙しい兄貴に変わってご飯の準備をしてたら出来るようになっただけ

「 さてと、オリビアさんは何が食べたい? 」

『 ....オムライス 』 

「 なら簡単だね。君は....座ってて 」

卵も割れない、剥くことも苦手、切るのは怖すぎる
よってなにもしないで欲しいと願えば彼女はむすっとして椅子に座り直した

それでもいい、毒々しい料理では無くなれば昼御飯になれる

あれを捨てるのは正直勿体無いというか、なんか可哀想な気がして、一旦それは保留で横に置く

『 むぅ.... 』

「「( 可愛い。料理は悲惨だったけど )」」 

無表情で無愛想、そんなイメージが有るのにむすっとしてる表情を見れば昨日、パンツを買っていた時のテンションを思い出す
あんな顔もするなら、
普段からしていればクラスメートと、もっと打ち解けて、俺の周りは静かになるだろうに....

「 さて、其では食べましょう! 」

「 すげー!オムライス! 」

「 ホテルに有りそうなオムライス! 」

調理実習の先生の言葉で昼御飯を食うことになった、オムライスをチームの二人へと渡した俺はもう一つを彼女の前に置き様子を見る

無駄に見た目に拘る兄貴の為に、トマトとチキンのご飯の上にふっくら丸めたオムレツを乗せたやつ

さて、食べるかな....

「 鬼嶽って料理出来るんだな!すげーよ 」

「 うんうん! 」

家庭的なオムライスが作れない奴なんていないでしょ....なんて思ったが、目の前にいたわ....料理を毒々しい紫色にするやつがね

各班が其々食べてるなかで、俺は自分のだし感想を言うことなく口に含む
悪くない、少し甘過ぎた気もするぐらいだけど....

『 ん....おいひい.... 』

「 フッ、そう? 」

『 うん! 』

頬を膨らませて食べるのはきっと癖なのだろう、嬉しそうに食べる様子に自然と頬は緩んでしまう

「「( なんかいい雰囲気なの腹立つ!! )」」

周りの痛いほどの視線はスルーしよう

黙々と食べるその姿を見て、今は考えるのを止めとこう
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