3 / 77
03
しおりを挟む買ったよ、凄くない?
20分近く並んでやっと買えたのはジュースとおにぎり、彼女はパンを2つ買っていたけどそんなに食べるのだろうか
つーか......
「( 流れ的に一緒に食うことになってんだけど、どういうこと!? )」
無言のまま買って、そのままその場から移動して比較的に人通り少ない場所
食堂から外れた休憩所、自動販売機もあり
エアコンが管理された涼しい場所にやって来たのだが、ごく普通にこのオリビアと言うやつも座って食べているんだが....
それも俺の目の前で
買ったからじゃな、なんて言うかと思ったら全くそんな事はない
寧ろ早々にメロンパンを開けて食べ始めた事に、俺は明太子のおにぎりを仕方なく口へと含んだ
「( もういいや.... )」
話し掛けられ過ぎたら疲れると思っていた
だが、話をしないのも精神疲れをしそうだ
いや....もうしてるか....
彼女は俺の存在なんて無いようにメロンパンを食ってるが....
「( なんだろ、何処を向いて食べたらいいのか分からない.... )」
此所のメロンパン、成長期の学生用に近くのパン屋さんが手作りで作った少し大きめのメロンパンだから
紙袋をずらしながら食べるには両手で食べる必要がある
それが何故か、彼女がやるとキンクマみたいなハムスターが餌を食べてるように見える
「( いや、そんな頬に詰め込まなくてもゆっくり食べたらいいのに.... )」
俺は一人暮らしじゃない
高校生だし、兄弟だっている
兄と弟どちらもいるからこそ、なんとなく世話のかかっていた時期の弟と被る
生意気だけど、食べ方も一生懸命で....
似て...いや、全く似てないや
『 はぁー.... 』
「( もしかして、メロンパン....多かった? )」
溜め息をついて肩を落とす彼女は、流し込むようにオレンジジュースのストローを吸ってまたゆっくりと食べていく
見た目で大きいと分かるなら二つも買わなければいいのに....
「 ウェットティッシュ持ってるから拭いたら?砂糖で手とか口の周り凄いし 」
ポケットからティッシュ変わりに持ってる、アルコール除菌のウェットティッシュを机の上に置けば、彼女はそれを見た後に親指を使い口の周りを舐めていく
なんだろ....拭きたがりたくない赤ちゃんなの?
「 もう、取りなよ....ほら 」
人様の物だから、なんて変な気を使われるよりずっといい
ウェットティッシュを2枚取り、差し出せば仕方ないって感じで拭き始めた
砂糖たっぷりなのも此所のメロンパンだけど、後から手とか洗いに行く必要あるから俺は食べたく無いんだよね、美味しいけどさ....
彼女が拭いてる間におにぎりの袋をくしゃりと握り締め、各テーブルの横にあるゴミ箱へと捨て買っていたカフェオレにストローを突き刺す
「 ずっと無言なの?なんか聞きたいこととかあるんじゃないの?答えるし 」
俺をコキ使え、なんて教師の言葉を鵜呑みしてるとは思えないけど
ついてくるにはそれなりの理由があると思う
どんな質問でも無言の空気が消えるなら答えてやってもいい、そんな事を考えながらカフェオレを吸った
『 パンツは何色ですか? 』
「 ブッ!!!! 」
俺のカフェオレが!!!!
学校の事でもなく、俺への質問でもなく、パンツ?えっ、パンツって下着だよね!?
そんな事をずっと考えていたの!?
霧状に吹き出したカフェオレよりパンツ聞かれたことに驚いて、顔を向ければ彼女は真顔で告げた
『 やっぱり、鬼のパンツ履いてるんですか? 』
「 履いてるわけ無いよ!!鬼のパンツってあの黄色と黒のゼブラ柄だよね!?鬼嶽って履くわけないじゃん! 」
『 じゃ、何を履いてるんですか? 』
なんでそんなにパンツに食いつくの?
今まで無言だったのに、なんでそんな目を輝かしてんの?
「 そんなの.... 」
椅子から降りてウェットティッシュで床を拭きながら、俺は何気無くズボンをずらして色を見た
朝シャンした後に適当に履いたやつを覚えてる訳もなく、確認すれば拭き終わってから答えた
「 ....黒のボクサーだよ 」
『 ふーん.... 』
「( ....えっ、反応薄っ )」
そんな鬼のパンツじゃなかっただけで反応薄いの?
普通、無地のボクサーとかじゃない?
違うの?
期待させるつもりは全く無かったけど、
反応薄いのもまた何となく腹が立つ
同い年の男子に聞いたんだよ?
「 じゃ、君は何の下着着けてんの? 」
もうヤケクソとばかりに告げた俺に、彼女は少し目線を胸元へと向けシャツをずらした
「 っ!!! 」
秒殺とはきっとその事、そんな確認しなくても!!
いや、俺も確認したけど、立ってる俺から見たら胸元の谷間が見えるから色々とアウトだった
鼻血が出そうなのを我慢してそっぽ向いてたら、
答えは耳に入ってこなかった
「( ....経験無いって損だと思う )」
0
お気に入りに追加
17
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
女子高生は卒業間近の先輩に告白する。全裸で。
矢木羽研
恋愛
図書委員の女子高生(小柄ちっぱい眼鏡)が、卒業間近の先輩男子に告白します。全裸で。
女の子が裸になるだけの話。それ以上の行為はありません。
取って付けたようなバレンタインネタあり。
カクヨムでも同内容で公開しています。
[完結済み]男女比1対99の貞操観念が逆転した世界での日常が狂いまくっている件
森 拓也
キャラ文芸
俺、緒方 悟(おがた さとる)は意識を取り戻したら男女比1対99の貞操観念が逆転した世界にいた。そこでは男が稀少であり、何よりも尊重されていて、俺も例外ではなかった。
学校の中も、男子生徒が数人しかいないからまるで雰囲気が違う。廊下を歩いてても、女子たちの声だけが聞こえてくる。まるで別の世界みたいに。
そんな中でも俺の周りには優しいな女子たちがたくさんいる。特に、幼馴染の美羽はずっと俺のことを気にかけてくれているみたいで……
隣の席の女の子がエッチだったのでおっぱい揉んでみたら発情されました
ねんごろ
恋愛
隣の女の子がエッチすぎて、思わず授業中に胸を揉んでしまったら……
という、とんでもないお話を書きました。
ぜひ読んでください。
許婚と親友は両片思いだったので2人の仲を取り持つことにしました
結城芙由奈
恋愛
<2人の仲を応援するので、どうか私を嫌わないでください>
私には子供のころから決められた許嫁がいた。ある日、久しぶりに再会した親友を紹介した私は次第に2人がお互いを好きになっていく様子に気が付いた。どちらも私にとっては大切な存在。2人から邪魔者と思われ、嫌われたくはないので、私は全力で許嫁と親友の仲を取り持つ事を心に決めた。すると彼の評判が悪くなっていき、それまで冷たかった彼の態度が軟化してきて話は意外な展開に・・・?
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる