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番外編

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そう告げたお兄ちゃんは私の頭を撫でて離れていった

訳が分からず、呆然と一人膝を抱えてソファーに座り与えられた熱が冷めるまでその場にいた

淫乱な弟だと引いてしまったのか、それとももっと別の事を考えたのかお兄ちゃんは手を洗ってから部屋へと戻った

『 ....私、なんで.... 』

今更、自分で誘ってしまったことに後悔する
お兄ちゃんは悪くないのに身体は勝手に快楽を求めてしまう

童貞であり自慰すらまともにした事のない筈なのに、身体の芯から疼くように這いずり上がる性欲は私の意思に反する

『 んっ....エッチ、してみたいと思ってしまう.... 』

自らの身体を抱き締めて我慢できるまで考えてる事は
お兄ちゃんの肉棒や拓斗さんの肉棒が身体に入り揺すってくれる、そんないやらしい妄想

ソファーに横になり妄想は次第に夢へと変われば眠りに付いた

達した後はやっぱり疲れていたんだと思う

幾分か目を覚まし、聞こえてきたのは料理の作る心地いい音であり
すんっと鼻を鳴らせば美味しそうなトマトのチキンライスの香りがする

『 あ、オムライス! 』

自分の好きなオムライスだと顔を上げて告げてしまえば、キッチンに立っていたお兄ちゃんは密かに笑った 

「 あぁ、正解だ。よく眠れたか? 」 

『 あ、うん.... 』

「 そうか 」

そうやってごく普通に何事も無かったように言葉を返してくれる事に嬉しいようで、寂しい気もする

もっと何故?って聞いてくれればいいのに、と目線を落とす私はなにも言えなくなった

「 ほら、出来たぞ。お兄ちゃん特製オムライスだ 」

『 上手!いただきます! 』

「 あぁ、召し上がれ 」

テーブルに置かれた二人分のオムライス
片方はお兄ちゃんの分で私より一回りは大きい
相変わらずよく食べると、スプーンを持ち手を合わせてから一口食べる

『 んんっ!おいしっ 』

甘くてふわっふわした周りにとろっと半熟の玉子があり、それに包まれるトマトのチキンライスはバランスのいい酸味がある 

上にかかったトマトソースと共に口に含めば玉子の甘さによって食欲は進む 

同じスプーンなのに目の前にいるお兄ちゃんの食べる速度は二倍ぐらい速くて、殆ど丸のみしてるんだと見て分かる

相変わらず御腹に落としていくような食べ方に胃を壊しそうだと思いながら自分の分を口にする

『 ...... 』

お兄ちゃんは後、数口で食べ終わり私は半分ほとでピタリと手が止まる
御腹が一杯なのではなくきっとお兄ちゃんは食べてまた私を避けるように部屋へと籠ってしまうと推測できたからこそ、話して起きたかった

『 お兄ちゃん....あのさ.... 』

「 ん?なんだ? 」

一切会話がなく食べ進めていたお兄ちゃんは此方へと視線を向け首を傾げる

言ってしまえば嫌われる、でも言わなくても避けれるだから....か細い声で震える手をぎゅっと拳を握り締め告げる

『 えっちな、弟で....ごめんなさい.... 』

「 !? 」

他の言葉が伝えたかったのに言えた言葉は謝罪のみ
驚いたように目を見開きスプーンから手を離したお兄ちゃんに、我慢の糸が切れた私は両手で顔を隠し泣きながら話す

『 夜に、お兄ちゃん達みて....それから、ずっと妄想して....えっちな気分になって、お兄ちゃん見てると触って欲しくて....可笑しいのね、嫌だよね、こんな弟.... 』

「 陽....俺は.... 」

手を伸ばそうとしたお兄ちゃんに向けて私は兄弟としての罪を犯してた事を実感する

『 お兄ちゃんに、触られて気付いた....私は、お兄ちゃんがすき....憧れて、優しくて、綺麗で格好いいお兄ちゃんが....ずっと好きだった.... 』

だから兄弟なのに触られても嫌ではないと自覚した
寧ろもっと触ってほしかったと思いながら泣き泣き告げた言葉は人生初の告白であり失恋だとも知っている

お兄ちゃんが椅子を引いて立ち上がった音に、また何処かに行ってしまうだと察した

私は....お兄ちゃんみたいな人を探してた....

だから拓斗さんのお兄ちゃんの面影を感じて好意を向けてたんだと思った

だけど本当に好きなのは....只一人の家族だ

「 陽妃 」

『 っ!! 』

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