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番外編

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ズダン、ズダン、ズダン

鳴り響く銃声音と共に空の銃弾は手元の台に転がり落ち新しく弾を込めもう一度パネルに向かって引き金を引く

「 ふはっ~、全部、頭外してやんの 」

「 そうだね。外れちゃう。やっぱり的がいけないのかな 」

此所は組織が管理する射場であり、着けていたヘッドホンを外し手元に降ろしてからやって来た子へと視線を向ける

彼は現役の高校生であり、確か陽妃や海斗と同じクラスの八木 遊馬と名乗ってる子じゃなかったかなと思う

「 的って、103先輩じゃん。特注品? 」

「 そう、103にすると練習も捗るんだよね 」

俺の使ってるパネルは特注の颯の等身大であり、モデルの時の写真を拡大したもの
撃ち抜かれたのは両手、両足、そして心臓部分なんだけどやっぱり綺麗な顔は撃てない

だからかな、俺が脳を撃ち抜くのが下手なのは....そう思いながら笑って手元のボタン押せば新しいパネルへとやり変える

次は陸ではない普通の男のパネルだ

「 他の男だと萎えちゃう 」

ダンッと響く銃声はパネルの額を撃ち抜けば、彼はケラケラと笑う

「 めっちゃ103先輩好きなんっすね! 」

「 そうだね。殺したい程に好きだよ 」

パネルの喉の位置に撃っていけば折れた頭は床へと落ち、ボタンのスイッチ押し次のパネルを颯へと変えれば手の平から撃っていく

「 ははっ、そう言えば103先輩が646先輩に御願いあったらしいので、彼の会社にいる同族から手紙預かってきました 」

「 えっ、ほんと?なになに? 」

颯からの依頼なら喜んで受けるとばかりに彼が学生服の中から手紙を出し、俺とへ差し出せば受け取りホルスターから取り出すナイフで開き中を読む

「 うげ、5日迄って用事あるのに.... 」

5日までにとある国の貨物を調べてほしい、なんて依頼に陽妃と約束した日付に被ると眉は寄る

「 止めるなら伝えましょうか? 」

「 うんん、いいよ。どうせ103からの依頼をこなせば別にお金貰えるし 」

手紙をポケットにいれ、拳銃を脳へと向けズタンッと一発の銃声は響く

「 待っててね。ちゃんと主のご希望叶えてあげるよ 」

パネルの頭は床へと落ち、銃の弾を入れ直しホルスターへと戻せば彼の肩に触れにこやかに笑顔を向ける

「 手紙ありがと。練習頑張ってね 」

「 これから学校行くんで、練習は終わってからします 」

「 勉強熱心でいいことだよ 」

ははっと笑う彼に手を振ってその場を離れる

射場から出て通路を歩き、自らの仕事部屋へと向かいながら通り過ぎる同族にペコリと挨拶され、此方もにこりと笑って返してから階を登った先にある自室の部屋の前に行く

暗証番号打ち、指紋認証と眼球認証終えて扉を開き中へと入れば、背後で閉まったのを確認してから明かりをつける

「 颯....楽しみにしててね 」

部屋一面にある、颯の隠し撮りやモデルだった時の写真の数々、等身大もあるし水着の写真やら幼い頃の中学生の頃のもある

胸元にいれていた陽妃の写真を壁にある颯と同じサイズの横へと画ビョウで押さえつける

「 君の息子と遊ぶために、俺は仕事を頑張るよ....バーンッ 」

颯に向け指で作った銃を向けて軽くウィンクしながら撃てば、笑みは零れベッドへと倒れる

「 んん~、颯褒めてくれるかな。またクールに当たり前とばかりにいい放つのかなっ。どっちでもいいなっ、どっちもみたい 」

颯がモデルをしてた時に発売された、彼の等身大の抱き枕を抱き締めてゴロゴロと転がる俺は天井に貼ってある写真を見てから笑みは零れる

颯は知らない....俺がこんなにも君が好きなことや、ストーカーだと言われるほどに沢山の写真をこれまで撮ってきたことも....

「 君の殺害依頼が降りた時は俺が殺してあげる....大好きだよ....颯 」

殺したい程に、その死んだ肉や骨を食べてしまいたい程に君が好き

そんな君の遺伝子を持ち、横顔や声すら幼い頃の颯にそっくりな陽妃もまた好きだと思う

颯の子供....

「 ふはっ!颯の子供は俺とのベイビーがいいなっ。颯、颯、颯、颯....あぁ、なんで君は俺に興味ないんだろ....マジで死ねばいいのに.... 」

こんなにも好きなのに君は俺に見向きもしない
隣にいる秘書であるボスとばかり仲良くしてるのは気に入らない、むしゃくしゃするほど腹が立つとぎゅっと抱き締めた腕に力が籠る

「 ....誰かのものである君も好きだけど、自由を気取って冷血な君の方が魅力的だよ....ん?あぁ、陽妃ちゃんからだ~ 」

バイブの振動にスマホを取り出してメッセージを見れば、陽妃が学校に到着して頑張る!なんて内容に口元は緩む

「 もし俺が君のストーカーなら。行動パターンを全て教えてくれてるみたいなものだよ?ふふっ、そう言うのを分からない無知な子は可愛いな.... 」

頑張って、なんて上辺だけの言葉を送りスマホを放置してから枕を抱き締め目を閉じる

正直、海斗のいる家に帰るより俺は此処に居た方が幸せだし俺らしくいられる

海斗ももう子供じゃないんだから俺がいなくてもいい、って思うけどきっと心配するんだろうなぁ.... 

「 んー、任務になるから一度顔を見せておくかな....またネットカフェに居たって事にしよ 」

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