7 / 193
07
しおりを挟む会議中に妹から電話が掛かってきた為に何事かとばかりに一旦、退出し電話を出た
『 もしもし?どうした? 』
" 仕事中にごめんね、何時に帰れそう? "
『 今日は早ければ定時だな。18時頃だ 』
焦ってるような妹の声に何気無く腕時計を見て答える
現在は昼頃のために、この調子なら帰れるのは目に見えている
晩御飯は何をしよう、なんて事を頭の片隅に考えていれば妹は告げた
" 良かった。頼みがあるんだけど聞いてくれる? "
『 御前の頼みならなんだって聞くさ。言ってみ? 』
そりゃお兄ちゃんだから聞いてやると思う俺に、妹は安堵したように息を吐く
" 今日、出会い系の男性と初めて会って晩御飯一緒にする約束してたんだけど、友達と映画行くことになったからそっちの約束守りたくって。でも、どんな男性か、気になるからお兄ちゃん見に行って! "
『 ......は?いや、待て。どういうことだ? 』
会議室から出てきた秘書が、戻ってきて欲しそうな合図を視線で送ってきた為に片手でもう少し待って欲しいと伝え、妹のお願い事に思考を回転させる
出会い系サイトで知り合った男性と食事に行く?夜にか?いや、その前に友達との映画を見たいから男がどんな奴か教えて欲しいって....
" 容姿は金髪の青い目をした180㎝越えの長身で、28歳らしい!お金持ちか確認して! "
『 いや、御前が行かないのなら意味.... 』
" じゃ、御願いね!!お金持ちでイケメンなら連絡先聞いといて! "
『 は?ちょっ、まっ.... 』
ツーツーと着信が切れた音にスマホへと視線を落とす
金持ちでイケメンなら連絡先聞いといて?って出会い系サイト内でのメッセージ交換しかしてないなら、俺と会った所で意味からんだろ
兄が変わりに行く、なんて前代未聞の事でも言ってるのだろうか
それともなにも伝えず、会う場所だけ伝えて終わったのか俺には分からないが直ぐに妹から待ち合う予定の時間と場所のメールを見て肩を落とす
「 社長、会議の続きですが.... 」
『 なぁ、黒澤君 』
「 なんでしょ? 」
秘書の名前は 黒澤 鴉史 と言う
俺は、黒澤君と呼んでるのだが彼を呼んでからスマホをポケットに突っ込む俺の表情はかなり歪んで笑っていた
『 面白い事を思い付いたから、仕事終わりに少し付き合ってもらうぞ 』
「 ??えぇ、分かりました 」
妹に近づく男は、どんなに出会い系で妹からアプローチして知り合ったとしても許す訳がないだろ
それにどんな奴が妹の好みなのか確認する事も必要な為にちょっとした遊びを思い付つ
これも全て、妹が" 確認してきて! "なんて言ったから行くだけであって俺は何一つ悪いことはしてないだろ
強いて言うなら、高校生の妹に手を出そうとする28歳の男が悪いんだ
犯罪だとは思わないのか?クソガキを見に行ってやるか、と言う思いで仕事終わりにちょっと有ることをすることにしたのだが、流石に定時で帰れると言ってもハードスケジュール
眠くなるのには変わりにない
「 それで、付き合うこととは? 」
『 あぁ....前に宴会で女装してた奴いたろ? 』
「 係長ですね。それがどうかしたんですか? 」
『 そいつのカツラどこだっけってな.... 』
「 は?えっ、カツラですか.... 」
仕事が終わった18時過ぎ
社長室にある、思い出深いアイテムなど置かれた押し入れを開き
ごそごそと探る俺は会社のものが置いて帰ったコートなど手に取り後ろへと落とし言えば黒澤は少し考えてから入ってくる
「 確かこっちのタンスですよ。ほら、ありました 」
『 流石、黒澤君。後はブーツだな....あったあった 』
「 まさか、使うのですか? 」
若干引いたような感じがする黒澤だが、俺は笑顔でカツラを被り、親指を向ける
『 モチのロン。目元のメイクは任せたぞ 』
「 貴方は30歳にもなってなにがしたいんですか.... 」
呆れる秘書だが、これも全て妹の為だ
別に女装癖な訳ではない
さて、待ってろよ
金持ち気取りの変態野郎
0
お気に入りに追加
88
あなたにおすすめの小説
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜
きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員
Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。
そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。
初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。
甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。
第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。
※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり)
※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り
初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる