6 / 193
06
しおりを挟む「 ふぁ....ねむっ.... 」
昨日は学校が終わった17時から21時までバイトをし、その後に帰ってから深夜遅くまで勉強してた為に眠くて眠くて仕方無い
家に兄が居ない事をいいことに、速めに学校に辿り着き自分の机の上で寝ていればふっと兄からスマホに連絡が来た
どうせたいした内容じゃ無いだろうって特に思わずメールを開けば、内容に一瞬固まった
「 ....は? 」
その内容は、眠い朝に見るものではない
" 悪い。出会い系で知り合った女の子と会う約束したけど他の女の子と遊んでるから片方行って様子見に行って!金がありそうな女の子ならキープしててね! "
いや、全くもって意味がわからない
続けて送られてきた内容には兄のサイトでの渾名と、その出逢うべき女の子の渾名を教えられてたのだが俺が行くわけないだろ
「 バイトだから無理 」
" バイト代ぐらい出してあげるから、御願いね!俺の代わりに、俺になりきって出会って! "
そんなにキープしたい女が必要なのか分からないが、興味ないとスマホを放置した
兄の代わりなんてなる気なんてないし、年齢を誤魔化すなんて詐欺みたいな事はしたくない
相手がどんな奴かは知らないが、現れなければ急用が出来た、とかでドタキャンしてまた会う約束でもしたらいいんじゃないかと思う
兄はそんな事をする奴だからこそ俺は違和感はない
「 ....女と会うよりバイトの方が優先に決まってんだろ 」
兄の代わりなんてごめんだ、そう何度も思いながら出来なかった仮眠を取るべく目を閉じた
直ぐに浅く眠りにつくが、あの明るい声で思考は浮上する
「 キャー!!今日のお兄さん色っぽい!! 」
「 えっ、これは高校生には刺激的すぎるでしょ!! 」
「 でしょでしょ!今日は高いよー? 」
「「 勿論、買う!! 」」
また陽妃は自分の兄を売ってるのか、なんとなく俺の兄みたいだと思う
兄も弟を売ることなんて多々あるほど、金のことになると俺を上手く使う
その為に何度怖かった思いをしたことか....
そう思うと、陽妃の兄も知らず知らずに自分の写メが流出してる事を知ったら恐がるんじゃないかと思う
あの女子達がその写メを何に使ってるかは知らないが、かなりの数はいろんな人に行き渡ってる気はするな....
高校1年生からそんな彼女達を見てるから思う
「 よう、海斗。出会い系サイトの"すれ恋"って知ってるか? 」
目の前に座る、八木の言葉に目線だけ向けた後に腕の枕へと顔を埋める
「 興味ない.... 」
「 そう言わず登録してみろって。街ですれ違った奴が分かるんだぜ?そして、それを気にメッセージやり取り出来るんだし 」
「 ....同じ言葉を何度も言わせないでくれ。興味ない 」
すれ違った相手が表示され、その人とメッセージのやり取りが出来てまた会おう、なんて話へと繋がるのだろ
なんて簡単に出逢えてヤれるアプリなんだ
兄が好きそうなのも分かると思う
沢山の広告や宣伝されてるが実際には、登録だけして後は放置したり業者が多い気もする
本気な人はきっといないだろう
0
お気に入りに追加
88
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる